ルノー ルーテシアは2013年7月に4代目となったモデル。3代目ルーテシアのメイングレードは、1.6Lに4ATの組み合わせだった。低燃費化が進むコンパクトカーマーケットにおいて、国産・輸入問わずライバルに対して、ルーテシアは競争力を失っていた。

　4代目となって新型となったルーテシアは、イッキに進化した。2.0Lガソリン車並みのトルクを持つ欧州最新トレンドともいえる1.2L直噴ターボエンジンと6速エフィシエント デュアル クラッチ（EDC）トランスミッションを搭載。低燃費性能と、高い走行性能を両立したモデルとなった。

　さらに、元々ルノーはデザインに優れたメーカー。そのルノーが、新しいデザイン戦略のもとで開発された初めてのモデルがルーテシアなので、ドイツ系コンパクトとは違う独自の美しさをもったモデルとなっている。

　そんなルーテシアのラインアップに、新たに加わったのがルーテシアGTだ。ルーテシアGTは、ルーテシアのもつ走行性能をよりスポーティにアレンジしたモデル。他のグレードとスペックこそ変化はないものの、1.2L直噴ターボエンジンの特性を変える「R.S.ドライブ」が装備された。このR.S.ドライブは、日常の快適性を重視した「ノーマルモード」と、スポーティーな走りが楽しめる「スポーツモード」の選択が可能。ステアリングコラムに取り付けられたパドルにより、マニュアル操作で素早い変速できる。

　GTの名を冠しているだけに、足回りも強化されている。スポーツモデルの開発を担うルノー・スポールが手掛けたサスペンションは、標準モデルに比べ、フロントスプリングレートが40％、フロントダンパーの減衰力が30％それぞれ高められている。このセッティングの変更により、さらにクイックでスポーティなハンドリング性能をもつ。

　エクステリアも、スポーティさがアップした。LEDランプが組み込まれた専用デザインのフロントバンパー、専用グレーメタリックリアアンダープロテクター、R.S.リアスポイラーを装備。インテリアには、ルーテシア ルノー・スポールと同形状のGT ロゴ入り スポーツシート、GTロゴ入り専用レザーステアリング、滑り止めラバー付アルミペダルなどが装備された。また、専用クロームデュアルエキゾーストパイプが装備され、「音」のチューニングにもこだわっている。

　そして、ルノー ルーテシアGTの価格は259万円。上級グレードのインテンスとの価格差は約14万円だ。多くの専用装備が装着されていることを考えれば、この価格差は妥当なところ。基本的な装備差はほとんどない状態なので、ルーテシアGTを選ぶポイントは、スポーティなルックスと足回りの違いに共感できるかどうかだろう。この違いは、試乗してチェックして選ぶといいだろう。

　ルーテシアGTの価格は、フォルクスワーゲン ポロハイライン ハイラインとほぼ同等。ポロは近く、モデルチェンジが予定されているので、値引きが引き出しやすい。そうなると、250Nmを誇るポロ ブルーGTが大幅値引きの対象になると、ルーテシアGTと価格が近くなる。ルーテシアGTの購入を考えているのなら、ポロと競合させてみると良い買い物ができるだろう。

■ルノー ルーテシアGT主要装備
＜走行性能＞
・ GT専用R.S.ドライブ（ノーマル、スポーツの2モード）
・ GT専用シャシー（フロントスプリングレート：ルノー ルーテシア比 +40％、フロントダンパー減衰力：ルノー ルーテシア比 +30％）
＜エクステリア＞
・ フロントGTロゴ
・ GT専用フロントバンパー
・ フロントLEDランプ
・ GT専用17インチアロイホイール
・ ボディ同色サイドプロテクションモール（グレーメタリックフィニッシャー付）
・ グレーメタリックドアミラー
・ GT専用クロームデュアルエキゾーストパイプ
・ GT専用グレーメタリックリアアンダープロテクター
・ GTバッジ（リアハッチ）
・ R.S.リアスポイラー
＜インテリア＞
・ グレーメタリックインテリアトリム
・ GTロゴ入りスポーツシート
・ パドルシフト
・ GTロゴ入り専用レザーステアリング
・ 滑り止めラバー付アルミペダル
・ ダッシュボードR.S.ロゴ
・ R.S.ロゴ入りキッキングプレート