日産サクラvs中古日産リーフ徹底比較の目次
高価なサクラ。中古車高年式リーフと同価格帯に。お得なのはどっち?
日産サクラは、ハイト系軽自動車のEV(電気自動車)だ。最も身近なEVということもあり、新車販売は非常に好調。ボディサイズこそ軽自動車枠だが、上質な走りと質感を誇り、クラスを大幅に超えたモデルとなった。
ただ、サクラの価格は補助金を使ってもガソリン車の軽よりやや割高感があり、まだまだ高価なモデルでもある。
その一方で、中古の2代目日産リーフの中古車価格は、かなり買い得感が出てきている。高年式でも、サクラとほぼ同等といえる中古車価格となっている。中古車とはいえ、リーフの航続距離はサクラより大幅に長く、車格も上なので室内も広い。
こうした状況もり、新車の日産サクラか、それとも中古のリーフか、どっちがお得か徹底比較評価した。
軽の枠を超えた実力車
日産サクラの特徴
日産サクラは、2022年6月にデビューした新型の軽EV(電気自動車)だ。日産と三菱による軽自動車にかかわる合弁会社NMKVにより開発された。三菱eKクロスEVとは姉妹車関係となっている。
販売は絶好調だ。発表からわずか3週間で1.1万台以上を受注している。中でも最上級グレードのGは売り上げの61%を占める。ボディカラーは、ホワイトパールが21%と最も売れている。
サクラは、プラットフォーム(車台)などをハイト系のデイズと共用することでコストダウンし、手に届きやすい価格帯とした。
サクラの走行性能は、非常に高いレベルにある。加速性能に静粛性、ハンドリングなど、もはや軽自動車と比べても意味がないほど。航続距離も180kmあり、十分といえる。
長い航続距離を誇るリーフ
日産リーフの特徴
日産リーフは、2017年にフルモデルチェンジし2代目となった。
デビュー時のモデルは、駆動用リチウムイオンバッテリーの容量が40kWhだった。2019年にはリーフe+が投入され、容量は62kWhまで増やした。その後2022年には、上級モデルであるアリアとの価格差が近いため、e+のバッテリー容量を60kWhに減らし大幅値下げされた。
航続距離は、40kWh車が322km(WLTCモード)、62kWh車は458km(WLTCモード)、60kWh車が450km(WLTCモード)となった。
リーフe+の出力は、218ps&340Nmと非常にパワフル。豪快な加速力が魅力だ。
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航続距離は、リーフが圧勝
1.航続距離・電費比較
サクラの評価 3.5
リーフの評価 4.0
日産サクラ、リーフのバッテリー容量、航続距離、電費は以下の通りだ。(全てWLTCモード)
※リーフe+ 60kWhは中古車流通量が少ないので除外
バッテリー容量 | 航続距離 | 電費 | |
---|---|---|---|
サクラ | 20kWh | 180km | 9.0km/kWh |
リーフ | 40kWh | 322km | 8.0km/kWh |
リーフe+ | 62kWh | 458km | 7.4km/kWh |
日産サクラの航続距離は180kmと、やや短く感じるかもしれない。しかし、軽自動車の使われ方は、日々の通勤や送迎、買い物などがメインであり、180kmもあれば十分と言える。上手に使えば、ちょっとした遠出も可能だ。
リーフの航続距離は、40kWh車、62kWh車共に、とくに困ることがないレベルだ。
注意したいのは、電費である。より多くのバッテリーを積めば積むほど車重が重くなり、電費が悪くなる。普段は近距離中心の使い方をしている人が、62kWh車を選ぶと電費が悪くなり、電気代の出費も多くなり、車両価格も高くなるのだ。
普段の使い方をイメージして、最適なバッテリー容量のグレードを選ぶのがコツである。ファーストカーとしてフレキシブルに使いたいのであれば、リーフ40kWh車の航続距離322kmくらいがベストだろう。
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リーフ40kWh車、サクラと同等レベルの価格に!?
2.価格比較
サクラの評価 3.0
リーフの評価 4.0
サクラの新車価格は以下の通りだ。(国の補助金 55万円)
新車価格 | 補助金取得後の価格 | |
---|---|---|
S | 2,333,100円 | 1,783,100円 |
G | 2,940,300円 | 2,390,300円 |
リーフの価格は以下の通りだ。
【40kWh車】(国の補助金 78.6万円)
※中古車相場:40kWh車(2018年式) 約180~240万円(補助金なし)
新車価格 | 補助金取得後の価格 | |
---|---|---|
X | 3,709,200円 | 2,923,200円 |
G | 4,076,600円 | 3,290,600円 |
【60kWh車】(国の補助金 85万円)
※中古車相場:62kWh車(2020年式) 約300~350万円(補助金なし)
新車価格 | 補助金取得後の価格 | |
---|---|---|
e+ X | 4,225,100円 | 3,375,100円 |
e+ G | 4,805,900円 | 3,955,900円 |
国の補助金取得後の日産サクラの新車価格(約178万円~約240万円)と、リーフの中古車相場(2018年式 約180~240万円)はほぼ同じ価格帯になった。
最上級グレードであるGの装備で比較する。
サクラ | リーフ | |
---|---|---|
SOSコール、緊急停止支援システム | 標準装備 | なし |
プロパイロットパーキング | オプション | 標準装備 |
悩ましいのは、SOSコールや緊急停止支援システムの有無だ。もしものためにはあった方がよいシステムだが、この機能の優先順位が低いのであれば、リーフ40kWh車の航続距離322km(WLTCモード)が大きなメリットになる。
サクラの航続距離180km(WLTCモード)では足りないのでは? と、不安を感じているのなら中古のリーフがお勧めだ。
リーフの62kWh車は、中古車とはいえ高年式なので、中古車価格はまだまだ高価だ。サクラと比べても価格差は大きく選びにくいだろう。あと1~2年経てば、グッと選びやすい価格帯に入ってくると予想できるので、それを狙うのもありだ。
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新車リーフは大セール中!?
3.購入時の値引き術
サクラの評価 2.0
リーフの評価 4.0
日産サクラは、登場したばかりの新型車で、販売も好調だ。こうなると、値引き交渉は軽く断られることが確実だろう。
逆にリーフは大セール中だ。すでにモデル後期に入ったことや、上級EVのアリアとの価格差が近いため、価格の引き下げも行った。値引き額が大きいため、サクラで商談していた顧客が最終的にリーフを選択するということもあるという。
ただ、リーフも何もしなければ大幅値引きは勝ち取れない。EV同士ではなくとも、同じCセグメントのプリウスPHEVやプリウス、カローラスポーツなどと競合させるとよい。
中古リーフの場合、値引きは可能だが、新車のような大幅値引きはあまり期待できない。だがメーカー系中古車ディーラーであれば、値引きは引き出しやすい傾向にある。オークションを通さずに下取り車を仕入れていることが多く、利幅が大きいからだ。
また、大手中古車店で、買取りも行っているお店であれば、一定の値引きが引き出せる可能性がある。買取りと中古車販売がダブルでできれば、利幅も大きくなり値引きの原資となるからだ。
中古車であっても競合させることは重要である。同じような中古車価格の車両同士を、ディーラー系中古車店と一般中古車店で競合させるのがおすすめだ。
「同じ中古車は無い。商談している客がいる」などと引き留めようとするが、「同じような中古車はいくらでもある」という姿勢で臨むとよい。商談が進み、現金値引きが厳しい状態になった場合、中古車の有料延長保証やタイヤ交換などを条件にしてみるのもお勧めだ。
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デザイントレンド満載のサクラ
4.デザイン比較
サクラの評価 4.0
リーフの評価 3.0
日産サクラは、軽自動車のデイズがベースとしている。そのため、基本的なシルエットはガソリン車と同じだが、デザインはサクラ専用だ。車名が異なるのは、日産が積極的にEV戦略を推し進めているからだ。
サクラの外観デザインは、より多くの人に好まれるようなデザインとなった。大きめのフロントフェイスの顔に、大きなグリル風のデザインをプラスした。さらにフェイス上部には、薄型LEDヘッドライトをセットされている。
リヤには横一文字のコンビネーションランプが装備されている。最近のデザイントレンドを取り入れており、多くの人に受け入れられやすいデザインとなっている。
サクラのインテリアは、なかなかキレイにまとめられている。水平基調のダッシュボードはスッキリ感とワイド感を併せ持つ。9インチの大型ディスプレイをセンター上部に設置した。
メーターは7インチ。全体的な質感も高く、軽自動車とは思えないレベルに達している。
やや古さを感じさせるリーフのデザイン
対する日産リーフは、EV専用車ながら、一般的なガソリン車と同じような5ドアハッチバックスタイルだ。
リーフはEVなので、グリルを装備する必要性は無い。しかし、日産のデザインアイコンであるVモーショングリルを装備し、日産車であることをアピールした。あまり先鋭的なデザインだと、売れない可能性が高くなる。とはいえ、もう少し、ひと目でEVと分かるような攻めのデザインであってもいい。
2代目リーフは2017年にデビューし、プラットフォームは初代リーフからのキャリーオーバーだ。全体的なスタンスは同じであり、やや古さを感じるデザインとなってきている。
リーフのインテリアデザインも水平基調のデザインでオーソドックスにまとめられている。だがメーターの質感は、300万円以上のモデルとは思えないレベルだ。デビュー時のモニターサイズは7インチと平均的だったが、現在では小さく見える。
<レポート:大岡智彦>
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