カメラがカラーになり、性能向上! さらに、新機能のレーンキープアシストも追加!
アイサイトはぶつからないクルマというCMで話題となった安全運転支援システム。追突被害軽減自動ブレーキであるプリクラッシュブレーキ、疲労軽減する全車速追従機能付きクルーズコントロール、ブレーキとアクセルの踏み間違えなどのAT誤発進抑制制御、運転が不安定になったときの警報&お知らせ機能をまとめたものをアイサイトと呼んでいる。
デビュー直後のアイサイトは、非常に高価な価格だったため、ほとんど売れない状況にあったものの、10.5万円という価格で発売するようになる。この英断と、ぶつからないクルマというCMのインパクトもありイッキ話題となった。今では車種にもよるが、アイサイトの装着率は80%以上にもなるという。スバルの販売店に最近は車種名ではなく「アイサイトください」と来店する顧客まで出ているほどで、スバルのブランドを車種ではなく安全装備がけん引するという状況になっている。
今回登場した次世代「アイサイト」は、ステレオカメラの視野角、視認距離を共に約40%拡大し、カラー画像化と併せ、視認範囲拡大、物体認識精度向上、ブレーキランプ点灯・赤信号の認識を可能とすることで、「アイサイト」の衝突回避、衝突被害軽減、運転負荷軽減などの各種性能が進化した。
今回の進化で新機能が加わった。レーンキープアシストが新機能として追加されている。このレーンキープアシストの中の車線中央維持機能は、「全車速追従機能付クルーズコントロール」を作動中、約65km/h以上で走行車線両側の白線を認識している状態で走行している場合、車線内中央を維持するよう、ステアリングの自動操舵を行う。これにより、ユーザーの運転負荷を大幅に軽減することに加え、安定した走行を支援が可能となった。当たり前だが、ドライバーがハンドルを操作しているというのが前提。無操作状態の時には機能を停止する。自動運転に近いものの、あくまでドライバーの運転をサポートしているといのが基本だ。
また、車線逸脱抑制もプラスされている。これは、自動車専用道路などを約65km/h以上で走行している場合、車線からはみ出しそうになると、従来の車線逸脱警報(表示+警報音)に加え、ステアリングにトルクを加えることで車線内側方向に操舵する制御を行い、車線の逸脱を抑制する。車線を逸脱すると、振動や警告音を出すタイプのものは多いが、ステアリングにトルクを与え車線内に戻すタイプは、未だ数少ない制御で最先端技術ともいえる。
そして、新機能というよりは、従来のバージョンアップともいえるのが「AT誤後進抑制制御」。従来の前方へ踏み間違えだけでなく、後退時のアクセルの急な踏み込み、または高い後退速度を検出した場合、警報(表示+警報音)すると同時にエンジン出力を制限し、急な後退走行を抑制するというものだ。DレンジとRレンジを間違った時などに、大きな事故へと発展させない制御だ。
さらに「危険回避アシスト」も加わった。先行車等の前方障害物と衝突可能性が高いと判断した場合、VDCの車両統合制御技術により、ドライバーの衝突回避操舵をアシストする。これは、急ハンドルでもスピンや横滑りを防止、ブレーキの制御、さらにはアンダーステアさえも制御して、できるだけ確実に早く安全に障害物から回避できるようにするためのものだ。
今回の進化では、ステレオカメラがモノクロからカラーになった。これにより、ブレーキランプも認識できるようになり、先行車のブレーキランプの点灯状態を検出し、全車速追従機能付きクルーズコントロールと連動させることで、さらに早めの減速を可能とする制御となっている。カラーになったということは、赤信号なども認識できることを意味しているので、さらなる機能拡張にも期待したい部分でもある。
ステレオカメラの性能向上などにより、基本機能も進化している。プリクラッシュブレーキでは、自車と対象物との衝突回避もしくは被害の軽減が可能な相対速度を、現在の約30㎞/hから約50km/hへ向上。プリクラッシュブレーキアシストは、現在の約50㎞/hから約70㎞/hへと向上している。相対速度の向上により、早い段階から横断者を認識し、制御が可能となり、歩行者保護性能がアップしたのだ。
すでに、メルセデス・ベンツはフラッグシップであるSクラスに、映像で路面の凹凸を検知しサスペンションを制御し快適な乗り心地を提供するマジックボディコントロールを開発済みだ。アイサイトもステレオカメラを持っていることから、今後、同様な進化が期待できる。何より魅力なのは、現在10.5万円という価格の安さでもある。この価格を維持しながら、多くの機能追加ができれば、メルセデス・ベンツのフラッグシップに近い安全性と快適性を確保できるということになるだけに、今後のアイサイトにはますます期待したい。
この次世代アイサイトと装着車は、2014年登場の新型車から随時搭載されていく予定だ。
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