スバル フォレスター(SK系)を比較解説。お勧めグレード、値引きなどもレポート

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【イベント・モーターショー】2023/01/06

スバル フォレスター

 

国内スバルの基幹車種へと成長している5代目SK系フォレスター

 

フォレスターは、国内スバル車で2021年度に最も売れたモデルで約2.4万台を販売し、国内登録車販売台数ランキングでは25位だった。

同クラスのライバル車と販売台数を比べると、1位RAV4、2位 CX-5、フォレスターは3位だ。国内スバルにとって、フォレスターは非常に重要なモデルで収益の柱ともいえる。

今回はフォレスターの魅力や走行性能、値引き、リセールバリュー、ライバル車との比較などをレポートする。

 

スバル フォレスターの歴史・概要

 

スバル フォレスターは、国内SUVの中でパイオニアとも呼べるモデルだ。
1997年に登場した初代フォレスターは、インプレッサのプラットフォーム(車台)を使用していた。SUVと呼ばれているが、ステーションワゴンの最低地上高を高め、オフローダーらしいデザイン要素をプラスしたモデルだ。

特に注目されたのは、水平対向4気筒2.0LターボエンジンであるEJ20型を搭載したモデルだ。出力は250psと、発売当時ではかなりパワフルなエンジンで、妙に速いSUVとして話題となった。この速い2.0Lターボエンジンモデルは、フォレスターの個性として受け継がれていく。

3代目SH系フォレスターからは、現在のようなタフネスさがあふれる正統派SUVデザインとなった。

4代目フォレスターは、歩行者検知式自動ブレーキなどの予防安全装備パッケージ「アイサイト」を搭載したグレードが登場している。

現行モデルとなるSK系5代目フォレスターは、2018年7月にデビューした。2.0Lターボモデルが姿を消した代わりに、2.0Lのハイブリッドモデルであるe-BOXERが投入されている。ガソリンエンジン車は排気量がアップし2.5Lとなった。全車4WDで、歩行者エアバックとアイサイトが標準装備された。

2020年には、1.8LターボのDITエンジンを搭載した新グレード「SPORT」が追加され、2.5Lエンジンはラインアップから外れている。

2021年8月には以下の大幅改良が成された。

・フロントフェイスを中心としたデザイン変更

・新世代アイサイトを搭載

・足回りの改良

・乗り心地の向上

スバル フォレスター
画像は2018年デビュー時モデル

 

 

スバル フォレスターの性能(燃費、ボディサイズなど)

 

パワーユニットが、やや物足りない

スバル フォレスターは、全長4,640mm×全幅1,815mmw×全高1,715mmのミドルサイズSUVだ。全幅がやや狭く、最小回転半径も5.4mと小さい。そのため細い道や狭い駐車場の多い日本では使いやすいモデルといえる。運転席からの視界も良く、運転しやすいのも特徴だ。

フォレスターは悪路での走破性にこだわっており、全車AWDだ。2WDモデルの設定は無い。

高い悪路走破性を誇る理由は、X-MODEと最低地上高にも由来する。フォレスターのAWD制御機能はX-MODEという。従来型から進化したX-MODEは、SNOW&DIRT、DEEP SNOW&MUDの2モード式があり、DEEP SNOW&MUDでは、自動でVDCのON・OFFを制御する。

悪路では、最低地上高が高いほどメリットが多い。フォレスターの最低地上高は220mmとクラストップレベルだ。

5代目フォレスターは、最新プラットフォーム(車台)であるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用した。高剛性化されたプラットフォームと、ボディ・フロント・リヤサスペンションの刷新によって、さらに上質な乗り心地を実現した。全般的にフラットライドで、ソフトな乗り心地だ。SPORTグレードは、少し硬めになる。オンロードでは、SPORTのフットワークが最も気持ちがよい。

5代目フォレスターに搭載されたパワーユニットは2つある。水平対向4気筒1.8Lターボと、2.0Lハイブリッドのe-BOXERだ。

1.8Lターボの出力は177ps&300Nmで、SPORTグレードにのみ搭載される。低・中速域でのトルクがあるエンジンなので、街中ではキビキビとよく走る。

だが、最高出力は177psと控えめだ。高回転域でパンチのある加速感は感じ難い。

SPORTというグレード名だが、エンジンは実用系で、燃費は13.6㎞/L(WLTCモード)とまずまずの数値といえる。だが、カーボンニュートラルが推し進められている昨今、あえて純ガソリン車を選ぶのはいかがなものか。

もう1種類のパワーユニットであるe-BOXERには、145ps&188Nmをアウトプットする2.0Lエンジンに、13.6ps&65Nmの小さなモーターが組み合わされている。XVハイブリッドに積まれているシステムの進化版だ。

アクセルを踏んだ瞬間、モーターがわずかにアシストするので、レスポンスは良好だ。ただ、絶対的出力は2.0L級なので、必要十分だ。高速道路や急な登坂路では、もう少しパワーが欲しい。

e-BOXERの悩ましい点は2つある。

1つ目は、ハイブリッドらしさがあまり感じられない点だ。モーターの出力が小さいため、モーターのみで走れるシーンはごく僅かだ。走行中は、ほとんどエンジンがかかっている。

2つ目は燃費である。ほぼエンジンで走っている影響で、燃費は14.0㎞/L(WLTCモード)だ。ライバル車であるマツダCX-5の2.0Lガソリン車と同等レベルである。

e-BOXERをハイブリッド車として購入すると、少々物足りなく感じる。しっかりと試乗して、自分に合うかどうか確認してから選びたい。

スバル フォレスター

 

 

スバル フォレスターのお勧めグレードは?

 

SPORTもしくはX-BREAKがお勧め

スバル フォレスターのお勧めグレードは、1.8LターボのSPORTだ。価格は330万円と最も高価なグレードだが、以下が標準装備されているため満足度は高い。

・運転席&助手席パワーシート

・後席シートヒーター

・アイサイトセーフティプラス(運転支援機能)

オプションの大型サンルーフが装備されている車両であれば、売却時にプラス査定になる可能性が高い。

2022年12月に、このSPORTをベースとした特別仕様車XT-EDITIONが投入された。価格はSPORTと同じだが、アイサイトセイフティプラスが追加装備されているので、その分買い得感は高い。この特別仕様車がイチオシだ。

SPORTの次にお勧めしたいのは、e-BOXERのX-BREAKだ。価格は308万円である。オレンジの差し色が入った専用の内外装は、なかなかスタイリッシュだ。撥水加工されたシート表皮は、アウトドアレジャーや小さな子供の食べこぼしなどに便利だ。

オプションの運転席&助手席パワーシートやアイサイトセーフティプラス(運転支援)は積極的に選びたい。

 

スバル フォレスター特別仕様車XT-EDITION
スバル フォレスター特別仕様車XT-EDITION

 

 

スバル フォレスターの値引き、中古車と新車のどちらがおすすめ?

 

大幅値引きの期待大

スバル フォレスターは、2018年にデビューしたモデルだ。すでにモデル中期から後期に入っているので、値引き交渉がしやすい。しっかりライバル車と競合させることが前提として、タイミング次第では大幅値引きが十分に期待できる。

主なライバル車は、トヨタ RAV4、日産エクストレイル、マツダCX-5だ。

先に、同じ価格帯になる車種・グレードのライバル車の見積りを取ってから、フォレスターの商談に臨むことが重要だ。スバルの営業マンに「本命はライバル車」と勘違いさせるためである。本命がフォレスターだと悟られてしまえば、「どうせ買うのだから値引きする必要はない」と判断されるだろう。ライバル車の営業マンと競わせることで、値引き額アップを図るとよい。

購入するタイミングも重要だ。自動車販売では、値引きしてでも売りたい時期がある。6~7月のボーナスセール、2~3月の決算セール、9月末の半期決算セールが代表的な例だ。

大幅に値引きする時期は、メーカー側から大規模なバックマージンが提示されることも少なくない。このバックマージンが値引きの原資になり、大幅値引きが出やすくなるのだ。

競合と時期が上手くかみ合えば、30万円以上の値引きが期待できるだろう。

スバル フォレスター

 

 

納期優先なら中古車! コスパ重視なら新車

 

スバル フォレスター2019年式の中古車価格は、約240~310万円だ。新車価格が約280~310万円だったので、ほとんど新車と同じような価格で売られている。
元々、フォレスターはスバルファンに支えられ、リセールバリューが高いモデルである。さらにコロナ禍による納期長期化が加わり、中古車価格は高値維持状態が続いている。

2019年式フォレスター アドバンスに絞ってみると、新車価格が約310万円に対して、中古車価格は260~320万円だ。280万円以下程度の中古車なら、少々高めだが買ってもよいだろう。アドバンスは最上級グレードなので、オプションのナビはほぼ装備されている。これによって、実際の新車価格に約20万円の価値が加わるからだ。

納期を重視するのであれば、中古車になる。だが中古車価格が高めの場合、お勧めは新車だ。最新型のフォレスターは大幅改良を経て、完成度に磨きがかかっている。この差は捨てがたい。

なお、1.8LターボのSPORTがターゲットなら、中古車価格は新車並みなので迷わず新車を選びたい。

<レポート:大岡智彦

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