2021年11月、新車販売台数ランキングの目次
- 販売台数減が止まらない!
- 生産復調の兆し? ホンダと日産が微増した登録車
- 軽自動車の王様N-BOX、再びトップへ
- カローラクロス投入で、カローラ系好調
- タントも復活か?
- 2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した日産ノート・オーラ好調
- ■2021年11月の新車販売台数ランキング 1~10位
- フルモデルチェンジ直前なのに絶好調なヴォクシー
- 部品&半導体不足で、まだまだ本来の実力が発揮できないヴェゼル
- ■2021年11月の新車販売台数ランキング 11~20位
- 大幅改良の成果でイッキに販売台数を伸ばしたフォレスター
- ■2021年11月の新車販売台数ランキング 21~30位
- 新型ステップワゴン発表まで、どうするホンダ?
- 厳しい三菱
- ■2021年11月の新車販売台数ランキング 31位以下
販売台数減が止まらない!
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した11月の新車販売台数は、前年同月に比べて14.3%減少し、35万2455台となった。これで、5カ月連続のマイナスである。
半導体不足がまだ解消に至っておらず、また東南アジア諸国での新型コロナウイルス感染拡大による部品供給の停滞も続いていて、自動車メーカー各社が減産や生産調整をしていることが販売台数に反映されている。
このうち登録車は、13.4%減の21万9276台で、これで3カ月連続で前年同月を下回ることになった。
軽自動車は、16.0%減の13万3179台で6カ月連続で前年を割り込んだ。11月として軽自動車販売が14万台を下回るのは2010年以来11年ぶりである。登録車に比べて、軽自動車のマイナス幅が大きい状態が続いている。
生産復調の兆し? ホンダと日産が微増した登録車
登録車の販売台数をブランド別に見ると、好不調がまちまちといった状況が見て取れる。レクサスは42.5%減、マツダが20.8%減、トヨタが17.8%減、スバルが11.2%減、スズキが6.3%減となった。
その一方、ホンダは3.8%増、日産は2.2%増となり、台数規模は小さいがダイハツも71.6%増となった。
レクサスとトヨタ、スバルは3カ月連続のマイナス、マツダとスズキは6カ月連続のマイナスで、ホンダと日産は3カ月振りに前年を上回っている。ダイハツは6カ月振りのプラスだ。
軽自動車は、8ブランドすべてが前年を割り込んだ。スバルが32.3%減、日産が24.3%減、ホンダが18.3%減、ダイハツが15.8%減、スズキが12.9%減、三菱が12.2%減などとなっている。
軽自動車の王様N-BOX、再びトップへ
乗用車の銘柄別の販売ランキングは、別掲の通り。10月に総合で5位、軽自動車でも3位に沈んだN-BOXが、販売ランキングの首位に復活した。
ほぼ、前年並みの台数ながら、10月に大きく沈んでいたのに比べると、倍以上の台数を販売している。N-BOXが総合で首位に立つのは6月以来で、今年2回目である。
カローラクロス投入で、カローラ系好調
総合で2位、登録車では首位に立ったのはカローラ系。首位を続けてきたヤリス系を上回る台数を確保した。新投入のカローラクロスが好調な売れ行きとなっている。
今年のヤリス系は6月を除いて連続して総合首位に立っていた。だが、需要が一巡したこともあって11月は総合3位、登録車で2位に落ちている。
トップ10の登録車は、カローラ系とヤリス系の後、4位にルーミー、7位にノート、10位にアクアとなっている。5車種のうち4車種がトヨタ車という状況だ。
前述のように、ブランド別販売台数ではトヨタは17.8%減だったが、これは前年同月の数字が良かったことの反動でもあり、悪いように見えるがしっかり売っているのがトヨタである。
タントも復活か?
軽自動車を除いて登録車だけでトップ10を見ると、10車種のうち7車種がトヨタ車なのだ。
トップ10の軽自動車は、N-BOXの後、5位にタント、6位にスペーシア、8位にルークス、9位にワゴンR系の5車種が入っている。
N-BOXのほか、10月16位までランクを落としていたタントが前年比をプラスにして急上昇してきたのが注目される。
ワゴンRスマイルの追加で、10月に軽自動車の首位に立っていたワゴンR系はまずまず好調な台数を維持しているが、順位は軽自動車で4位、総合では9位にまでダウンした。
2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した日産ノート・オーラ好調
トップ10の車種のうち、前年比の伸び率が最も大きかったのはノートで、前年の2.7倍を超える台数を販売している。ほかに目ぼしい販売車種がない中で、オーラの追加が貢献して販売台数を伸ばしている。
また、ノート・オーラシリーズは、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。今後も好調をいじしつづけることができるのか注目だ。
ほかにフルモデルチェンジの効果を受けた10位のアクアが前年の2倍を超える台数を確保している。
■2021年11月の新車販売台数ランキング 1~10位
1)N-BOX 15,482台( 98.7%)
2)カローラ系 13,631台(141.2%)
3)ヤリス系 11,940台( 59.9%)
4)ルーミー 11,654台(127.9%)
5)タント 10,822台(102.1%)
6)スペーシア 10,790台( 89.7%)
7)ノート 9,412台(271.9%)
8)ルークス 7,413台( 82.2%)
9)ワゴンR系 7,267台(139.8%)
10)アクア 7,251台(209.6%)
フルモデルチェンジ直前なのに絶好調なヴォクシー
11位から20位までの車種では、登録車がやや優勢である。11位のヴォクシー以下、12位のライズ、13位のフィット16位のアルファード、18位のヴェゼル、19位のフリードと、6車種を登録車が占めている。
12位のライズには、待望のハイブリッド車が用意されたこともあり、姉妹車関係にあるダイハツ ロッキーと共に、12月以降、大幅に販売台数を伸ばしてくるだろう。
中でも注目されるのはヴォクシーで、10月に比べると2倍以上の台数を販売してランキングも30位から11位まで急上昇させている。
ヴォクシーは、2022年早々にフルモデルチェンジが予定されているようだ。そのタイミングを考えると、11月と12月は在庫一掃セールということになりそうだ。ただ、フルモデルチェンジ間際のモデルをこれだけの台数を販売できるトヨタの営業力には脱帽だ。
部品&半導体不足で、まだまだ本来の実力が発揮できないヴェゼル
18位のヴェゼルは、10月に比べると1000台ほど販売台数を落としているが、それでもフルモデルチェンジの効果で前年の2.5倍に近い台数を確保した。
ただ、ほかの車種も好調だったためランキングは、8位から18位へと急降下する結果になった。モデルサイクルが長期化しているフリードがそれに近い台数を販売しているのも注目される。
このランクの軽自動車は、14位のムーヴ系、15位のタフト、17位のミラ、20位のハスラーの4車種で、いずれも前年に比べると台数を落としている。
ハスラーがタフトに販売台数で負けたのは久しぶりだ。スズキも半導体不足や部品供給不足の影響が大きい。
また4車種のうち、3車種がダイハツ車という結果だった。
■2021年11月の新車販売台数ランキング 11~20位
11)ヴォクシー 6,711台( 97.8%)
12)ライズ 6,217台( 58.5%)
13)フィット 6,074台( 84.8%)
14)ムーヴ系 5,979台( 59.9%)
15)タフト 5,613台( 86.3%)
16)アルファード 5,423台( 53.6%)
17)ミラ 5,396台( 88.9%)
18)ヴェゼル 5,381台(247.2%)
19)フリード 5,114台( 74.5%)
20)ハスラー 4,812台( 73.1%)
大幅改良の成果でイッキに販売台数を伸ばしたフォレスター
21位から30位までの車種では、29位のロッキーが注目される。ハイブリッドの追加による新型車効果で前年に比べて2.5倍を超える台数を販売。前月のランク外から一気に29位にまで食い込んできた。
新型車効果では、フォレスターも好調。2021年8月の大幅改良後モデルの効果がやっと出てきて、前年比2.3倍を売り切って25位にランクインしてきた。
やや意外なのは軽自動車のジムニーが、前年を上回る台数を販売して22位に食い込んでいること。毎月30位台でやっとランキングに入るかどうかというあたりで推移していたが、11月は10月の2倍以上の台数を販売している。
■2021年11月の新車販売台数ランキング 21~30位
21)RAV4 4,510台( 84.6%)
22)ジムニー(軽自動車) 4,652台(107.1%)
23)アルト 4,160台( 73.6%)
24)プリウス 4,089台( 76.5%)
25)フォレスター 3,975台(234.0%)
26)ノア 3,888台( 87.4%)
27)デイズ 3,868台( 71.3%)
28)シエンタ 3,808台( 53.0%)
29)ロッキー 3,615台(258.2%)
30)N-WGN 3,599台( 81.1%)
新型ステップワゴン発表まで、どうするホンダ?
31位以下の車種では、32位のパッソが前年比20.1%増、34位のステップワゴンが前年比27.1%増、38位のマツダ2が前年比21.3%増、39位のオデッセイが30.9%増などとなっているのが注目される。
ただし、オデッセイは生産中止が発表され、次期モデルの投入も未定。オデッセイ最後のモデルということもあり、急に売れ出したようにも見える。
ステップワゴンは、2022年春に新型車を投入すると発表。12月以降、新型車が販売されるまでの販売台数が、やや心配だ。
厳しい三菱
毎月総合40位までのランキングを掲載していたが、11月は40位までに絞るとeKワゴン系が41位となって三菱車が1車種も入らなくなるため、特別に45位までのランキング表とした。
そして、一世を風靡したC-HRがついにランク外となった。同じセグメントに安価な価格設定がされたカローラクロスが投入されたことも影響し、共食いが発生しているようにも見える。
■2021年11月の新車販売台数ランキング 31位以下
31)セレナ 3,219台( 72.6%)
32)パッソ 3,054台(120.1%)
33)ハリアー 2,992台( 30.2%)
34)ステップワゴン 2,916台(127.1%)
35)ソリオ 2,880台( 98.1%)
36)スイフト 2,760台(132.8%)
37)ランドクルーザーワゴン 2,639台( 65.6%)
38)マツダ2 2,617台(121.3%)
39)オデッセイ 2,252台(130.9%)
40)キックス 1,924台( 44.8%)
41)eKワゴン系 1,906台( 94.5%)
42)キャスト 1,738台( 99.8%)
43)クラウン 1,616台( 92.8%)
44)インプレッサ 1,614台( 41.9%)
45)エスクァイア 1,583台(125.9%)
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