バブル期のヒーローだったパジェロ
三菱は、本格派オフローダーであるパジェロの国内販売向けモデルを2019年8月をに生産を終了すると発表。生産終了を前に、特別仕様車「FINAL EDITION」を設定して発売を開始した。三菱パジェロ特別仕様車「FINAL EDITION」は、700台の限定販売となる。
初代三菱パジェロは、1982年に誕生した。圧倒的な悪路走破性を持つ本格オフローダーとしての価値をアピールしながら、現在のSUVブームにもつながると快適な雰囲気ももっていた。
そして、1990年代に一台ムーブメントを巻き起こしたのが2代目パジェロだ。2代目パジェロは、1991年に登場した。この2代目パジェロには、フルタイム4WDとパートタイム4WDの両方の長所をあわせ持った世界初のスーパーセレクト4WDが採用され、圧倒的な悪路走破性能を誇った。
また、5ドアのロングモデルは、より都会的でラグジュアリー性を高めた。当時のRVブームをけん引するモデルとなり、爆発的なヒットモデルとなり、三菱の看板車種へと成長。価格が高価だったこともあり、当時の若者にとってパジェロは憧れのクルマだった。
そして、3代目パジェロは1999年にデビューした。ラダーフレーム構造からビルトインフレーム構造のモノコックボディに変更。軽量化と高剛性化を実現。高い悪路走破性を進化させながら、優れた操縦安定性と乗り心地を両立。より、街中でも快適なオフローダーに進化した。
そして、国内では最後となる4代目パジェロは、2006年にデビュー。スーパーセレクト4WD-IIに加え、新たにアクティブスタビリティ&トラクションコントロールなどを採用し、パジェロらしい悪路走破性をさらに進化させた。
こうしたオフローダーは、車重が重いこともあり、低速トルクが強大なディーゼルエンジンが好まれる傾向にある。厳しくなった排ガス規制で姿を消していたディーゼルエンジンだったが、2010年に排ガス規制をパスした3.2Lクリーンディーゼルが投入された。このディーゼルエンジンの投入で、パジェロの魅力をさらに向上した。
意外な国内撤退理由とは?
SUVブームもあり、トヨタのオフローダーであるランドクルーザー系は好調な販売状況なのだが、パジェロの販売は低迷し続けていた。これは、クルマがダメというよりも、度重なる不祥事が起き三菱のブランドは大きく傷ついたことも大きく影響している。絶大なブランド力を誇っていたパジェロだったが、やはりドンドンと存在感を失っていった。直近では、100台/月も売れない状況が続いていた。
しかし、耐えながらパジェロを販売し続けていたものの、ついに限界を迎えてしまった。歩行者保護の法規制などが厳しさを増していく中、2006年デビューとやや古くなってしまったパジェロでは、法規制対応が難しくなってしまったのだ。
端的に言えば、法規制対応すれために、改良すればよいだけのこと。ところが、現状の販売台数では法規制に対応するための投資分が回収できない状況にまで陥っていたという。また、販売台数増の見込みもない。こうなると、三菱はパジェロの国内撤退を選択するしかないという苦渋の決断をするしかなかったのだ。
国内撤退はしたものの、パジェロそのものが世界から消えたわけではなく、法対応可能な国などでは販売が継続される。いずれ、5代目にフルモデルチェンジということになれば、国内販売も復活するかもしれない。5代目パジェロで、国内販売復活に期待したいところだ。
買い得感十分! 満足度の高い特別仕様パジェロ「FINAL EDITION」
三菱パジェロ、最後の特別仕様車となった「FINAL EDITION」は、限定700台となっている。ベースグレードは「EXCEED」。搭載エンジンは、3.2Lのクリーンディーゼルとなる。特別仕様車「FINAL EDITION」は、ベースグレードに対して、多くの人気のオプションをプラス。その上で、価格アップを大幅に抑えた設定となっている。
パジェロ「FINAL EDITION」の外観部での装備されたオプションは、ルーフレールと電動ロングサンルーフ。外板色は、モノトーンのウォームホワイトパール、、ブラックマイカ、スターリングシルバーメタリックに、3way2toneのスターリングシルバーメタリック/アイガーグレーメタリックの4色となった。
内装は、かなりラグジュアリーな仕様となった。本革シートとパワーシート(運転席/助手席)のオプションを装備した。
機能関連の装備では、寒冷地帯のオーナーやウインタースポーツを好むユーザーも安心の寒冷地仕様を標準装備化した。寒冷地での使い勝手を向上している。
また、走行関連の装備では、リヤデフロックを装備。パジェロの悪路走破性能をさらに向上させる装備だ。そして、安全装備ではサイドエアバッグ&カーテンエアバッグを標準装備。パジェロには、自動ブレーキなどが用意されていないので、標準装備化が当り前の装備だ。
その他、好みで選択ができる専用ディーラーオプションパッケージも設定された。人気ディーラーオプションを中心に集めており、セットにすることでリーズナブルな価格設定としている。このディーラーオプションは「FINAL EDITIONアクセサリーパッケージ」と呼ばれ、価格は122,752円(税込み:参考取付工賃14,968円)。「FINAL EDITIONアクセサリーパッケージ」の装備内容は、リヤデフレクター、スペアタイヤカバー(メッキ)、マッドフラップ(アルミプレート仕様)となっている。
パジェロファンへの感謝を込めた成約プレゼントを用意
パジェロファンへの感謝の意味もあり、三菱からのプレゼントも用意された。成約プレゼントとして「FINAL EDITION」のロゴ&シリアルナンバーが刻印されたイルミネーション付スカッフプレート、シリアルナンバー入りのオリジナルウォッチ、オリジナルステッカーまで用意し。パジェロファンにとっては、とても貴重なプレゼントになるだろう。
パジェロを買うなら、特別仕様車「FINAL EDITION」がお勧め!
特別仕様車三菱パジェロ「FINAL EDITION」の価格は4,530,600円。ベースグレードの「EXCEED」の価格は4,282,200円なので、約25万円ほど価格がアップしている。
約25万円分の価格アップで、ザックリ計算しても、50万円以上の装備がプラスされ、しかも、成約プレゼントまで付いてくる。これは、かなり買い得感のある仕様といえる。
お買い得だからといって、手放しで喜んではいけない。商談で「お買い得な特別仕様車だから値引きはできない。限定車だから、すぐ売れてしまう」と言われるケースがよくあるからだ。それでは、お買い得な特別仕様車を買う意味が無くなってしまう。ランドクルーザー系などと、しっかりと競合させて十分な値引きを引き出せれば、お買い得な特別仕様車としての価値はさらにアップする。
パジェロ特別仕様車「FINAL EDITION」は、リセールバリュー面でも期待できそうだ。パジェロは、あまり売れなかったため、中古車の流通量は非常に少ない状況だ。流通量が少ないこともあり、パジェロのリセールバリューは、なかなか良好な状態を維持している。こうしたマニアックなモデルは、今後、発売されないとなると、リセールバリューがアップすることが予想できる。しかも、最終モデルとなれば、さらに高値傾向になる可能性が高い。短期の乗り換えでも、お勧めできる特別仕様車といえるだろう。
三菱パジェロ特別仕様車「FINAL EDITION」価格
パジェロ特別仕様車「FINAL EDITION」:4,530,600円
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