3ナンバーになったポロ
フォルクスワーゲンは、主力コンパクトカーのポロに日本初採用の1.5Lエンジン「1.5TSI Evo」を搭載した「ポロ TSI R-Line」の発売を開始した。
フォルクスワーゲン ポロは、2018年3月にフルモデルチェンジし6代目となった。コンパクトなボディサイズであることから、日本でも扱いやすいモデルとして高い人気を得ている。
ただ、ポロもクルマの肥大化の波には逆らえず、年々ボディサイズを拡大してく。6代目ポロのボディサイズは、全長4,060x全幅1,750x全高1,450mm。ついに、全幅は5ナンバーサイズである1,695mmをイッキに超え1,750mmとなってしまった。これで、ポロは3ナンバーとなる。
ポロのクラスは、Bセグメントと呼ばれるコンパクトカーに属する。日本車では、トヨタ アクアやホンダ フィット、日産ノートと同じクラスになる。こうした国産モデルの全幅は、すべて1,695mmの5ナンバーサイズだ。
グローバルの視点から見れば、1,695mm以下というボディサイズに何かメリットがある訳ではない。日本でも同様。ただ、昭和の時代に5ナンバーサイズでないと税金が大幅に高かったことがある。この名残が未だにある。しかも、日本の道路は、こうした5ナンバーサイズベースに造られた経緯もあり、道幅が狭い。そのため、3ナンバーサイズになると扱いにくいというイメージも強いのも事実だ。
とはいえ、小さいのに広い室内をもち、しかも走行性能が高いことが魅力だったポロがまた大きくなり、しかも3ナンバーサイズになったということに、少々悲しい気持ちになった人は多いだろう。
1.0Lターボと2.0Lターボの間を埋める新1.5Lターボエンジンを搭載した新グレードR-Line
「ポロが3ナンバーになっちゃった!」と、強烈なインパクトを与えた6代目ポロ。デビュー直後のモデルに搭載されたエンジンは、1.0L直3ダウンサイジングターボのみだった。このエンジンは、95ps&175Nmという出力をもち、1.0Lながら自然吸気1.7Lクラス並みの最大トルクを誇る。燃費値は、JC08モードで19.1㎞/Lとなった。
その後、ポロのスポーツモデルであるGTIを投入。こちらは、排気量はイッキに倍となる2.0L直4ターボが搭載され、200ps&320Nmを発揮。クラストップレベルのハイパフォーマンスモデルとなっている。
こうなると、1.0Lターボでは物足りないし、2.0Lターボほどパワフルでなくてもいい、というニーズが出てくるのは当然のこと。そこで、投入されたモデルが、1.5Lターボエンジンを搭載した新グレード「ポロ TSI R-Line」ということになる。
気筒休止システムを採用し、低燃費と高出力を両立
日本初導入となる直4 1.5Lターボエンジンは、1.5TSI Evoと呼ばれ、出力は150ps250Nmとなった。
このエンジンの特徴は、高出力と低燃費を両立する気筒休止システム「アクティブシリンダーマネジメント(ACT)」が採用されていること。エンジン負荷が少ない場合、4気筒のうち2気筒を休止させ燃費向上を図る。この気筒休止システムは、エンジン回転数が1,400rpm~4,000rpmの範囲内で作動する。
基本的に先代ポロのブルーGTに搭載されていたものと同様の仕組みで、2気筒になっても振動などがほとんど気にならない。4気筒から2気筒への移行もスムースで、ほとんど違和感が無い。
ポロの1.0Lターボエンジンは、3気筒ゆえにやや粗々しい感じがあり、やや振動が気になった。ポロ TSI R-Lineは、4気筒になったことで、より洗練さが増している。当然、最大出力、最大トルク共に1.0Lターボと比べれば大幅アップしているので、余裕ある走りが可能になっている。ポロ TSI R-Lineは、小さなボディながら、ロングツーリングも余裕でこなし、疲労の少ない走りが期待できるグレードといえる。
エアロパーツ類でスポーティさが一段とアップしたポロTSI R-Line
ポロTSI R-Lineの特徴は、新1.5Lターボエンジンを搭載しただけではない。R-Lineと呼ばれるグレード名から分かる通り、スポーティな内外装をもつ。
ポロR-Lineの外観は、まず専用の大径17インチアルミホイールが装備された。この17インチホイールのデザインは、ホイールをより大きく見せ、しかもハイコントラストで存在感を主張。R-Lineのスタイリッシュさを印象付けるものだ。
さらに、ツインエキゾーストフィニッシャー、リップスポイラーやリヤスポイラー、ブラックサイドスカートなどを装備。スポーティさを際立たせている。
インテリアは、上級グレードのTSI Highlineと同様に、オプションカラーのリーフブルーメタリックもしくはエナジェティックオレンジメタリックを選んだ場合、ダッシュパッド及びセンターコンソールがボディカラーと同色になる。シートファブリックにもボディカラーと同色のラインがデザインされ、カラーコーディネイトされている。
フォルクスワーゲン ポロのグレード選び
フォルクスワーゲン ポロのグレード選び。ポロR-Lineの登場により、ポロのラインアップはより強固になり、ユーザー側もより好みの選びやすくなった。
ポロの選び方は、まずエンジンの選択。街中中心なら、1.0Lターボ。ロングツーリングなどを楽しみたいのなら、余裕のある1.5Lターボ。そして、徹底的に走りを楽しみたいのなら、2.0LターボのGTIとなる。
ポロTSI R-Lineの価格は、298万円となかなか高価。これに、魅力的なオプションであるナビなどの“Discover Pro”パッケージ(226,800円)、後退時などの安全をサポートするセーフティパッケージ(97,200円)、フルデジタルメーターなどのテクノロジーパッケージ(70,200円)を装備すると、プラス40万円ほどになる。オプションをプラスするとポロTSI R-Lineの価格は、約340万円にもなる。
ひとクラス上となるゴルフには、お買い得な特別仕様車テックエディションが設定されている。こうなると、値引きまで含めれば、モデル末期とは言え、ゴルフの方がお買い得になる状態。ボディサイズにこだわりが無ければ、ゴルフも含めてじっくりと検討するといいだろう。
フォルクスワーゲン ポロの価格
・Polo TSI Trendline 2,119,000円
・Polo TSI Comfortline 2,320,000円
・Polo TSI Highline 2,679,000円
・Polo TSI R-Line 2,980,000円
・Polo GTI 3,480,000円
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