人気がないってホント? ステーションワゴンを買ってはいけない人、買って満足な人とは? お勧め中古車5選

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【生活・文化】2023/01/29
ワゴン 大岡智彦

トヨタ カローラツーリング

 

意外なほど堅調なステーションワゴンマーケット

 

1990年代に、大ヒットしたステーションワゴン。スバル レガシィツーリングワゴンは、そのブームをけん引した歴史的モデルでもある。

しかし、現在、日本マーケットで高い人気を誇っているのはSUVとミニバン。かなり前から、ステーションワゴンの人気は低迷中。しかし、人気が無くなったとはいえ、一部車種や輸入車の販売台数は意外なほど堅調に推移している。ステーションワゴンには、一定のファン層がいてマーケットが支えられている状況だ。

今回は、そんなステーションワゴンの魅力と難点をレポート。流行りだからと、SUVやミニバンを買って心配した、後悔した、などが無いようシッカリと比較・評価しておくとよい。

 

ステーションワゴンの魅力とは?

 

ミニバンやSUVと比較した際、ステーションワゴンに優位性がある点を2つ紹介する。

  ステーションワゴン ミニバン SUV
1.走行性能
2.燃費

 

 

1.走行性能がよい

 

ステーションワゴンは、セダンがベースだ。ミニバンやSUVより重心が圧倒的に低い。そのため、カーブや高速道路などでの安定感は抜群。グラグラせずに、気持ちよく走ることができる。また、ステーションワゴンは車重が軽いため、同等レベルの出力をもつエンジンであれば、加速性能にも優れていて、高速道路などでもより余裕がある走りが楽しめる。

 

2.燃費がよい

 

ミニバンとSUVは背が高いため、車重が重い。ステーションワゴンは、セダンよりは若干車重が重くなるものの、ミニバンやSUVよりはかなり軽い。同等の出力をもつエンジンであれば、ステーションワゴンの方が軽い分、燃費が圧倒的に良い。

 

ステーションワゴンの難点

ステーションワゴンよりも、ミニバンやSUVに軍配が上がる点を2つ紹介する。

  ステーションワゴン ミニバン SUV
1.荷物の積載性
2.悪路走破性

 

1.荷物の積載性はミニバンが勝る

 

ステーションワゴンはセダンをベースとしてトランク部分と後席部分を一体化している。ルーフを伸ばし、荷室を広くしているのが特徴だ。

ステーションワゴンの荷室はセダンと比べると広いが、ミニバンの3列目シートを収納した荷室スペースと比べると大きな差がつく。よりたくさんの荷物を積みたいならミニバンがお勧めだ。両側スライドドアも使い勝手に優れる。

ステーションワゴンとSUVの荷室の広さは、同等のボディサイズであれば、同等レベルの広さになる。

ステーションワゴンは、荷室と居住スペースが一体化しているため、セダンより静粛性が邪巻劣り、リヤ部分のボディ剛性も少し下がる傾向がある。

 

2.SUVのように悪路を走れない

 

ステーションワゴンは荷室が広く、SUVと同等レベルの多くの荷物が積める。
しかし、段差が大きい悪路を走る場所には入れない。最低地上高がセダンと同等なので、凸凹道は苦手なのだ。無理に走ると、動けなくなるケースもある。積載スペースはSUV並みだが、悪路は苦手だ。

ただし、ステーションワゴンの中には、SUVとのクロスオーバーモデルで最低地上高を高くしたモデルもある。ステーションワゴンで悪路を走りたい場合、こうしたクロスオーバーモデルを検討すると良いだろう。

なお、ミニバンは多くの荷物を積めるものの、三菱デリカD:5を除き悪路は走れない。

 

総評:セダンの良さを受け継ぐステーションワゴン。ニーズが明確な人には物足りない?

ステーションワゴンは、ベースであるセダンの以下の特徴を受け継いでいる。

  • 車高が低い
  • 走行性能に優れる
  • フォーマルなデザイン性

SUVやミニバンに比べて車高が低い。そのためカーブでのふらつきは軽減され、高速道路の走行も安定する。また立体駐車場を使用できるモデルが多いのもメリットのひとつだ。

積載性は、セダンには勝るもののミニバンと比べると物足りない。シートアレンジも少ない。あくまで、セダンでは荷室が狭いがミニバンほどの広さが必要ない。むしろ、走行性能を重視という人に向く。また、悪路走破性はSUVに軍配が上がる。

ステーションワゴンは、全体的なバランスに優れている。だからこそ、クルマを使うシーンが明確な人ほどニーズを満たしにくい側面もある。

クルマ選びは、使い方を明確にしてから購入したい。では、具体的にどのように選べばいいのだろうか。

 

 

 

選び方のポイントは?【ステーションワゴン・ミニバン・SUVを比較】

 

「子育て層はミニバン、流行りはSUV」というイメージが強い。

だが、クルマ選びでは、普段の使い方が重要だ。

  • 子どもが1人→ステーションワゴン/セダン
  • 子どもが複数人、高齢者の送迎→ミニバン

子育て層にミニバンは人気がある。両側スライドドアは便利だが、毎日の乗車では使わないスペースを運んでいるようなものだ。車体が大きく重いので、燃費も悪く燃料費も高めになる上に、車両価格も高い。子どもが1人程度であれば、ステーションワゴンやセダンで十分だ。

ミニバンは、頻繁に5人以上乗せる人や、子どもが2人以上、もしくは高齢者の送迎が日課になっているような人に向く。

  • ほぼオンロードで走行→ステーションワゴン
  • 雪国やキャンプで悪路走破性を求める→SUV(4WD)

SUVは、2WDが多く占めるようになり、もはやセダンに代わるカテゴリーになってきた。流行っているからSUVに乗るという人は多いが、SUVには無駄も多い。

SUVはミニバン同様、車体が大きく車重も重いので燃費が悪い。2WDで悪路を走ることを想定していないなら、車重が軽く燃費もよく、荷室の広さも同等、オンロードでの走行性能に優れるステーションワゴンで十分だ。

SUVの4WD車が必要な人は、雪深い地域に住んでいるか、ウインタースポーツやアウトドアレジャーなどで、悪路を走る必要がある人だ。こうしたシーンでは、高い最低地上高が大きなメリットになる。

 

 

中古ステーションワゴンお勧め5選

 

ステーションワゴンのクロスオーバーモデル

5代目スバル レガシィアウトバック

スバル レガシィアウトバック

 

5代目スバル レガシィアウトバックは、2014~2021年に発売されたモデルだ。
アウトバックは、レガシィ ツーリングワゴンをベースにクロスオーバーした、オフローダーテイストのモデル。最低地上高を200mmとし、ボディ下部にはプロテクタパネルを装備している。

最低地上高の200mmは、SUVと比べても大きい数値だ。アウトバックがいかに高い悪路走破性をもっているかが分かる。

ステーションワゴンのクロスオーバー車は、国産モデルでは数少ない。輸入車ではアウディのオールロードクワトロ系や、メルセデス・ベンツのオールテレイン系などがある。かなりマニアックなモデルなのだ。

アウトバックに搭載されたエンジンは、2.5LのFB25型水平対向4気筒である。出力は175ps&235Nmだ。

乗り心地はやや硬い。最低地上高を上げたことでラフロードでの走行性能を高めているからだ。しなやかな乗り心地や軽快感ではセダンのB4が上回る。

アウトバックの運動性能は、SUVやミニバンと比べると高い。より気持ちよく走ることが可能だ。

アウトバックでお勧めの年式は、大幅改良後の2017年式モデルだ。アイサイトの機能もバージョンアップした上に、エンジンやサスペンションなども改良され、より洗練された乗り味になった。

2018年式の中古車相場は、230~300万円だ。中古車流通量が少ないため、やや幅の広い価格帯になっている。新車価格が約330~360万円なので、リセールバリューが高いモデルといえる。

お勧めグレードは、Xブレイクだ。専用シートは、撥水ファブリックと合成皮革を組み合わせ、機能性を高めている。濡れたものを気にせずガンガンと使える機能的なグレードで、アウトドアシーンによく似合う。高級感重視ならリミテッドがよい。

 

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ミニバンとワゴンのクロスオーバーモデル?

 

ホンダ ジェイド

ホンダ ジェイド

 

ジェイドは、いかにもホンダらしいユニークさを持つ。というのも、ステーションワゴンとミニバンのクロスオーバーモデルなのだ。

ロールーフで、ステーションワゴンのようなルックスながら、グレードにより3列目シートを備える。3列目シートを備えたグレードは、2列目のキャプテンシートに2人、3列目に2人。計6人の乗車が可能だ。ただし3列目シートはとてもタイトなので、小さな子ども用か短距離用として使う前提が良いだろう。

ジェイドの2列目シートを再後端までスライドさせると、ゆったりとした空間が生まれ、3列目を床下収納すれば、ステーションワゴン並みの荷室になる。尚、3列目シートが無く、2列目シートに3人、計5人乗りの設定もある。

搭載エンジンは、1.5Lターボと1.5Lハイブリッドだ。1.5Lターボの出力は150ps&203Nm、1.5Lハイブリッドのシステム出力は152psだ。どちらも十分な動力性能をもつ。燃費は、1.5Lターボが17.6~18.0km/L(JC08モード)、ハイブリッドが24.2km/L(JC08モード)となっている。

ジェイドの乗り心地は、やや硬めだ。速度が上がるとしなやかさを増す。キビキビとした走りも魅力的だ。静粛性もまずまずである。

ジェイドの中古車相場は、2015年式で120~160万円程度だ。新車価格が約250~290万円だったので、買い得感が出てきている。

お勧めは、2列目がキャプテンシートとなる6人乗りのハイブリッドXだ。必須の純正ナビに加えて、本革シートが装備されているとさらによい。2015年式だと、5人乗りモデルの設定はない。

1.5Lターボを搭載したスポーティ仕様のRSの装備では、自動ブレーキなどの予防安全装備であるホンダセンシングと純正ナビが必須だ。

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荷室は広くないが、超低燃費

トヨタ カローラツーリングハイブリッド

トヨタ カローラツーリング

 

カローラツーリングと、ベース車であるカローラセダン、姉妹車のカローラスポーツの全幅は以下の通りだ。

カローラツーリング 1,745mm
カローラセダン 1,745mm
カローラスポーツ 1,790mm

カローラスポーツの全幅はワイドだ。しかしカローラセダンは、日本での使い勝手を重視し、全幅を抑えている。

カローラセダンをベースとするカローラツーリングの全幅も同じだ。狭い道が多い日本でも扱いやすいサイズとなっている。

カローラツーリングの荷室容量は392Lだ。このクラスのステーションワゴンとしては、やや小さい荷室になっている。そのため、とにかく多く荷物を積みたいというニーズをもつ人には向かない。カローラツーリングは、「カローラセダンのやや地味なデザインはNG。スタイリッシュでスポーティなカローラツーリングならOK」という人にお勧めのモデルだ。

搭載される1.8Lハイブリッドの燃費は、25.6~29.0km/L(FF、WLTCモード)だ。このクラスのステーションワゴンでは世界トップレベルの超低燃費性能を誇る。カローラツーリングには、ガソリン車もあるが、カーボンニュートラル時代であることを考えると、やはりハイブリッド車一択といえる。

カローラツーリングの走りは、なかなかスポーティだ。低重心化されたGA-Cプラットフォーム(車台)の恩恵もあり、安定した姿勢でカーブを駆け抜ける。乗り心地も良好だ。

カローラツーリングは、2019年に出たばかりのモデルなので、中古車はまだ高値だ。中古車相場は、約180~250万円となっている。新車価格が200~300万円なので、ほとんど価格が下がっていない。

これはコロナ禍による半導体不足や部品不足による、新車納期の長期化が影響していると思われる。高年式を中心に中古車の販売が好調で、中古車価格が高値を維持している状態と予想できる。買い得感が出てくるには、もう少し時間が必要だろう。

お勧めグレードは、ハイブリッドのダブルバイビーだ。カローラツーリングの人気グレードで、合成皮革のシート表皮や17インチホイール、オプティトロンメーターなどが標準装備されている。このグレードで以下などが装備されていれば、売却時に高値が付く可能性がある。

  • 9インチのディスプレイオーディオ
  • シートヒーター
  • 100V・1500kWコンセント
  • パーキングサポートブレーキ

<レポート:大岡智彦

 

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