マツダCX-5 フィールドジャーニー試乗記・評価 キャラ変、大成功!

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【マツダ】2022/04/13

マツダCX-5 フィールドジャーニー

明確なキャラをもつ3グレードを新設定

 

マツダCX-5 フィールドジャーニー2代目となるマツダCX-5は、2017年にデビューした。すでに、モデル後期に入っている。一般的なモデルは、モデル後期に入ると、お買い得な特別仕様車などを出すなどして、穏やかな余生を過ごすパターンが多い。ところが、マツダCX-5は、この期に及んで大幅改良。しかも、かなり攻めた内容となった。こうしたマツダの姿勢は、高く評価できる。

マツダは、頻繁に改良を繰り返す。CX-5も同様。そのため、モデル後期であっても、乗るといつも新鮮な印象を与えてくれて好感度は高い。ただし、良くも悪くも、いつ買ったらいいか分からなくなる。今回もあと1年位したらフルモデルチェンジのタイミングじゃないの? という気持ちになる。そんな想いをマツダの広報担当者に伝えると「いつでも買い時です」とのこと。絶妙な返答に返す言葉もなしである・・・。

さて、今回CX-5の改良では、まず3つの新たな仕様が加わった。ワイルドなオフローダーテイストの「フィールドジャーニー」、スポーティさを前面に出した「スポーツアピアランス」、ラグジュアリーSUVを極めた「エクスクルーシブモード」と、独自の世界観を築いている。

マツダCX-5 フィールドジャーニー

 

 

ラグジュアリーSUVなのに、オフローダーテイストの「フィールドジャーニー」設定

 

マツダCX-5 フィールドジャーニーそこで、今回ピックアップしたのは、CX-5フィールドジャーニー。このモデル、新たに投入された仕様の中で、最も攻めたモデルであると感じたからだ。

もともとCX-5は、都会派のラグジュアリーSUVをコンセプトのひとつとして登場したモデル。そのため、SUVなのに泥まみれになったり、キャンプ場、オフロードが似合わないクルマだと思っていた。恐らく、開発陣の多くが同じ感覚だっただろう。ところが、CX-5をオフローダーテイストに? おいおい、攻め過ぎじゃないですか? 絶対、似合わないよ、と感じたのだ。

ところが、実車を見ると、そんなイメージは一瞬にして吹っ飛んだ。なんか、いいんじゃないコレ。なんか、かっこいい。これ、アリだな、となった。

マツダCX-5 フィールドジャーニーCX-5フィールドジャーニーの外観では、ワイルドさをアップする前後のアンダーガードなどを装備。これだけでも、なかなかワイルド感が出ていて、他のCX-5とはひと味違う仕上がりをみせる。

それ以上に、いい味出しているのが、新色のボディカラーで少し暗めのベージュである「ジルコンサンドメタリック」。アウトドア感が、かなり出ている。

このカラーは、マツダのヘリテージでもある日本で他社に先駆け鋳物砂型RCS法(レジンコーテッドサンド)をイメージしたもの。その鋳型にも使われる鉱物のジルコサンドのきらめきを表現したという。こうしたカラーは、他のマツダ車にもほとんど設定が無い。かなり攻めたボディカラーだ。

その他、グリルの端やエアコンルーバーの縁取り、シートステッチに少し蛍光色に見えるライムグリーンのワンポイント配した。これが、絶妙。エアコンルーバーの縁取り以外、とても控えめなのがよい。このライムグリーンも、従来のマツダでは使うことがほとんどないカラー。相変わらず、マツダのカラーセンスはよいと感じる。

マツダCX-5 フィールドジャーニー

 

 

オフロードモードは、フィールドジャーニーだけの設定

 

マツダCX-5 フィールドジャーニーもちろん、内外装だけの改良だけではない。新たにドライブモードが設定された。このドライブモードは「MAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT」(略称Mi-DRIVE)と呼ばれる。他のモデルでは、「NORMAL」と「SPORT」だが、CX-5フィールドジャーニーには、「OFF-ROAD」モードも追加された。

CX-5は、ラグジュアリーSUVながら、最低地上高は210mmも確保されていて、悪路走破性に優れていた。その素性の良さに加え、「OFF-ROAD」モードが加わったことで、より悪路走破性がアップしている。片輪が浮くような悪路でも、難なく走破できる。

マツダCX-5 フィールドジャーニー

 

 

オールシーズンタイヤなのに、快適・軽快!

 

マツダCX-5 フィールドジャーニーまた、CX-5の改良では、走りの質感も高められた。車体中央付近にある横方向の剛性部材を強化。振動を軽減効果のある構造用接着剤を使用。さらに、車体とシートフレームの取り付け剛性もアップした。こうした改良の結果、剛性がアップしたボディに合わせ、再びサスペンションのセッティングを最適化している。

試乗したCX-5フィールドジャーニーは、ちょっと特別でタイヤはオールシーズンタイヤが標準装備となっている。冬はスタッドレスタイヤに履き替える文化をもつ日本では、あまり馴染みのないジャンルのタイヤだ。今までオールシーズンタイヤというと、舗装路や雪道など、それぞれ中途半端な性能で選びにくいものだった。

ところが、フィールドジャーニーに装備されたヨコハマタイヤ製のオールシーズンタイヤはよくできている。雪道は試していないが、舗装路でのグリップも十分。タイヤノイズも低く静粛性も高い。これで、そこそこ雪道も走れるのであれば、これで十分といえるものだ。

マツダCX-5 フィールドジャーニーまた、CX-5のフィールドジャーニーに装備されているタイヤサイズは225/65R17。17インチということや改良の効果もあり、高速道路の継ぎ目や凸凹のあたりがまろやか。なかなか快適な乗り心地になっていた。

19インチで225/55R19サイズのタイヤを履くスポーツアピアランスより、フィールドジャーニーの方が当然乗り心地がよい。もちろん、しっかりとしたシャープなハンドリングという面では、やはりスポーツアピアランスが勝る。このあたりは好みの問題だ。

また、サスペンションのセッティングを見直したこと、そしてGベクタリングコントロールプラスの恩恵で、より曲がりやすいクルマになった。アクセルをスッと戻すだけで、軽い前傾姿勢を作り出し無駄なステアリング操作なく、スイっとノーズはイン側を向く。あっ、軽快! と、瞬時に感じるだろう。CX-5もカーブでの姿勢はとてもよいクルマだったが、さらに軽快感がプラスされた印象だ。

CX-5フィールドジャーニー、アウトドア仕様だがオンロードでも軽快、快適なモデルで、シリーズ中、最もお勧めなモデルだ。

<レポート:大岡智彦

 

マツダCX-5 フィールドジャーニー価格

 

・20S Field Journey 3,234,000円 (4WD・AT)

・XD Field Journey 3,553,000円 (4WD・AT)

 

マツダCX-5燃費、ボディサイズなどスペック

 

マツダCX-5 フィールドジャーニー代表グレード: CX-5 Field Journey

全長 x 全幅 x 全高(mm) 4,575 x 1,845 x 1,690

ホイールベース(mm) 2,700

最低地上高(mm) 210

エンジン型式  SH-VPTS型

エンジン 直4 DOHC16バルブ 直噴ディーゼルターボ

マツダCX-5 フィールドジャーニー総排気量(cc) 2,188

最高出力(kw[ps]) 147[200]/4,000

最大トルク(Nm[kgm]/rpm)  450[45.9]/2,000

燃料消費率WTLCモード(国土交通省審査値)(km/L)  16.6

駆動方式   4輪駆動(4WD)

最小回転半径(m) 5.5

トランスミッション 6速AT

サスペンション(前:後) マクファーソンストラット:マルチリンク

タイヤサイズ 225/65R17

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