2019年12月、新車販売台数ランキング カローラ好調! トヨタ1強状態続く
2019年12月、新車販売台数ランキングの目次
- 大幅な落ち込みとなった12月の新車販売台数
- 早くもナンバー1の座から陥落したダイハツ タント
- 健闘したスペーシア。やや物足りない状況のデイズ
- 1~3月の繁忙期に向けて、受注を貯め込んでいる軽自動車?
- 1~10位、トヨタ1強状態に歯止めがかからない!
- フィットの発売延期の影響で、フリード好調!
- 2019年12月新車販売台数ランキング 1位~10位
- ノート善戦するも、11~20位もトヨタ一色
- 2019年12月新車販売台数ランキング 11位~20位
- ゴーン逃亡騒動の影響? セレナ失速感あり
- CX-30好調! 人気SUVがしのぎを削る21~30位。
- 2019年12月新車販売台数ランキング 21位~30位
- ミニバン人気にかげり?
- 2019年12月新車販売台数ランキング 31位~40位
- 絶好調のデリカD:5。絶不調続くクラウン
- 2019年12月新車販売台数ランキング 41位~54位
大幅な落ち込みとなった12月の新車販売台数
自販連と全軽自協のまとめによる2019年12月の新車販売台数が発表された。登録車は22万6951台で前年の25万0879台に対して90.5%と大きめの落ち込みになった。
一方軽自動車は11万7924台で前年の14万7014台に対して80.2%にとどまり、登録車以上に大きな落ち込みだった。
早くもナンバー1の座から陥落したダイハツ タント
通称名(銘柄名)別の販売ランキングは別掲の通り。11月に、2年以上にわたって首位を独走していたN-BOXがタントに首位を奪われたが、12月はまた首位を奪回している。
11月に首位だったタントは、軽自動車の中でもN-BOXだけでなくスペーシアやデイズ系に抜かれて4位、総合ではカローラとライズに次ぐ6位にまで下がっている。
11月には販売キャンペーンを展開するなどして目標通りに首位に立ったのだろうが、そこで無理をしすぎた反動で12月の販売台数を落とす結果になっている。タントに限らずほかのメーカーでも、無理気味な販売キャンペーンで1か月だけは実績を残すものの、翌月以降に反動で悪くなるという例は過去にもいろいろある。無理は禁物だ。
健闘したスペーシア。やや物足りない状況のデイズ
2位はスペーシア。相当にゴツイ感じのフロントグリルなどが人気を集めているようで、安定した売れ行きを続けている。3位のデイズ系までが1万台を超える販売台数となった。
ただ、デイズに関していえば、2019年3月にフルモデルチェンジを受けたばかりでまだ1年を経過していないのに、前年比がわずかながらマイナスになっている。新型車効果がある時期のはずなのに、やや物足りない数字である。
1~3月の繁忙期に向けて、受注を貯め込んでいる軽自動車?
6位のタントに9位のムーヴ系を加え、トップ10の内5車種が軽自動車という結果だった。軽自動車が上位3車種を独占しているものの、これまでは4~5車種が上位に立つことが多かったから、12月は軽自動車の勢いがやや衰えたような感じになった。この状況が続くのかどうか。1月には、発表直後に生産が止まっていたホンダのN-WGNの生産・販売が再開されるので、その分が上乗せされるかもしれない。
また、1~3月は自動車販売業界最大の繁忙期。そのため、12月の受注をあえて登録せずに、インセンティブが大きくなる1月以降に持ち越すケースもある。こうした隠れた受注も一定数あるとみられるので、1月以降の販売台数に注目が集まる。
1~10位、トヨタ1強状態に歯止めがかからない!
トップ10の登録車は5車種、その内3位のカローラ、4位のライズ、7位のプリウス、8位のシエンタと4車種がトヨタ車で、トヨタ以外の登録車は10位にフリードがはいっただけだった。カローラは新型車になった高い評価を受けており、前年比も43.6%増と好調だ。
また、小型SUVの市場を拡大させたライズは本家(OEM元)のロッキーと合わせて好調である。9月に登録車で首位に立つなどしたシエンタはやや勢いが弱まっていた感じだが、それでもトップ10に入っているなら十分だろう。
フィットの発売延期の影響で、フリード好調!
フリードも前年比が10.9%増となったが、ホンダはフィットの発売が延期になったことから、取り敢えずフリードの販売に力を入れているようだ。そのフィットは前年比27.5%の1750台の販売にとどまった。残った在庫車を何とか販売した状況と見られるが、43位というランキングは、年間の販売ランキングでも首位に立ったことのあるフィットがいるべき位置ではない。
新型フィットは2020年2月に販売が予定されていることから、新車販売台数ランキングに大きな変動が起きそうだ。
2019年12月新車販売台数ランキング 1位~10位
1)N-BOX 16,865台(101.6%)
2)スペーシア 12,270台(101.0%)
3)デイズ 10,105台( 99.1%)
4)カローラ 9,186台(143.6%)
5)ライズ 9,117台(------ )
6)タント 8,081台( 82.4%)
7)プリウス 7,566台(107.2%)
8)シエンタ 7,279台( 80.6%)
9)ムーヴ系 6,981台( 75.6%)
10)フリード 6,520台(110.9%)
*( )内前年同月比
ノート善戦するも、11~20位もトヨタ一色
11位から20位までの車種もトヨタ車の強さが際立つ感じだ。
12位のルーミー、13位のRAV4、14位のアクア、17位のアルファード、18位のヴォクシー、20位のタンクと6車種をトヨタ車が占めている。RAV4やアルファード、ヴォクシーといった高額車が、このランクに入っているので、収益面でも大きなメリットになっている。
発売されてから日が浅いRAV4はともかく、モデルの新鮮さが薄れてきているような車種もしっかり販売しているのがトヨタの強さだ。ルーミーとタンクの姉妹車の両方が入っていて、合わせれば1万台を超える売れ行きである。
このランクに入ったトヨタ車以外の登録車は11位のノートだけ。2019年の販売台数が登録車でトップだったことを宣伝しているノートだが、さすがに息切れしてきた感じである。今年はフルモデルチェンジも予定されており、モデル末期が近づいているので、息切れも止むを得ないところである。
それにしても、トヨタ以外の登録車でトップ10に入ったのがフリードだけで、20位以内に入ったのがノートだけということは、20車種のうち18車種がトヨタ車か軽自動車という状況である。軽自動車を除いたらトヨタ車一色だ。
軽自動車は15位のミラ、16位のワゴンR、19位のアルトの3車種。いずれも安定した売れ行きといえるが、軽自動車の勢いがやや鈍ってきたことを感じさせるようなランキングである。
2019年12月新車販売台数ランキング 11位~20位
11)ノート 6,0318 ( 74.6%)
12)ルーミー 6,015台( 94.1%)
13)RAV4 5,759台(-------)
14)アクア 5,623台( 62.1%)
15)ミラ 5,427台( 63.5%)
16)ワゴンR 5,346台( 79.0%)
17)アルファード 5,183台(112.7%)
18)ヴォクシー 5,105台( 78.6%)
19)アルト 5,007台(108.9%)
20)タンク 4,695台( 85.5%)
ゴーン逃亡騒動の影響? セレナ失速感あり
21位から30位までにはいろいろな車種が入っている。トヨタ車は23位のヴィッツ、24位のCH-R、30位のノアの3車種だけになる。それでも3車種が入っているのは凄いということだ。
かつてトップ10に入ったことのあるセレナが21位。これも勢いが衰えてきた感じだが、ゴーンの逃亡騒動などが影響してブランドイメージが下がっていることもあるのかも知れない。
CX-30好調! 人気SUVがしのぎを削る21~30位。
このランクには、SUVが3車種入っている。24位のCH-R、25位のロッキー、27位のCX-30がそれで、新型車効果が一巡したCH-Rはともかく、新型車のロッキーとCX-30がそこそこの売れ行きである。ロッキーは姉妹車のライズが倍以上も売れているが、これは販売網の違いを考えたら仕方ないところ。むしろダイハツとしては健闘しているといえる。
CX-30はマツダ車としてトップの売れ行きだが、3200台レベルの台数をどう見るか。この先2~3カ月の売れ行きが注目されることになる。
ほかにスズキが軽自動車のハスラーとソリオの2車種、ホンダのステップワゴンとスバルのインプレッサもこのランクに入った。
2019年12月新車販売台数ランキング 21位~30位
21)セレナ 4,422台( 74.8%)
22)ハスラー 4,365台( 85.4%)
23)ヴィッツ 4,2283 ( 77.2%)
24)CH-R 3,577台( 76.9%)
25)ロッキー 3,514台(------ )
26)ソリオ 3,308台( 89.4%)
27)CX-30 3,226台(------ )
28)ステップワゴン 3,006台( 75.9%)
29)インプレッサ 2,989台( 62.2%)
30)ノア 2,982台( 76.8%)
ミニバン人気にかげり?
高い人気を得ていた5ナンバーミニバンだが、各社その人気にかげりが出ている。セレナと同様に、ヴォクシーやノア、ステップワゴンが軒並み前年比70%台という状況に陥っている。
全需が大きく落ちていることもあり、仕方のない面もあるものの、あれだけ人気だった5ナンバーミニバンが多きく販売台数を落としているのは、やはり増税の影響とみられる。
39位には、Bセグメントのコンパクトカーであるマツダ2が入っている。販売台数は2,144台。コンパクトカーなので、本来なら5,000台程度は売りたいクルマだ。非常に厳しい状況が続いている。
2019年12月新車販売台数ランキング 31位~40位
31)エスクァイア 2,963台(103.3%)
32)マツダ3 2,793台(------ )
33)ヴェゼル 2,660台( 73.6%)
34)キャスト 2,503台( 81.0%)
35)ヴェルファイア 2,287台( 76.7%)
36)スイフト 2,182台( 97.5%)
37)ジムニー 2,157台(126.4%)
38)パッソ 2,133台( 58.9%)
39)マツダ2 2,144台(------ )
40)eKワゴン系 1,945台( 68.8%)
絶好調のデリカD:5。絶不調続くクラウン
2020年度にフルモデルチェンジが予定されているエクストレイル。モデル末期とはいえ、販売台数ランキングでは42位と低迷中。日産の国内販売において、エクストレイルは収益面でも重要な役割をもつ基幹モデル。それだけに、フルモデルチェンジまでの間、どれだけ底力を発揮できるか日産の営業力が問われる状況になってきた。
そして、もはや絶不調状態から復活の兆しが見えないのがクラウン。前年比32.8%というのは異常事態ともいえる。セダン離れという状況下の中、今まで堅調な販売を唯一保っていたのがクラウン。現行モデルは価格が上昇し、売れ筋モデルは軽く500万円オーバー。こうなると、BMW3シリーズやメルセデス・ベンツクラスCクラスとほとんど同じ。グレードによっては、輸入車をはるかに上回る価格だ。お買い得感のある特別仕様車を設定するも苦戦中。クラウン離れが始まった?
販売台数こそ少ないものの、地味に絶好調なのがデリカD:5。大幅マイナーチェンジ後のモデルが好評で、前年比169.5%となった。悪路を走れるミニバンというユニークさと、今時のミニバン感あるデザインが加わり、ジワジワと存在感を増してきた。
<レポート:松下宏>
2019年12月新車販売台数ランキング 41位~54位
41)CX-8 1,822台( 61.5%)
42)エクストレイル 1,753台( 61.9%)
43)フィット 1,750台( 27.5%)
44)クラウン 1,687台( 32.8%)
45)ランドクルーザーワゴン 1,576台( 71.4%)
46)ハリアー 1,526台( 48.2%)
47)シャトル 1,491台( 63.9%)
48)フォレスター 1,428台( 62.5%)
49)デリカD:5 1,324台(169.5%)
50)ピクシス系 1,315台( 75.3%)
51)トール 1,229台( 43.5%)
52)ウェイク 1,199台( 61.8%)
53)リーフ 1,157台( 65.6%)
54)エブリイワゴン 1,040台( 86.2%)
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