2021年1月、新車販売台数ランキング 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞効果か? レヴォーグ前年の6.6倍も売れている!

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【ビジネス・経済】2021/02/06

2021年1月新車販売台数ランキング

 

 

回復傾向だが、コロナ禍の不透明感が続く新車販売マーケット

自販連と全軽自協が発表した2021年1月の新車発表台数は、登録車と軽自動車の合計で38万4442台となり、前年同月に比べ6.8%増加した。咋年10月以降、これで4か月連続のプラスだが、一昨年10月には消費税の増税があってそれ以降の販売台数が落ち込んでいたので、10月以降の増加は当然といったところである。

2月以降は、消費税増税による落ち込み加えて、新コロナウィルス禍による落ち込みも加わっていたので、増加しやすい面があると同時に、今年もまだ新コロナウィルス禍が続いていることで、マイナスに振れる要素もある。どのように動くかが注目されるところだ。

1月の登録車の販売は236,592台で、前年同月の221,464台に対して6.8%増加した。メーカー(ブランド)別に見ると、乗用車メーカーはダイハツが25.0%減と大きくマイナスし、マツダが3.1%マイナスしたほかは、各社とも増加を示している。

ホンダは前年と全く同じ台数で、マツダは商用車も含めた合計ではマイナスだったが乗用車だけならプラスだった。

一方軽自動車は147,850台で、前年同月の138,639台に対して6.6%の増加。メーカー別に見ると、スバルが19.2%減、三菱が7.3%減となったほかは、各社が増加を示している。マツダが26.1%増と大きく伸び、トヨタ(ピクシス)とスズキも10%を超える伸びとなった。

 

 

呆れるほど強いトヨタ。

トヨタ ヤリスクロス
トヨタ ヤリス試乗記・評価

銘柄別の販売ランキングは別掲の通りだが、呆れるほどにトヨタの強さばかりが目立っている。

ランキングのトップ10を見ると、首位に立ったヤリス系を始め、5位ルーミー、6位アルファード、7位ハリアー、10位カローラと、軽自動車以外はすべてトヨタ車ばかりで占められている。

それも、アルファードやハリアーのような高額車が好調な売れ行きを続けているのが注目される。

 

高級車が売れ過ぎ? 貧富の格差が急加速中?

トヨタ アルファード
トヨタ アルファード新車情報・試乗評価一覧

ランキングを登録車だけで見ると、ヤリス系、ルーミー、アルファード、ハリアーの順だから、アルファードが登録車3位でハリアーが登録車4位である。常識では考えられないようなランキングだ。

しかも、アルファードはモデルサイクルが長期化する中で前年比が2倍に近い伸びだ。

ただ、これはトヨタの全店全車種扱いによる効果が大きい。アルファードの伸びが大きい分、姉妹車のヴェルファイアは前年比49.7%しか売れていない。

つまり、全車種扱いになったことで、人気の高いアルファードに人気が集中しているという見方もできる。

また、新型車効果あるハリアーに至っては、前年に比べて5.5倍の売れ行きである。先代ハリアーがモデル末期で、フルモデルチェンジ直前ということもあるが、これだけの高額車が日産ノートやホンダ フィットといったコンパクトカーよりも販売台数が多いというのは、アルファードも含め、異例中の異例。

トヨタ ハリアー
トヨタ ハリアー新車情報・試乗評価一覧

コロナ禍において、家族旅行などを取りやめた富裕層などが、お金の使い道をクルマに切り替えているなどの見方もあるが、400万円を超えるような高額車がこれだけ売れている状況は、かなり稀なことだ。

ちなみに、2020年1月で400万円を超えるような高額車が登録車新車販売台数ランキングベスト10には1台も入っていない。

新コロナウィルス禍で困窮を極めている人が多いとされる中で、逆に余裕ある人が増えているのだろう。社会の二極化が進んでいることの証ともいえる。

 

 

軽自動車は、スーパーハイト系に人気がさらに集中

スズキ スペーシア
スズキ スペーシア新車情報・試乗評価一覧

トップ10に入った5車種の軽自動車は、2位のN-BOX、3位のスペーシア、4位のタント、8位のムーヴ、9位ルークスで、軽自動車は前月に続いてこの順番で5車種が並んだ。

ルークスは、現在のモデルからデイズと分けてカウントされるようになった。これにより、デイズは大幅に前年比が悪化したように見えている。

ただ、ルークスは、スーパーハイト系モデルとしては、最後発となる。そういう意味では、もう少し上位に食い込みたいところだ。ライバル車に比べ、やや価格が高く見えるというのもマイナス要因になっているのだろう。

 

N-BOXに暗雲?

ホンダN-BOX
ホンダN-BOX新車情報・試乗評価一覧

逆にN-BOXは、N-WGNとN-ONEの販売台数が伸びず、N-BOXに集中する傾向が強い。絶対王者ともいえるN-BOXだが、今後への不安を感じさせる結果となった。N-BOXは、2020年12月末にマイナーチェンジを行っている。非常に軽度な変更となった。

そのためなのか、マイナーチェンジ直後の1月だというのに、前年比は大きくマイナスとなる86.4%となっている。2月、3月とこの状態が続くのであれば、絶対王者と言われ続けたN-BOXの販売状況も、今後暗雲が立ち込めるかもしれない。

ダイハツは、タントとムーヴ系をバランス良く販売しているといえる。

 

 

■2021年1月の新車販売ランキング 1~10位

1)ヤリス系             18,516台(2020-02)
2)N-BOX系               16,369台( 86.4%)
3)スペーシア               12,989台(104.7%)
4)タント                    11,792台(118.5%)
5)ルーミー             10,939台(176.6%)
6)アルファード           10,011台(194.5%)
7)ハリアー              9,177台(525.0%)
8)ムーヴ系              8,837台( 98.7%)
9)ルークス              8,626台(2020-03)
10)カローラ              7,773台( 91.7%)

 

 

フィット、ノート伸び悩む。ソリオ好調

日産ノートe-POWER
日産ノート新車情報・試乗評価一覧

11位から20位までのランキングでは、軽自動車が3車種にとどまった。11位のハスラー、18位のミラ、19位のデイズだけである。軽自動車の売れ行きが、上位5車種に集中する傾向が強まっているようだ。

ここでのトヨタ車は13位のライズ、14位のヴォクシー、15位のシエンタと、良いところに並んでいる。モデルサイクルが長期化しているヴォクシーが販売台数を伸ばしているのが注目される。

フルモデルチェンジを受けばかりのノートは12位。本来ならトップ10入りする車種だが、新型車になって価格が高くなったことが影響しているようだ。日産車は、ほかに17位にセレナが入っている。

新型車効果のあるフィットは16位にとどまった。登録車だけで見ても、フィットはやっと10位という順位だから、かってランキングの首位に君臨した車種として物足りない。

ほかにソリオが20位に入っている。フルモデルチェンジ直後ということもあり、前年の1.5倍に近い売れ行きだ。ただ、それでもライバル車であるルーミーの約半分程度の販売だ。いかに、トヨタの営業力が強いのか、よく分かる結果だ。

 

 

■2021年1月の新車販売ランキング 11~20位

11)ハスラー              7,663台(138.5%)
12)ノート               7,532台(100.0%)
13)ライズ               6,985台( 68.3%)
14)ヴォクシー             6,666台(120.0%)
15)シエンタ              6,055台( 88.6%)
16)フィット              5,889台(339.4%)
17)セレナ               5,700台( 84.1%)
18)ミラ                5,642台( 96.6%)
19)デイズ                  5,586台( 39.2%)
20)ソリオ               5,446台(149.5%)

 

前年比660.8%! 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞効果で? レヴォーグ絶好調

スバル レヴォーグ
スバル レヴォーグ新車情報・試乗評価一覧

21位以下の車種では、25位まで上昇してきたレヴォーグが注目される。日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど評判の良いクルマで、前年に比べて約6.6倍の売れ行きである。

ただ、スバルの販売もレヴォーグに集中しすぎている感じもあり、インプレッサは40位ぎりぎり、フォレスターは圏外に落ちた。

ほかに31位のランドクルーザーワゴンが前年の2倍を超える売れ行きで、30位のジムニーも前年の1.5倍の売れ行きを続けている。

37位のN-ONEもフルモデルチェンジを受けたばかりで前年の4倍を超える売れ行きだが、絶対的な台数レベルはさほどではない。

レクサス300h、昨年の12倍売れている!

レクサスIS
レクサスIS新車情報・試乗評価一覧

ランク外だが、登録車のランキングでは、レクサスIS300hが前年比1,227.7%と驚異的な数値を叩き出している。レクサスISは、2013年に投入された古いモデルということもあり、2020年11月のマイナーチェンジでは、かなり大幅な変更が施されている。

こうしたこともあり、ISユーザーの代替が促進されたとはいえ、昨年の12倍以上の販売台数というのは驚きだ。ただ、販売台数は798台と少なく、大幅マイナー以前はいかに売れていなかったのかがよく分かる結果となった。

<レポート:松下 宏>

 

 

■2021年1月の新車販売ランキング 21位以下

21)タフト               5,273台(2020-06)
22)アルト                  5,104台( 90.6%)
23)フリード              5,000台( 74.0%)
24)ワゴンR               4,782台(114.4%)
25)レヴォーグ             4,692台(660.8%)
26)キックス                 4,667台(2020-06)
27)プリウス                 4,343台( 65.2%)
28)N-WGN              4,324台(128.2倍)
29)RAV4               4,162台( 75.0%)
30)ジムニー(軽自動車)              3,887台(151.9%)
31)ランドクルーザーワゴン        3,572台(213.6%)
32)ノア                    3,424台(107.3%)
33)アクア                   3,033台( 45.8%)
34)CX-30                 2,584台( 87.4%)
35) eKワゴン系               2,581台( 90.6%)
36)パッソ                   2,465台(116.3%)
37)N-ONE                2,434台(470.3%)
38)ステップワゴン             2,381台( 73.2%)
39)ピクシス系               2,331台(112.6%)
40)インプレッサ              2,298台( 55.2%)

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