タイで生産され、輸入されているミラージュ
三菱は、コンパクトカー「ミラージュ」のフロント・リヤデザインを一新。同時に、予防安全装備の強化するなど、大幅改良を施し発売を開始した。
三菱ミラージュは、2012年に登場し6代目となった。ただ、ミラージュは、5代目が販売終了後、一旦姿を消していた。この6代目ミラージュは、約12年振りの復活となった。
また、この6代目ミラージュは、タイで生産されて日本に導入されている。
ミラージュのボディサイズは、全長3,855×全幅×1,665全高1,505mm。全長は4mを大きく切っていることから、トヨタ ヤリスやホンダ フィットといったコンパクトカーより、ひとつ下のクラスになる。ライバル車は、トヨタ パッソや、同じくタイから輸入されている日産マーチ、スズキ スイフトだ。
搭載されているエンジンは、直3 1.2Lガソリン車のみ。出力は78ps&100Nm。燃費は20.0km/L(WLTCモード)となった。
このクラスのコンパクトカーは、パッソとスイフトが他を圧倒。マーチやミラージュは、大きき引き離されている状態。2019年度の新車販売台数では、パッソが23位、スイフトが24位と健闘。しかし、ミラージュとマーチはベスト50にも入っていない。
マーチと共に、厳しい販売状況が続くミラージュ
このクラスは、ボディサイズが小さいため、どうしても軽自動車と比較されてしまう。軽自動車は、多くの車種があり選択肢が豊富。人気カテゴリーということもあり、魅力的な装備や優れた居住性など、クルマとしての完成度も非常に高い。さらに、税制的メリットも大きいため、販売面では苦戦傾向にある。
ただ、それでもパッソやスイフトは一定の販売台数を維持。ミラージュやマーチに足りないものは、やはり商品力と営業力ということになる。
ただ、ミラージュはまだまだ売る気はあるようで、今回大幅な改良を行い商品力を強化した。残念ながら、マーチは完全に白旗を上げた状態で、ほとんど商品力強化が行われていない。
存在感のあるデザインへ大変身!
ミラージュの大幅改良では、まずデザインが変更された。プレーンなデザインでも悪くはなかったが、より存在感を増すための変更が行われている。フロントフェイスに、三菱フロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用。ボディサイドから中央に向かって包み込むバンパーのプロテクト形状と、フロントグリル部を水平・垂直基調のスクエアなラインで構成することで、シャープさと力強さを高めた。
また、フォグランプをバンパーサイドに配置。視覚的な重心位置を下げることで、ワイドで安定感のあるフロントフェイスとしている。
ヘッドライトも変更されていて、フロントグリルからの左右へ広がる連続感のあるデザインを採用。LEDデイタイムランニングランプを採用し、日中の被視認性を高めながら、ミラージュらしさを表現している。
リヤデザインは、L字型に均一に光る面発光タイプのLEDコンビネーションランプとした。さらに、リヤバンパーコーナー部に配した縦型リフレクターにより、ワイド感と安定感を演出している。
足元には、スポーティな新デザインの15インチアルミホイールを採用している。
ボディカラーは、強い輝きと陰影を併せ持つホワイトダイヤモンドと、軽自動車のeKクロスで好評のサンドイエローメタリックの2色を新設定。全8色のボディカラーを用意している。
大幅に質感をアップしたインテリア
インテリアは、パワーウインドウスイッチパネルと、新デザインのメーターパネルをスポーティなカーボン調とした。フロントドアのアームレストには、肌触りの良いファブリックを使用し上質感を演出している。
シート生地は、スポーティな印象の幾何学柄にアクセントカラーを採用。アクティブで遊び心のあるデザインとしている。シート色は、「G」グレードにスポーティなブラックを設定、「M」グレードは明るい印象のライトグレーとしている。
従来モデルは、やや質感に物足りなさを感じたが、かなり上質感が上がり、ライバル車と同等レベルに達した印象だ。
予防安全装備を全車標準装備化したものの、サイド&カーテンエアバッグはオプション
そして、従来モデルでは大きく遅れていた予防安全装備も進化している。もはや、軽自動車でも標準装備化が進んでいる歩行者検知式自動ブレーキが全車標準装備化。前方車両に対する作動速度を、約5~30km/hから約5~80km/hに拡大し、安全性能を向上している。
また、車線を外れそうになると警報で注意を促す車線逸脱警報システム[LDW]と、自動でハイビームとロービームを切り替え、夜間の視認性を高めるオートマチックハイビーム[AHB]、前方のみだが誤発進抑制機能も標準装備している。これにより、サポカーSワイドに該当。サポカー補助金の対象車両としている。
ただ、サイド&カーテンエアバッグがオプションというのは、少々物足りない仕様となっている。
そして、意外と重要なのがヘッドライトの付け忘れ防止機能だ。ヘッドライトのスイッチからOFFポジションを廃止。オートのみとすることで、ヘッドライトのつけ忘れを防止する。これは、都市部やトンネル内で無灯火で走るクルマが、事故の原因になっているからだ。ヘッドライトの点灯は、ドライバーが見える見えないではなく、他のクルマや人から認識してもらうための機能でもあり、それを知らない人が多い。こうした機能は、地味ながらとても重要だ。
また、雨量に合わせてワイパーの動作スピードを自動で切り替える雨滴感応オートワイパーを新採用して、利便性をアップしている。
三菱ミラージュのグレード選び
三菱ミラージュは、グレードは2つしかなく、エンジンも1.2Lのみ。歩行者検知式自動ブレーキなどの予防安全装備が全車標準装備なので、選びやすい。
グレード間の価格差は、約14万円と意外と大きい。主に、豪華装備の差となっている。Gグレードには、LEDヘッドライトにデイタイムランニングライト、本革ステアリグ&シフトノブ、クルーズコントロールなど。
価格差なりの装備といったところで、特別割安感はない。こうなると、後は自分が望む装備の有無と予算次第ということになる。Mグレードでも十分といった仕様だ。
ただ、軽自動車と比べると、やや価格が高め。Gグレードだと、ムーヴカスタムなどが買える価格帯。デビューも2012年とモデル後期に入っていることを含めると、価格的なメリットがもう少し欲しいところ。
新型コロナ不況でクルマが売れないこともあり、新車値引きは大幅に拡大すると予想できる。ミラージュも大幅値引きが引き出せればメリットが出てくるので、購入時はしっかりと値引き商談したい。
三菱ミラージュ価格
・ミラージュM 1,432,200円
・ミラージュG 1,569,700円
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