トヨタ は、ミニバン のエスティマ 、エスティマハイブリッド を一部改良するとともに、特別仕様車 “VERY Edition”を新設定し発売を開始した。

　トヨタ エスティマは、2006年にフルモデルチェンジし、現行モデルで3代目となる。すでに、デビューから9年目となっていてモデル末期状態。デビュー当時は、2.4Lと3.5Lのガソリン車のみの設定。その後、2006年6月に待望のハイブリッド車が投入された。300万円を超える高級ミニバンでありながら、単一車種で月販10,000台を超えることもあるほどの人気車種。直近でも月販2,000台近くを売るという超ロングセラー車でもある。しかし、すでに9年目。いつ、フルモデルチェンジしてもいいモデルなのだが、今回の一部改良と特別仕様車の追加ということは、もうしばらく現行のモデルを販売するということなのだろう。

　エスティマの一部改良では、全車に横滑り防止装置であるS-VSCが標準装備された。これは、横滑り防止装置が法律で標準装備化が義務付けられたことによる対応。ミニバンのように、重心の高いクルマは横転の危険性が高くなるが、9年目でようやく、安全装備の向上が図られたことになる。

　また、全車にリバース連動･オート電動格納機能付のドアミラーを新採用。高級ミニバンに相応しく、より利便性を向上させている。

　特別仕様車は、女性ライフスタイル誌｢VERY｣とコラボレーションしたもの。カッコいいママが乗るミニバンを目指した。エスティマ特別仕様車2.4アエラス“VERY Edition”（ベース車 ： アエラス2.4L･７人乗り）、エスティマハイブリッド特別仕様車アエラス“VERY Edition”（ベース車 ： アエラス７人乗り）を新設定。ブラック基調のシンプルなデザインとしている。

　エクステリアは、フロントバンパーモール、サイドモール、フロントエンブレム、バックドアガーニッシュ、フロントフォグランプにスモークメッキを施すなど、上質な印象を高めた。

　インテリアは、インストルメントパネル、フロントドアアームレストにサイバーカーボン調（ブラック）の専用加飾を施したほか、ルーフ･ピラーをブラックとした。また、シート表皮にはブラックが映えるベージュの合成皮革を採用。さらに、フロントドアガラスにスーパーUVカット･IRカット機能を追加したことに加え、ナノイーや快適温熱シート（運転席・助手席）、リヤオートエアコンを特別装備することで、室内での快適性を大幅に向上している。

　価格は、2.4L車が約19万円のアップ。ハイブリッド車が約16万円のアップとなった。価格アップなりの特別仕様車という印象で、お買い得な印象はあまりない。こうしたルックスや快適性重視の特別仕様車もいいのだが、300万円を超える高級車であることを考えると、せめてサイドエアバッグやカーテンエアバッグの標準装備化も視野に入れてほしい。ママがターゲットというのであれば、一緒に乗車する子供の安全も重要な要素だろう。日産エルグランドには、サイドエアバッグとカーテンエアバックは標準装備化されている。

【上記以外の主な特別装備】
▽ ディスチャージヘッドランプ（オールブラック塗装）
▽ ソフトレザートリム（フロントドア･スライドドア･クォーター）
▽ LEDスポットランプ（フロントドア左右／スライドドア左右）
▽ ドアカーテシランプ（フロントドア左右）
▽ 脱着式デッキボード
▽ フロントピラーガーニッシュ（植毛付）
あわせて、従来より設定の特別仕様車“Premium Edition”、ウェルキャブ（メーカー完成特装車）についても、ベース車と同様の改良を施している。

・エスティマ特別仕様車2.4アエラス“VERY Edition” 7人乗り FF 3,338,182円
・エスティマハイブリッド特別仕様車アエラス“VERY Edition” 7人 E-Four(電気式４輪駆動) 4,363,200円