トヨタは4月27日、大人気のMクラスミニバン「ノア」と「ヴォクシー」をマイナーチェンジした。全車に2.0リッターバルブマチック「3ZR-FAE」エンジンと7速スポーツシーケンシャルシフトマチックを搭載。エンジンやCVT制御の改善などと相まって、10・15モード燃費で14.4km/L(2WD車)をマークするなどクラストップの低燃費を実現させ、全てのモデルでエコカー減税75%に適合させた。
　また内外装のリフレッシュも図られた。ノアとヴォクシーのキャラクター分けもさらに強調され、ノアはより上質に、ヴォクシーはよりスポーティかつ精悍なイメージを与えられた。インテリアでは2列目シートが改良され、7人乗りマルチ回転キャプテンシート車と、8人乗り6:4分割チップアップシートの2タイプとなった。さらに、従来装備されていなかったセカンドシート・サードシート各中央席のヘッドレストと3点式シートベルトも全車で標準装備化された。ライバルの「日産 セレナ」「ホンダ ステップワゴン」ではまだ全車標準化は実現しておらず、地味なことながら大いに注目したいところだ。
　新型「ノア」「ヴォクシー」の価格は、「ノア YY」「ヴォクシー TRANS-X」[2WD・5人乗り]205.0万円から「ノア Si」「ヴォクシー ZS」[4WD・7人乗り]270.9万円まで[※価格は全て消費税込み]。なお今回のマイナーチェンジの仕様変更は、福祉車両「ウェルキャブ」シリーズにも同様に反映される。

　また東京オートサロンで参考出品されたスポーツコンバージョン車「G' SPORTS(G's)」もマイナーチェンジに合わせ新設定された。「ノア Si/S」「ヴォクシー ZS/Z」各グレードをベースに内外装をドレスアップした。しかしG'sは見た目だけのドレスアップ車ではない。「走りの味」向上を追求するトヨタ自動車 豊田 章男社長直轄のプロジェクトであるGAZOO Racingのテストドライバーが専用セッティングしたスポーツサスペンション搭載や、ボディ補強を行うなど凝った造りに仕上がっているのだ。さらに"G's Version EDGE"も設定され、専用の足回りや18インチアルミなどでさらに「味」を極めた上級モデルとなっている。
　価格は「ヴォクシー Z "G's"」「ノア S "G's"」[8人乗り]261.5万円から「ヴォクシー ZS "G's Versiion EDGE"」「ノア Si "G's Versiion EDGE"」[7人乗り]315.0万円まで[※価格は全て消費税込み・2WD車のみの設定]。ベース車に比べ+31.5万円の価格アップである(Versiion EDGEは+63万円)。
　持ち込み登録が必要な特装車(改造車)扱いとなるが、自分でこれだけのチューニングやドレスアップを行うことを考えると、思いのほか高くないという印象も受ける。ライバルの「日産 セレナ」にも同様のメーカー直轄のドレスアップ車"ライダー"シリーズがあり好評を得ていることを考えると、新型「ノア/ヴォクシー」の"G's"もそれなりの台数が見込めそうだ。ちなみにセレナ"ライダー"のリセールバリュー(中古車での残存価値)はベースモデルに比べ高い。その意味でも、ノア/ヴォクシーを購入するなら、こちらも検討して欲しいシリーズである。

■【速報：トヨタ 新型 ノア 新車情報】家族を思いやる「王道」ミニバンデビュー！進化した新型「ノア」[2007.06.27/CORISM]
■【速報：トヨタ 新型 ヴォクシー 新車情報】よりワイルドに、よりクールに。新型「ヴォクシー」デビュー！[2007.06.27/CORISM]
■【酒井法子・佐々木蔵之介が豊洲に登場！】トヨタ 新型「ノア」キャンペーンイベントレポート[2007.06.30/CORISM]

代表グレード	ヴォクシー ZS[2WD・7人乗り]
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	4640x1720x1850mm
車両重量［kg］	1600kg
総排気量［cc］	1986cc
最高出力［ps(kw)/rpm］	158ps(116kW)/6200rpm
最大トルク［kg-m(N・m)/rpm］	20.0kg-m(196N・m)/4400rpm
トランスミッション	7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付きSuper CVT-i
10・15モード燃費［km/l］	14.4km/L
定員［人］	7人
消費税込価格［万円］	252.0万円
発売日	2010/4/27
レポート	CORISM編集部
写真	トヨタ自動車