スズキは、上海ショーでCセグメントセダンのコンセプトモデル｢オーセンティックス」（AUTHENTICS）｣を世界初公開した。スズキ オーセンティックス（AUTHENTICS）は、中国で最大のボリュームを占めるCセグメントセダン市場に向けてスズキが提案する本格セダンのコンセプトモデル。

　中国マーケットの傾向は、基本的にセダンが中心。それも、高級車はロングホイールベース化され後席の広さを重視する傾向にある。そういった傾向を重視し、ロングホイールベース化された中国専用モデルを投入するメーカーも少なくない。

　小型車中心のスズキの場合、このCセグメントのオーセンティックスでさえ、最も大きな車種となる。同じアジアのインドでは、小型車で圧倒的な支持を得るスズキにとって大きなチャレンジだ。スズキは、小型セダンでキザシを2009年に発売した。北米で失敗したスズキとしては、小型セダンが売れる中国で再びチャレンジすることになる。中国で良い成果が出れば、必ず欧州や日本、北米へとマーケットを広げるチャンスにもなる。それだけに、スズキにとってオーセンティックスは重要なモデルになるはずだ。

　スタイルは、全高を抑えつつ、ロングホイールベースを採用することで安定感のあるAuthentic（本格的）なセダンスタイルを実現。鋭いスポーティーなキャラクターラインとエレガントな曲面により抑揚のついたボディシェイプが特長だ。

　日本国内で、軽自動車を中心にスズキのモデルを見ていると、ほとんどエモーショナルな印象はないが、このオーセンティックスは、驚くほどスタイリッシュなスタイルになっている。

　スズキは、2014年末までにオーセンティックスを基にした量産モデルを、中国の合弁企業である重慶長安鈴木汽車有限公司で生産し、販売する計画だ。また、2013年末より同社で生産する中国仕様の「SX4 S-CROSS」を投入し、中国市場におけるスズキのシェア拡大を図る。