量産FF車最速!メガーヌR.S.がマイナーチェンジ!
ニュルブルクリンク北コースにおいて幾度となく量産FF車最速の記録を更新したRenault(ルノー)「MEGANE R.S.」(メガーヌ ルノー.スポール.)。
この王者(王車?)が、マイナーチェンジされました。私、タルンドル伶奈の愛車、アバルト595 CompetizionePP2もセグメントが違えど、同じ欧州FF車のスポーツモデル。これは、絶対に試乗せずにはいられないクルマ! と、ばかりに、箱根ターンパイクで行われた試乗記に参加してきました。
今回のポイントは「メガネ」姿での登場。その心は、MEGANEのスペルを単純にローマ字読みすると「メガーネ」だから(笑)。そんな、オヤジギャグは置いといて早速、試乗に行ってみたいと思います。
まずは、マイナーチェンジによる【外観の変更点】
・ヘッドライトのLEDランプが変更。
・フロントグリルについているロサンジュ(菱形のマーク)の下にR.Sというロゴが入っているのですが、その隣にひし形が追加されました。
・ブレーキランプのデザイン変更。
・ウィンカーはシーケンシャルタイプになりました。
試乗させて頂いたメガーヌのボディカラーは、オランジュでした。オレンジではなく、オランジュってという名前がまたよいですね。どこか、フランスを彷彿させる美しい色でした。個人的なオススメは、チェッカーフラッグ型のフォグランプR.S.ビジョン。点灯するだけで一気にスポーティーらしさがでます。
【内装の変更点】
・7インチのイージーリンクのインターフェイスの変更
・エアコンダイヤル変更、タッチパネル→物理スイッチに
・エンジンが停止している時に、自動でパーキングブレーキを掛けるオートホールド機能の追加。
・後席用USBが2つ追加。
メガーヌR.S.のシートは、アルカンターラ表皮のヘッドレスト一体型のスポーツシートが標準です。私のアバルト595は、純正でSabelt製アルカンターラ表皮のシートが装備されています。ハンドルはメガーヌ、バルト共にアルカンターラ表皮になっています。
両車共に、アルカンターラの表皮を使っているのですが、メガーヌR.S.の方が上質で気持ちよく感じました。ハンドルもメガーヌR.S.の方が手にしっかりとなじむような感覚でとても好みです。
【予防安全装備・運転支援装備の変更点】
アダプティブクルーズコントロールとは、高速道路や自動車専用道路などで、ドライバーが設定した速度を上限として、同一車線上の前走車に対して一定の車間距離を維持しながら加速・減速するシステムです。
渋滞時なんにも対応していて、EDCモデルは先行車が停車した時には、自車も停車。3秒以内なら、再発進するストップ&ゴー機能付きです。
この機能は、フロントガラス中央上部のカメラとフロントバンパー内のレーダーが同一車線を走る先行車を常時感知しコントロールしているのです。
メガーヌR.S.は、こんなにスポーティなモデルなのに、最新の運転支援機能まで装備されていて、これはもう至れり尽せり。もちろん、歩行者検知式自動ブレーキも装備しているので、もしもの時も安心です。
手や体に馴染むアルカンターラ表皮
いざ、試乗です。メガーヌR.S.に乗り込み、アルカンターラ表皮のハンドルが手に馴染み、クルマとの一体になったような気がします。
パドルシフトは、ハンドルと別体型。ハンドルを切った時に、パドルシフトとは一緒に回らないタイプで、同じ場所に固定されています。
この固定されたタイプより、ハンドルと回るタイプのパドルシフトの方が好みです。と、言うのも、ハンドルを切りながら曲がっている途中で、シフトアップするようなシーンで、何度か空振りした経験が・・・。慣れもあるのでしょうが、固定タイプのパドルシフトは、少しハンドルから手を離さなくてはならないので、かなり旋回Gがかかっている時には、少々扱いにくいような気がしました。
スポーツモードで、キャラ激変?
メガーヌR.S.の走行モードは・セーブ・スポーツ・レース・マイセンスの4タイプが設定されています。
その中から、まずスポーツモードで走行。すると、メーターは赤くなり、排気音は急にボボボォーと勇ましくなります。セーブモードより、アクセル操作に対するレスポンスも向上。
シフトダウン時には、ボン! と、一発、カッコよくブリッピングまでかましてくれます。超やる気モードに変身です。アクセルをオフにすると、乾いたバラバラ・・という、レーシングカーのような排気音が鳴り、これもまたたまりません。
4輪HCCによりスポーツカーなのに、乗り心地が良好
メガーヌR.S.のエンジンは、1.8L直4ターボで300ps&420Nmという出力を誇ります。全長4,410mmというCセグメントのコンパクトボディに300ps・・・。遅い訳がありません。
このエンジンスペックから、メガーヌR.S.はかなりスパルタンなクルマ? と思っていました。サスペンションは、ガチガチでもはや乗り心地云々とは無縁。そんなイメージです。ちなみに、私の愛車、アバルト595はガッチガチのサスペンションです(笑)。
ところが! メガーヌR.S.の乗り心地は、とても快適。乗り心地は硬めと言えば硬めなのですが、路面の凹凸に合わせて、サスペンションがしなやかに動きます。硬いサスペンションのクルマにありがちな、跳ねるような動きは一切ありませんでした。
こうした乗り心地を実現できたのは、ラリー車に取り入れられている技術を採用した4輪HCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)です。
このサスペンションは、ダンパーロッドが縮み、ストローク終端部に近づくと、セカンダリーダンパーのピストンが、減衰力を発生し、メインのダンパーロッドストロークを制限します。そのため、従来型のバンプストップラバーのような反力や振動をホイールに伝えません。その結果、路面からの大きな入力時にタイヤがグリップを失わず、グリップが高まり、サスペンションのよりリニアな制御を容易にし、乗り心地を高めるというものです。
俊敏性と安定性を兼ね備える4 コントロール
同様に、凄い技術が4 コントロール(4輪操舵システム)です。端的に言えば、後輪が左右に動き、クイックで安定感ある走りと、街中での小回性能をアップさせ使い勝手を向上させています。
この4コントロールは、約60km/h未満の低速走行(レースモードでは、約100km/h未満)では、後輪を前輪とは逆の方向に向ける逆位相となります。この逆位相では、低速での急カーブなどでは、車体の俊敏性を向上
。市街地などでの低速走行では、駐車時やUターン、狭い路地での右左折などの小回り性能を向上させてくれます。この機能により、メガーヌR.S.の最小回転半径は、5.1m。この数値は、ひとクラス下のBセグメントコンパクトカー並です。
そして、約60km/h以上の高速走行(レースモードでは、約100km/h以上)では、4つの車輪がすべて同じ方向に向けられる同位相になります。前輪と後輪が同じ向きになることで、車両の安定感が増します。高速コーナーでは、外に膨らまず、安定したフィーリングが得られるそうです。
彼女・奥様から、クレーム無し!?「大人のスポーツカー」
こうした技術もあり、メガーヌR.S.はどんなカーブでも俊敏にグイグイ曲がる印象が強いモデルに仕上がっていました。コーナーリング中に、ハンドルを切り増してもクルマはしっかりと反応。イメージした走行ラインを、簡単にトレースできました。
だから、私でも安心してハイスピードでドライビングを楽しめました。こんなに快適なスポーティーカーがあるのでしょうか? と、いうくらいの安心感と乗り心地です。300psをしっかりと使い切れる、そんなイメージです。これなら、彼女や奥様からも、不満はでないと思います。
My、アバルト595は、まさにメガーヌR.S.とは、真逆というのかガッチガチのサスペンションで、ちょっとした段差でも、すぐに跳ねたりして、お世辞にも乗り心地がよいとは言えません。それは、それで楽しいものもあるのですが、メガーヌR.S.のように硬めでもしなやかな、乗り心地もよいサスペンションは、「大人のスポーツカー」という感覚を味わわせてくれました。
浮気心がチラホラ? 長く乗ってみたいと感じるメガーヌR.S.
さて、このメガーヌR.S.、サーキット走るならやっぱり7速EDCより、6速MTかな・・? 6速MT車もラインアップされていて、今回展示車はありましたが試乗できませんでした・・・。単純な速さと言う面では、7速EDCなのでしょうが、やはりMTの操る楽しさも魅力です。
実は、私、メガーヌR.S.の試乗後、少し浮気心が・・・。と、いうのも、愛車アバルト595に1人で乗っている時は、それほど気にしないのですが、助手席に他人を乗せるとき、乗り心地悪くて申し訳ない気持ちになります。とてもスポーティなのに、助手席や後席に乗る人にも乗り心地が良いメガーヌR.S.もアリかな? と。
今回は、箱根ターンパイクのみでの走行だったため、広い車幅ながら不便さは感じませんでしたが、街中で乗ったら? 長距離を走ったら? などなど、ドンドン興味がわいてくるクルマでした。
<レポート:樽美伶奈>
ルノー メガーヌR.S.価格
メガーヌ R.S.ルノー・スポール 4,640,000円
メガーヌ ルノー・スポール トロフィー 6速MT 4,940,000円
メガーヌ ルノー・スポール トロフィー 6速AT(EDC) 5,040,000円
ルノー メガーヌR.S.、ボディサイズ、燃費、出力などスペック
全長× 全幅× 全高 mm 4,410 × 1,875 × 1,465
ホイールベース mm 2,670
トレッド(前/ 後) mm 1,620 / 1,600
車両重量 kg 1,480
定員 名 5
エンジン型式 M5P
エンジンタイプ ターボチャージャー付 筒内直接噴射 直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量 L 1.798
最高出力 kW(ps)/rpm(ECE) 221(300)/6,000
最大トルク N・m(kgm)/rpm(ECE) 420(42.8)/3,200
燃料タンク容量 L/使用燃料 47 / 無鉛プレミアムガソリン
燃料消費率 WLTCモード 11.8km/L
駆動方式 前輪駆動
トランスミッション 電子制御6速AT(6EDC)
懸架方式 前:マクファーソン / コイル、後:トーション・ビーム / コイル
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク、後:ディスク
タイヤサイズ 245 / 35R19
最小回転半径 m 5.2
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