トヨタ カローラクロス VS ホンダ ヴェゼル徹底比較評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び

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【対決】2022/10/04

トヨタ カローラクロス VS ホンダ ヴェゼル徹底比較評価

人気車故に、超長期納期が続くカローラクロスとヴェゼル。後悔しないためには?

 

トヨタ カローラクロスとホンダ ヴェゼルは、新車価格が200万円台と価格面でも魅力的なSUVだ。両車とも人気モデルで、コロナ禍における半導体不足や部品不足で超長期の納期になっている。

価格帯が同じ位なのだが、ヴェゼルはカローラクロスの1クラス下のBセグメントSUV。カローラクロスはCセグメントだ。

同じクラスではないが、価格帯が近いためカローラクロスとヴェゼルの燃費や走行面などを徹底比較した。失敗・後悔しないためのクルマ選びとして参考にしてほしい。

 

トヨタ カローラクロスの特徴

 

トヨタ カローラクロスは、カローラファミリーの一員。カローラファミリーは以下の車種で構成されている。

・スポーツ(ハッチバック)

・セダン

・ツーリング(ワゴン)

・クロス(SUV)

カローラクロスは、カローラファミリーの中で最も新しい2021年9月に登場した。

各モデルに共通しているのは、GA-Cプラットフォーム(車台)が採用されていることだ。ただし、カローラクロスのみ、リヤサスペンションにトーションビーム式となった。他のモデルは、ダブルウィッシュボーン式だ。

サスペンションの性能面では、ダブルウィッシュボーン式が勝るが、コストは高い。そこでカローラクロスは、あえてコストが安価になるトーションビーム式を採用。車両価格を安価に設定し、より買い得感を重視している。

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トヨタ カローラクロス
トヨタ カローラクロス

 

 

ホンダ ヴェゼルの特徴

 

2代目となるホンダ ヴェゼルは、2021年4月にデビューした。プラットフォームは、3代目と4代目フィットに使われたプラットームをベースに2代目ヴェゼル用に改良されたものだ。そのため、初代ヴェゼルとも基本的に同じプラットフォームで、ホイールベースなども共通だ。

このプラットフォームは、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用した。そのため、室内や荷室はクラスを超えた広さを誇る。

ハイブリッドシステムには最新1.5Lハイブリッドであるe:HEVを採用し、さらに燃費を向上させている。

もともと初代ヴェゼルは、スポーティさを前面に押し出したデザインだった。硬めのサスペンションで、背の高いSUVとは思えないスポーティな走りを得意とした。

しかし、2代目ヴェゼルは、重厚感や上質感があるラグジュアリー系SUVになった。

ホンダ ヴェゼル
ホンダ ヴェゼル

 

 

ライバル車は寄せ付けない、超低燃費性能を誇るハイブリッド車

1.燃費比較

カローラクロスの評価は 4.5

ヴェゼル評価は 4.0

ハイブリッド車の燃費性能と車重は以下の通りだ(双方FF車、WLTCモード)。

  燃費 車重
カローラクロス(1.8L) 26.2km/L 1,380~1,410kg
ヴェゼル(1.5L) 24.8~25.0km/L 1,350~1,400kg

 

ヴェゼルe:HEVより排気量が大きいカローラクロスハイブリッドの方が、燃費がよいという結果になった。トヨタのハイブリッドシステムは、敵無しといえる燃費値だ。

ハイブリッドの車重はほぼ互角。燃費差は、ハイブリッドシステムの差が直結している。

ちなみに、車体はカローラクロスハイブリッドの方が少し大きいのに、車重はヴェゼルe:HEVと同等だ。この要因は、ヴェゼルが少し古いプラットフォームを使っていることである。

 

ガソリン車の燃費性能は以下の通りだ(双方FF車、WLTCモード)。

  燃費
カローラクロス(1.8L) 14.4km/L
ヴェゼル(1.5L) 17.0km/L

 

ガソリン車の燃費性能は、さすがに排気量が小さいヴェゼルが大差を付けて勝っている。

カローラクロスの燃費値が物足りないのは、アイドリングストップ機能が付いていない点が大きな理由だ。実燃費に影響するので、後々後悔するかもしれないポイントだ。

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トヨタ カローラクロス
トヨタ カローラクロス

 

 

後悔しないコスパと戦略性の高いカローラクロス

2.価格比較

カローラクロスの評価は 3.5

ヴェゼルの評価は 3.0

価格は以下の通りだ。

  エントリーグレード 最上級グレード
カローラクロス(1.8Lガソリン車 全車CVT) 1,999,000円(FF、G Xグレード) 2,640,000円(FF、Zグレード)
カローラクロス(1.8Lハイブリッド車) 2,590,000(FF、Gグレード) 3,199,000円(E-Four、Zグレード)
ヴェゼル(1.5Lガソリン車) 2,279,200円(FF、Gグレード) 2,499,200円(4WD、Gグレード)
ヴェゼル(1.5Lハイブリッド車) 2,658,700円(FF、Xグレード) 3,298,900円(FF、PLaYグレード)

 

単純な価格帯比較では、ヴェゼルより1クラス上となるカローラクロスの安価さが際立つ結果となった。

トヨタ カローラクロスの価格は、かなり戦略的だ。1クラス下のヴェゼルまでもターゲットにしている。リヤサスペンションをダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式に変更してコストを下げたメリットが活きている。

ホンダ ヴェゼルe:HEVの最上級グレードであるPLaY(FF)の価格は、3,298,900円となかなか高価だ。対するカローラクロスハイブリッドZの価格は、2,990,000円だ。価格差は約31万円となっている。

ヴェゼルe:HEV PLaYに標準装備で、カローラクロスハイブリッドZには標準装備されていない代表的な装備は以下の通りだ。

  • ブラインドスポットインフォメーション(後側方から接近する車両を検知し警報を発する)
  • 後退出庫サポート(バックで出庫する際左右から接近する車両を検知して警報を発する)
  • ワイヤレス充電器
  • パノラマルーフ
  • VGS

逆にカローラクロスハイブリッドZに標準装備で、ヴェゼルe:HEV PLaYには無い大きな装備は、運転席パワーシート程度である。

その他若干の機能・装備差はあるものの、ヴェゼルe:HEV PLaYの装備はよい傾向にある。価格差である約31万円は、装備差相当といったところだろう。

驚きなのは、カローラクロスのガソリン車であるG Xグレードだ。ヴェゼルGグレードとの価格差は、約28万円になる。このグレードは、かなりコストパフォーマンスが高い。

装備は、かなりシンプルだ。充電用USB端子は無く、メーターもアナログだ。
しかし、歩行者検知式自動ブレーキなどの最低限の予防安全装備は標準装備されている。

価格と装備という面では、一部のグレードを除き、カローラクロスとヴェゼルは同等レベルといえる。

ただ、カローラクロスはヴェゼルより1クラス上のモデルであることを考えると、カローラクロスのコストパフォーマンスは高いといえそうだ。

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ホンダ ヴェゼル
ホンダ ヴェゼル

 

 

超長期の納期で値引きガードが堅いヴェゼル

 

3.購入時の値引き術

 

カローラクロスの評価は 3.0

ヴェゼルの評価は 2.5

トヨタ カローラクロスは、2021年9月に登場した。2022年5月現在、まだ新型車効果があり、本来なら値引きガードが堅い状態だ。ところが、すでに値引きガードが緩んでおり、15万円程度の値引きがすぐに提示される。交渉次第ではそれ以上の値引きも期待できるかもしれない。

これは、納期とも関係している。

2022年10月3日時点で、トヨタHP上ではカローラクロス(ガソリン車)の納期は6ヶ月以上。ハイブリッドは、ほぼ納期不明。納期までに下取車の車検切れになる顧客も多い。値引きは、納期の長期化に対するお詫びとしての意味もあるようだ。そのため、あまり高額な値引きも出ていない。

こうした状態なので、中古車相場が高騰している。なんと、最も高額なカローラクロスの中古車価格は450万円にも達しているほどだ。この高騰に目をつけ、納車されてすぐに売却する人もいるという。

さて、値引きだが、何の対策もせずに値引き交渉をすると、5万円前後の値引きとなる可能性が高い。そこで、他車の見積りを先に取ってから商談に臨むことを勧める。ヴェゼルを含む、マツダCX-30やMX-30などの価格帯の近いSUVが良いだろう。

大幅値引きのコツは「カローラクロスが本命ではない」と営業マンに勘違いさせることだ。「値引きすれば、カローラクロスを買ってくれるかも」と思わせれば一定の値引きが引き出せる可能性が上がる。

ライバル車の納期も商談材料にできる。「ライバル車の方が、納期が短い。長期間待つ分、もう少し値引き対応してくれないか?」と、ダイレクトに伝えてみるのもいいだろう。

対するホンダ ヴェゼルの値引きガードは、やや堅めだ。2021年4月に登場したモデルで、すでに1年以上が経過しているが、相変わらず販売は好調である。

しかし、納期の長期化はまったく解消されていない。最上級グレードのe:HEV PLaYは、2022年10月3日時点のホンダのHP上では、ガソリン車、ハイブリッド車共に半年以上となっている。また、ハイブリッド車の一部タイプ・カラーは、注文を一時停止している。

カローラクロスとは逆に値引き額は低く、10万円以上の値引きは難しいようだ。

この状態では、ヴェゼルの値引きアップの可能性は低い。仮に他のライバル車、カローラクロスやヤリスクロスなどと競合させたとしても厳しいだろう。

現金値引きだけでなく、用品値引きやサービスなどに切り替えるのもおすすめだ。

また、納期が短くなるまで値引きガードは緩くならない可能性が高い。値引きを重視するのであれば、納期が短くなるまで待つしかないだろう。

<レポート:大岡智彦

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