日産スカイライン新車情報・購入ガイドの目次
- ほとんど自動運転? 「プロパイロット2.0」を搭載した新型スカイライン
- 販売状況はパッとしないが、気持ちのよい走りができるスカイラインハイブリッド
- 高速道路などでは、ハンズオフが可能となった「プロパイロット2.0」
- 車線変更時は、クルマがドライバーに提案する
- 自動運転に近いが、あくまで運転士機能。責任はドライバーにあり!
- インフィニティから日産エンブレムに変更。その訳とは?
- V6 3.0Lターボを搭載し405psを発揮する400Rに注目!
- 日産スカイラインのグレード選び
- 日産スカイライン価格
- 日産スカイライン 燃費、ボディサイズなどスペック
- 【新型スカイライン/バーチャル試乗】WORLD'S FIRST RIDE ProPILOT 2.0(360度動画)
ほとんど自動運転? 「プロパイロット2.0」を搭載した新型スカイライン
日産は、高級セダンであるスカイラインをマイナーチェンジし発売を開始。今回のマイナーチェンジでは、世界初となる運転支援技術「プロパイロット2.0」を搭載。
さらに、VR30DDTT型 3.0Lツインターボを搭載し405psという大出力を発揮する新グレード「400R」が登場した。
販売状況はパッとしないが、気持ちのよい走りができるスカイラインハイブリッド
現行のV37型スカイラインは、2014年に登場した。スカイラインの歴史は長く、このV37型スカイラインで13代目となる。この13代目スカイラインは、北米で販売されている高級車ブランド、インフィニティQ50と同じ。そのため、13代目スカイラインは、デビュー時にインフィニティエンブレムが取り付けられていた。
搭載されたパワーユニットは、当初、V6 3.5Lのハイブリッドのみ。その後、メルセデス・ベンツから供給を受けた直4 2.0Lターボを追加している。また、ステアリングと前輪が機械的につながっていないバイワイヤシステムである「DAS(ダイレクト・アダプティブ・ステアリング)」が採用された。
V37型スカイラインハイブリッドの走行性能は、なかなか気持ちのよいものに仕上がっていた。3.5Lハイブリッドのシステム出力は364psを誇る。搭載されるV6のVQ35HRエンジンは、なかなかの高回転型。3.5Lもの排気量があるので、極端な低速トルク不足感はあまり感じない。ただ、やはり一定の回転数に達するまで、トルク感があまりなくレスポンスが悪くなるのは高回転型自然吸気エンジンの弱点ともいえる。
そうした弱点をカバーしているのが、HM34型と呼ばれるモーターだ。このモーターの出力は、68ps&290Nmとなっている。このモーターがいい仕事をする。アクセルを踏むと瞬時にモーターのトルクによりクルマを前に押し出す。そして、やや遅れてエンジンの出力とトルクがプラスされ、怒涛の加速を開始。エンジンだけでは、ややレスポンスの悪い領域をモーターがカバー。全域でレスポンスのよい走りが楽しめるのだ。これが、なかなかスムースで気持ち良い。
また、電気信号で前輪を操舵する「DAS」も優れた操縦安定性に寄与している。前輪とステアリングが機械的つながっていないので、荒い路面状態で起きるキックバックなどが抑えられている。路面がうねっていても、しっかりと直進状態を維持してくれるので、直進安定性も非常に高い。修正舵が非常に少なくなるのでロングツーリングなどでは、疲労軽減にも役立つ。ただ、路面からのインフォメーションも無くなるので、やや違和感がある。
V37型日産スカイラインは、スポーツセダンとしての走行性能と先進性、低燃費性能を兼ね備えたモデルだ。しかしながら、人気の無いセダンで500万円を超える高額であったことから、新車販売は伸び悩んだ。
ただ、メリットもある。新車で人気が無かったことから、リセールバリューも下落。中古車価格が非常に安い。そのため、中古車として購入するのであれば、非常に優れたコストパフォーマンスを誇っている。
高速道路などでは、ハンズオフが可能となった「プロパイロット2.0」
今回行われた新型日産スカイラインのマイナーチェンジは、先進技術をメインに再びスカイラインの存在感をアピールする内容になっている。
その中で核となる先進技術が世界初の先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」だ。この技術は、高速道路上など限られた部分での自動運転ともいえるレベルにまで達している。「プロパイロット2.0」は、ハイブリッド車にのみ装備される。
「プロパイロット 2.0」は、高速道路の複数車線をナビゲーションシステムと連動。目的地までのルート上で、高速道路上のルートを走行中、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフが可能となる。
車線変更時は、クルマがドライバーに提案する
また、遅い先行車に追いつくと、システムがドライバーに追い越しを提案。ステアリング右側にある承認スイッチを押すと、周囲の360度のセンシング情報などを元に、安全を確認できると自動で車線変更を開始する。このとき、ドライバーは、いつでも不測の事態に対応できるようステアリングに手を添える必要がある。また、高速道路上の分岐も同様な方法が取られる。
こうした走行を可能とさせているのが、GPSと3D高精度地図データと360°センシング技術だ。前方を監視する3眼カメラの他、トータルで7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーが装備。これらトータルで、左右の誤差5㎝、前後誤差1m程度という高精度な走行を可能としている。
また、安全装備としてドライバーモニターを採用。常時、ドライバーが前方を注視しているか確認し、確認していないなどの場合、警報が発せられる。また、ドライバーが病気などにより、警報に反応しない場合、ハザードランプを自動点灯。徐々に減速し停止させる。その上で、SOSコールにて専用オペレーターに自動接続。状況に合わせ、救急車の要請などが行われる。
この「プロパイロット2.0」は、高速道路での移動が多いドライバーの疲労軽減や事故のリスク軽減に非常にメリットがある装備といえる。これから徐々に進むであろう自動運転という未来のクルマの一部を感じることができる。誰もが試してみたい、と思う装備なので、スカイラインの存在感も急上昇するだろう。
自動運転に近いが、あくまで運転士機能。責任はドライバーにあり!
かなり自動運転に近いレベルになった「プロパイロット2.0」だが、注意が必要だ。対面通行路、トンネル内、カーブ路、料金所・合流・車線数減少の地点及びその手前などでは、ハンズオフはできない。当り前だが、トンネル内はGPS機能が効かなくなる。ハンズオフができない区間に入るときには、事前にドライバーにメッセージがあるので、すぐにドライバーはハンドル操作をする必要がある。
また、ハンズオフができるとはいえ、自動運転機能ではないという認識が必要。事故が起きた時は、ドライバーの責任になる。あくまで、運転支援システムであることを忘れてはいけない。
インフィニティから日産エンブレムに変更。その訳とは?
V37型スカイラインのマイナーチェンジでは、外観デザインも変更された。従来のインフィニティエンブレムから日産エンブレムに変更。日産のデザインアイデンティティでもあるVモーショングリルも装着されている。また、リヤのコンビネーションランプもスカイライン伝統の丸4灯デザインになった。ただ、ヘッドライトやボディパネルなどは変更されていないため、それほど新しくなった印象はない。
こうした変更は、ご都合主義的な考え方を感じる。「プロパイロット2.0」は、日産の技術の象徴ともいえる装備。そのため、インフィニティエンブレムではなく、日産エンブレムにして、その技術の高さをアピールする意図があるという。
そもそも、マイナーチェンジ前のモデルもDASやハイブリッドシステムなど先進性が高いモデルだったのに、インフィニティエンブレムだったことを考えると、今更感がある。
V6 3.0Lターボを搭載し405psを発揮する400Rに注目!
そして、今回のマイナーチェンジでは、パワーユニットも変更された。ハイブリッド車はそのままだが、従来のメルセデス・ベンツ製2.0Lターボエンジンが姿を消し、日産製V6 3.0LターボであるVR30DDTTが設定された。
このV6 3.0Lターボの出力は、304ps&400Nmという大出力をもつ。レヴリミットは、6,400回転。今時のターボ車としては、数少ない高回転型だ。燃費性能は10.0㎞/L(WLTCモード)。しかも、ハイオクガソリン仕様なので、日本マーケットでは少々微妙なエンジンだが、そのパフォーマンスには期待したいところだ。燃料タンクの容量は、なんと80Lだ。
そして、かつてのスカイラインファンも気になるモデルが、このVR30DDTTをさらにパワーアップした400Rというモデルだ。出力は、100ps以上アップとなる405ps&475Nmにまでパワーアップされている。ただ、燃費性能は304ps仕様と同じ10.0㎞/L(WLTCモード)。このエンジンは、単に過給圧によりハイパワー化しているのではなく、ターボ回転センサーなどを採用。単に過給圧だけにたよるのではなく、エンジンのもつパフォーマンスをより効率的に引き上げている。
ただ、このターボ車、安全装備が物足りない。ハイブリッド車は歩行者検知式自動ブレーキなのだが、ターボ車には歩行者検知式自動ブレーキが装備されていないのだ。日本マーケットは、軽自動車にも歩行者検知式自動ブレーキが標準装備されているくらいだ。
日産スカイラインのグレード選び
日産スカイラインのグレード選びは、ほぼ一択に近い。「プロパイロット2.0」は、外せない装備のひとつ。そうなると、ハイブリッド車という選択しかない。ハイブリッド車のグレードは、GTタイプSP、GTタイプP、GTになる。GTは本革シートが装着されていないなど、やや装備が簡素化されている。スカイラインは高級車であることを考えると、GTタイプSPかGTタイプPという選択がよい。よりスポーティな仕様が好みであれば、スポーツバンパー(前後)を装備し、19インチホイールを履くGTタイプSPがよい。
どうしてもV6 ターボというのであれば、やはり405psを発揮する400Rがお勧め。4輪アルミレッドキャリパー対向ピストンブレーキ、インテリジェント ダイナミックサスペンションなどが装備され、スポーティな走りをアシストしてくれる。304ps仕様のGTタイプSPより、70万円ほど高価になるが、どうせガソリン車に乗るなら400Rの方が満足度は高いだろう。
日産スカイライン価格
■2WD(後輪駆動)
・GT Type SP [HYBRID] 6,048,000円
・GT Type P [HYBRID] 5,711,040円
・GT [HYBRID] 5,474,520円
・GT Type SP [V6 TURBO] 4,818,960円
・GT Type P [V6 TURBO] 4,554,360円
・GT [V6 TURBO] 4,274,640円
・400R[V6 TURBO] 5,523,120円
■4WD
・GT Type SP[HYBRID] 6,327,720円
・GT Type P[HYBRID] 5,990,760円
・GT[HYBRID] 5,754,240円
日産スカイライン 燃費、ボディサイズなどスペック
■代表グレード 日産スカイライン 350GT HYBRID Type SP
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,800×1,820×1,440
ホイールベース[mm] 2,850
トレッド前/後[mm] 1,535/1,560
車両重量[kg] 1,840
エンジン型式 VQ35HR
総排気量[cc] 3,498
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 225〈306〉/6,800
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 350〈35.7〉/5,000
モーター最大出力[kw(ps)] 50〈68〉
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] 290〈29.6〉
ミッション 7AT
サスペンション(前:後) ダブルウィッシュボーン:マルチリンク
タイヤサイズ 245/40RF19
JC08モード燃費 14.4km/L
定員[人] 5
税込価格[円] 6,048,000円
発表日 2019年7月16日
【新型スカイライン/バーチャル試乗】WORLD'S FIRST RIDE ProPILOT 2.0(360度動画)
https://youtu.be/-YOdhctp_dQ
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