日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイドの目次
ノートで爆発的な人気となったe-POWERをセレナにも採用!
各メーカーがエースモデルを投入しているのが、5ナンバークラスのミニバンだ。高いスペース効率と使い勝手のよさがウケ、ファミリー層から熱い支持を受け、販売を伸ばしている。ユーザーの視線が厳しい激戦区だけに、どのメーカーもラインアップを強化し、ユーザーの期待に応えてきた。
ここ数年、人気が高まり、主役となっているのがエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドカーだ。セレナを擁する日産も、2017年まではマイルドハイブリッド車であるSハイブリッドを主役に据えている。
だが、ステップワゴンにもハイブリッドモデルが投入され、ストロングハイブリッドではなく、マイルドハイブリッドであるセレナSハイブリッドの戦闘力は低い。このままでは、ジリ貧になると判断した日産は次の一手を打ってきた。コンパクトカーのノートに搭載して好評を博した「e-POWER」を、ミニバンのセレナにも拡大採用したのだ。
EVの走りを充電なしに楽しめるセレナe-POWER
e-POWERは、EV(電気自動車)のリーフで培ってきたモータードライブの技術を用いた異色のパワートレーンである。エンジンを使って発電を行うとともに充電し、その電力を利用してモーター駆動を行う。
バッテリーの発電が足りなくなるとエンジンをかけるが、EVに近い上質な走行フィールは新鮮だ。既存のパワートレーンを使って、手軽にEVの楽しさと力強さを体感できるシリーズ式のハイブリッドがe-POWERである。セレナe-POWERは、ガソリンで発電するので、充電や電欠の心配はない。
ノートe-POWERよりもパワーアップしたパワーユニットを使うセレナe-POWER
だが、セレナe-POWERとノートe-POWERでは、車両重量が500kg以上も違う。そこで前輪を駆動するモーターの出力を25%高めた。発電機を駆動する1.2Lの直列3気筒DOHCエンジンも600回転の高回転化によって出力を7%アップしている。オイルクーラーも追加した。
また、駆動用のリチウムイオンバッテリーの容量も20%増やしている。それだけでなく、EV走行を積極的に行う「マナーモード」とエンジンを使って発電させることによってバッテリーへの充電を優先して行う「チャージモード」も追加している。
モーターの出力とトルクは100kW/320N・m(136ps/32.6kg-m)に引き上げられた。最大トルクはガソリンエンジンの3.2L相当だ。車両重量は1760kgと、ノア/ヴォクシーのハイブリッドモデルより重い。
だが、モーターは瞬時にパワーとトルクが立ち上がるから、気持ちよくスピードを乗せていく。また、滑らかさも際立っている。モーターならではの力強いパンチ力は大きな魅力だ。
バッテリーの残量が多ければ、EVに限りなく近い滑らかな走りを披露する。モーターならではの力強いレスポンスに加え、シームレスで軽やかな走行感覚は新鮮だ。実際の数値よりも体感加速は鋭いと感じられる。チャージモードで条件が整えば、ノーマルモードの約2倍の2.7kmをEV走行できるのもうれしい。
アクセル操作ひとつで、発進から停止まで自由自在なワンペダルドライブができるセレナe-POWER
e-POWERの特徴のひとつにあげられるのが、アクセルペダルから足を緩めると、すぐに回生モードになって減速を始める「ワンペダルドライブ」である。シフトダウンしたような減速感が得られ、ブレーキペダルを踏まなくてもスピードを落とせるのだ。慣れてくると、アクセルを戻すだけで止まれる速度まで減速できるから渋滞のときなども重宝する。
e-POWERは、走行状況と好みに合わせて運転できるように3つの駆動モードを設定した。強力な回生ブレーキがかかるのは、エコモードとSモードだ。
ただし、高速走行では減速がマイルドになる味付けとしている。モーター出力を抑え、燃費に振った「エコモード」でも流れに乗って走ることができた。ただし、ゴーストップの多い一般道では、アクセルを戻したときの減速感は思いのほか強めだ。
違和感なく運転できるのは、ノーマルモードである。ワンペダルドライブの恩恵がはっきりと分かり、パワー感とトルク感も文句なしなのはSモードだ。レスポンスが鋭くなり、アクセルを戻したときの減速Gも強い。
街中走行で、より低燃費が期待できるセレナe-POWER
e-POWERが得意とするのは、アクセルを戻したり、ブレーキを踏むことが多い街中や郊外の走りだ。その逆に、高速走行を主体とするクルージングや登坂路の上り坂だと燃費は伸び悩んでしまう。
e-POWERにも先進安全装備と自動運転技術のプロパイロットが用意されている。新たにハイビームアシストや踏み間違い衝突防止アシストの機能も盛り込まれた。
モーターと先進安全技術の相性はいいし、動力性能も余裕を増したから追従クルーズコントロールの洗練度が高まったように感じる。これまでは登坂路などで前走車に引き離される場面があったし、再加速かるときも緩慢だった。この弱点が解消され、ストレスがたまらなくなっている。
高い静粛性と落ち着きを増したハンドリング性能
ノートと比べて静粛性は向上した。モーター本来の高い基本性能に加え、遮音中間膜をはさんだフロントウインドーや4層構造のセンターカーペットなど、遮音対策を徹底したことが功を奏しているのだろう。
エンジン音が耳障りでない。ライバルのハイブリッドミニバンと比べても静粛性は高いと感じられた。アクセルを踏み込んでも、3気筒エンジンの存在を意識させられる場面は大幅に減っている。
セレナe-POWERのハンドリングは、前後の重量配分や電動パワーステアリングの設定を変えたこともあり、落ち着きを増した。ロールは許すが、多人数乗車でもコントロールしやすく、ブレーキング時の姿勢の乱れも小さくなっている。
ステップワゴンと比べるとスポーティ感覚は薄いが、ファミリー派には好まれる味付けである。乗り心地も悪くないが、空気圧を高めているので路面と乗車人数によっては硬さを感じる場面があった。
7人乗りしかない設定は残念だが、快適性を重視するファミリーにお勧めとなるセレナe-POWER
手軽にEV感覚を味わえ、快適装備と安全装備も充実しているセレナe-POWERは、新感覚のミニバンだ。今までにない運転の楽しみ方があり、楽しい。セレナe-POWERの2列目シートは、キャプテンシートだけの設定で7人乗りとなる。
これは、駆動用バッテリーを床下積んだため、2列目シートのスマートマルチセンターシートが使えなくなったからだ。8人乗りがなのは不満だが、快適性を重視するファミリー派にはおすすめできる。
日産セレナe-POWERの価格
・セレナe-POWER X 2,968,920円
・セレナe-POWER XV 3,128,760円
・セレナe-POWER ハイウェイスター 3,178,440円
・セレナe-POWER ハイウェイスター V 3,404,160円
日産セレナe-POWERの燃費、スペックなど
代表グレード 日産セレナe-POWERハイウェイスターV
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,770×1,740×1,865mm
ホイールベース[mm] 2,860mm
トレッド前/後[mm] 1,480/1,485mm
車両重量[kg] 1,760kg
総排気量[cc] 1,198cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 62(84)/6000
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 103(10.5)/3200-5200
モーター最高出力[kw(ps)] 100(136)
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)] 320(32.6)
ミッション —
タイヤサイズ 195/65R15
JC08モード燃費 26.2㎞/L
定員[人] 7人
税込価格[円] 3,404,160円
発売日 2018/2/28
レポート 片岡英明
写真 編集部
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