フォルクスワーゲン は、ミディアムサイズのワゴン モデルであるヴァリアント に特別限定車「パサート ヴァリアント ナビ エディション（Passat Variant Navi Edition）」設定し発売を開始。ボディカラーは、人気のキャンディホワイトとディープ ブラックパールエフェクトの2色で、各150台計300台の限定発売となっている。

　フォルクスワーゲン パサート ヴァリアントは、2011年に日本に投入された。セダン とワゴンの2つのボディをもつ。ボディサイズは、全長4785×全幅1820×全高1530mmとなっていて、全幅が1800mmを超えていることが若干選びにくさもあるものの、サイズ的には日本でも使いやすいサイズ。

　また、これだけ立派なボディサイズを持ちながら、最小回転半径は5.3m。フォルクスワーゲン車全般に言えることだが、小回り性能も良いのが特徴。ちなみに、似たようなサイズのマツダ アテンザ ワゴン などは5.5mだ。

　搭載されるエンジンは、90kW＆200Nmを誇る1.4LのTSI。このパワーユニットに、7速DSGが組み合わされ、燃費は17.6㎞/Lという低燃費性能をもっている。ただし、低燃費なのだが使われる燃料はハイオク。そのため、燃料費という視点では若干高めになる。

　フォルクスワーゲンブランドは、ゴルフ クラスまでの車種は非常に好調。しかし、パサートクラスになると、比較的リーズナブルな価格の割には販売台数は伸び悩む。このサイズの欧州車の人気は、やはりBMW 3シリーズ やメルセデス・ベンツCクラス が中心なのだ。

　今回発売された「パサート ヴァリアント ナビ エディション」は、フォルクスワーゲン純正ナビゲ―ション システム“712SDCW”、バイキセノンヘッドライトなど、409,500円相当の人気オプション装備を標準装着しながら、ベース車両のパサート ヴァリアントTSI コンフォートラインの価格である352万円と同じ。これだけの装備を施しながら、価格据え置きなのは非常に買い得感が高い。

　フォルクスワーゲンのマーケティングは、非常に明快で販売が伸び悩む車種に関しては低金利ローンやお買い得車の設定など、買いやすい条件を次々と仕掛けてくる。それこそが、フォルクスワーゲン好調の要因でもある。今回の特別仕様車もそういった一貫だと思われる。とくに、4月からは税金が上がり8％になると、さらにこのクラスの動きは鈍くなると予想できる。つまり、この税金が5％の内にパサートヴァリアントを一定数売りたい狙いもあるだろう。

　しかし、この352万円という価格は悩ましい。登場したばかりのゴルフ ヴァリアントハイラインの価格が322.5万円で、ナビなどを装備すると今回の限定車の価格を超えてしまうのだ。ならば、ひとクラス上のパサートヴァリアントで価格も安いのなら悪くない選択だ。ただし、パサートヴァリアントには、全車速対応のACCやプリクラッシュブレーキシステムなどが無い。こういった装備がないことが気にならないのなら、パサートヴァリアント ナビエディションという選択もありだろう。

　現在は、ゴルフヴァリアントの値引きは、ほぼ無し状態なので、お買い得な限定車とはいえパサートヴァリアント ナビエディションから一定の値引きが引き出せれば、さらにお買い得感は高まる。ただし、短期での乗り換えに関してはパサートヴァリアントはあまりおすすめできない。リセールバリューを考えると、ゴルフヴァリアントが有利だからだ。こういったメリットやデメリットを考えて選択してほしい。

■フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント ナビ エディションの特別装備品
・フォルクスワーゲン純正ナビゲーションシステム“712SDCW”
・リヤビューカメラ“Rear Assist”
・バイキセノンヘッドライト（オートハイトコントロール付）
・ダイナミックコーナーリングライト
・ヘッドライトウォッシャー
・価格：352万円
・限定台数：300台
・パワートレイン 直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ（4バルブ）
・排気量 1,389cc
・トランスミッション 7速DSG
・最高出力 90kW(122ps)/5,000rpm 最大トルク 200Nm(20.4kgm)/1,500～4,000
・燃費（JC08） 17.6km/L エコカー減税 100%