2021年7月、新車販売台数ランキング トヨタ独占的な強さを誇る登録車シェア約53%
2021年7月、新車販売台数ランキングの目次
- 長引く半導体不足だが、 強さ際立つ強さ。 トヨタ登録車シェア約53%!
- デイズ、ルークス激減の反動で、日産41.7%減
- ヤリス系、再びナンバー1へ
- 日本中のクルマがトヨタ車に?
- アクア、出足好調!
- 日産復活のカギは、デイズ&ルークス?
- ワゴンR、モデルチェンジ後に期待大
- ■2021年7月の新車販売ランキング 1~10位
- スーパーハイト系に一極集中? ランクインした軽自動車が少ない11~20位
- 圧倒的なな営業力? モデル末期のヴォクシーが好調!
- フィット、半導体不足の泥沼から脱出か?
- ■2021年7月の新車販売ランキング 11~20位
- 手堅く売れているトヨタ車
- 年内生産終了を受けて、オデッセイの販売好調
- ■2021年7月の新車販売ランキング 21~40位以下
長引く半導体不足だが、強さ際立つ強さ。トヨタ登録車シェア約53%!
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した2021年7月の新車販売台数は、合計で前年同月に比べて4.8%減の37万7448台となった。
前年比がマイナスとなるのは、昨年9月以来10か月ぶりで、半導体不足の影響が広がったものと見られている。
登録車は前年同月比3.3%増の24万7148台で、小幅ながら5か月連続のプラスを維持した。
ただ、乗用車系の販売台数をメーカー別(ブランド別)で見ると、レクサスが65.0%増、トヨタが8.3%増、三菱が0.5%増となっただけで、ほかの各社はマイナスを記録した。長引く半導体不足だが、そんな中でも、トヨタの調達力は群を抜いている。
トヨタブランドだけで、登録車のシェアは、約53%という独占的状態が続いている。
マイナス幅はまちまちで、スズキが32.9%減、ダイハツが20.3%減、スバルが15.5%減、マツダが12.9%減、ホンダが0.9%減、日産が0.2%減などとなっている。
デイズ、ルークス激減の反動で、日産41.7%減
軽自動車は、前年同月比17.0%減の13万0300台で、2か月連続してマイナスを記録した。減少幅が2桁となるのは12.1%減となった2020年9月の以来10か月ぶりのことだ。メーカー別では、ホンダが0.6%増と微増を記録したほかは、各社がマイナスを記録する結果になった。
台数規模は小さいながら日産が41.7%減となったのを始め、マツダが27.3%減、スズキが25.2%減、スバルが13.8%減、ダイハツが11.7%減、三菱が0.8%減などとなっている。
日産が大幅減になったのは、やはり半導体不足によるデイズ、ルークスが生産できなかったことが大きな要因だ。
ヤリス系、再びナンバー1へ
乗用車の銘柄別の販売ランキングは、別掲の通り。販売ランキングの首位にはヤリス系が復帰し、前月にN-BOXに奪われた首位の座を1カ月で取り戻した。
それもN-BOXに対して7000台以上の大差を付けての首位だから、7月の台数を見る限りでは不動の首位といった雰囲気だ。
強いていえば、価格帯の重なる部分が大きいアクアの売れ行きが、ヤリス系の売れ行きに影響を与えるのではないかということくらい。首位は続くと見られる。
日本中のクルマがトヨタ車に?
トップ10に入った登録車は、ヤリス系のほか、3位のルーミー、5位のカローラ、7位のアルファード、8位のアクア、10位のヴェゼルと、6車種になった。ヴェゼルを除き、すべてトヨタ車という状況だ。
6月には登録と軽自動車が5台ずつだったが、7月は軽自動車ハスラーが圏外に去って、登録車6車種と軽自動車4車種になった。
ハスラーの代わりに入ったのがヴェゼルなので、トップ10の登録車をトヨタ車が独占する形が久々に崩れた。今年に入ってトヨタ車以外の登録車がトップ10に入ったのは3月にノートが8位に入ったときだけだ。
トヨタ車の顔ぶれも、アクアが入ったことでハリアーがランクを下げている。価格帯が高いクルマと安いクルマが入れ替わった形なので、トヨタにとっては必ずしも良い形ではないかも知れないが、いずれにして良く売れているのはトヨタ車である。
新型車のアクアもけっこう評判が高いので、当面はトップ10の圏内で安定した売れ行きを続けるはずだ。
アクア、出足好調!
トップ10に入った登録車の伸び率を見ると、ヴェゼル、アクアが新型車効果で前年の2倍以上、またルーミーもマイナーチェンジの効果と車種の統合が影響して2倍以上の伸び率を記録している。
それにしても、アクアの販売台数は凄い。発売日が7月19日なので、10日程度で7,902台売ったことになる。旧型も含んでいると思われるが、発売前からしっかりと受注活動をし、いつでも登録できる体制ができていたのだろう。生産体制と営業力が上手くかみ合っていることが、トヨタの強さでもある。
ヤリス系も前年比が65.7%の増加、アルファードも6.1%ながら前年を超えている。
日産復活のカギは、デイズ&ルークス?
一方、軽自動車は、N-BOXが2位に落ちたほか、4位にスペーシア、6位にムーヴ系、8位にタントの4車種。本来なら日産のルークスが入ってくるべきところだが、ルークスの順位は6月が19位、7月は26位にまで順位を下げていて、トップ10ははるか遠くになってしまった。
日産の登録車は、ノートを除き、モデル末期となっている車種が多いだけに、半導体不足の早期回復を願うばかりだろう。
ワゴンR、モデルチェンジ後に期待大
軽自動車では、N-BOXがマイナーチェンジの効果もあって前年を4.7%上回る台数を記録したが、ワゴンRにスペーシアやムーヴ系、タントは、モデルサイクルの関係から陳腐化が進んだ形になり、いずれも前年比がマイナスになっている。6月には、ムーヴ系とタントが前年比で増加を示していたが、長続きしなかった。
ワゴンRは、8月もしくは9月にモデルチェンジが予定されているので、9月以降は一気に挽回モードに入るだろう。
■2021年7月の新車販売ランキング 1~10位
1)ヤリス系 23,200台(165.7%)
2)N-BOX 16,992台(104.7%)
3)ルーミー 14,807台(226.8%)
4)スペーシア 10,983台( 82.3%)
5)カローラ 9,242台( 84.1%)
6)ムーヴ系 8,979台( 89.1%)
7)アルファード 8,964台(106.1%)
8)アクア 7,902台(217.0%)
9)タント 7,895台( 60.2%)
10)ヴェゼル 7,573台(258.0%)
スーパーハイト系に一極集中? ランクインした軽自動車が少ない11~20位
11位から20位までの車種では、軽自動車が3車種だけになってしまった。前述のようにルークスが26位につで順位を下げた結果、このランクに残った軽自動車は16位のミラ、17位のハスラー、18位のタフトの3車種だけになった。
軽自動車は、全体需要でもマイナスを記録している。スーパーハイト系軽自動車に、人気が集中していることもあるが、このあたりのランクでしっかり販売する車種が少なくなった。こうしたことが、全体需要に反映されているのだろう。3車種とも前年比は、マイナスを記録している。
圧倒的なな営業力? モデル末期のヴォクシーが好調!
登録車は、いろいろなメーカーのクルマが入っている。目立つのはトヨタ車で11位のライズ、12位のハリアー、14位のヴォクシーと比較的上位に入っている。
ライズとハリアーは、新型車効果が一巡して前年比はマイナスだが、モデルサイクルが長期化しているヴォクシーがしっかり健闘して前年比が20%近い増加である。
日産車は、13位のノートと19位のセレナ。ノートは前年並だが、モデルサイクルが長期化しているセレナは前年比が大きくマイナスしている。
ホンダ車は15位のフリードが、モデルサイクルの長期化にもかかわらず前年比が増加を示した。
フィット、半導体不足の泥沼から脱出か?
フィットは、新型車効果が一巡したとはいえ大きくマイナスした5300台で20位である。6月には26位だったことを考えたら順位は改善されたが、この位置にいてはいけないクルマであり、この台数では物足りないクルマである。
ただ、プラットフォームなどを共用するヴェゼルが10位に入っており、納車が進んでいることから、半導体不足もやや解消してきている印象。フィットの生産も問題無くなれば、現在の順位からジャンプアップする可能性も高い。
■2021年7月の新車販売ランキング 11~20位
11)ライズ 7,530台( 61.3%)
12)ハリアー 6,780台( 72.2%)
13)ノート 6,657台( 98.9%)
14)ヴォクシー 6,372台(119.9%)
15)フリード 6,005台(113.3%)
16)ミラ 5,938台( 92.7%)
17)ハスラー 5,635台( 63.8%)
18)タフト 5,552台( 88.1%)
19)セレナ 5,329台( 69.3%)
20)フィット 5,300台( 57.5%)
手堅く売れているトヨタ車
20位以下の21位のRAV4、22位のプリウス、23位のノアなどがまずまず堅調な売れ行き。
30位のパッソも手堅く売れているし、33位のランドクルーザーに至っては、フルモデルチェンジの発表もあって在庫車が一気に売れた形である。台数レベルと順位は低いながら、41位のクラウンも20%の増加だ。
他のメーカーのクルマでは、日産のキックスが前年比6倍の売れ行きだが、これは前年の台数が少なかったため。39位のレヴォーグが前年比2倍に近い売れ行きで健闘している。
また、6月には40位以内に1台も入ることのできなかったマツダ車が、7月は38位にマツダ2がなんとかランクインした。
年内生産終了を受けて、オデッセイの販売好調
そして、なんとも悲しい状態になっているのがオデッセイ。長期間販売が低迷していたが、7月の販売台数は2,131台となり前年比は230.4%と好調だ。
しかし、残念なことに、これはオデッセイの販売が、年内で終了ということを受けての駆け込み需要とみられている。
また、絶版車となることで、この先、中古車相場が上がることを見越しての購入もあるだろう。過去、一世を風靡した人気モデルが姿を消すことになる。
<レポート:松下 宏>
■2021年7月の新車販売ランキング 21~40位以下
21)RAV4 5,079台(102.3%)
22)プリウス 4,637台( 99.6%)
23)ノア 4,367台(107.4%)
24)アルト 4,267台( 83.0%)
25)シエンタ 4,206台( 78.7%)
26)ルークス 3,867台( 48.5%)
27)ソリオ 3,743台(109.1%)
28)N-WGN 3,707台( 60.1%)
29)デイズ 3,095台( 55.8%)
30)パッソ 3,058台(103.9%)
31)キックス 2,828台(620.2%)
32)ワゴンR 2,824台( 46.0%)
33)ランドクルーザーワゴン 2,632台(146.7%)
34)ステップワゴン 2,444台( 74.1%)
35)インプレッサ 2,387台( 78.3%)
36)eKワゴン系 2,379台(102.1%)
37)N-ONE 2,158台( 67.4倍)
38)オデッセイ 2,131台(230.4%)
39)マツダ2 2,124台(100.0%)
40)レヴォーグ 2,063台(197.0%)
41)クラウン 1,968台(120.7%)
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