新車トヨタ ヤリス VS 中古車トヨタ カローラスポーツ徹底比較 失敗・後悔しないためのクルマ選び

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【対決】2023/05/13

新車トヨタ ヤリス VS 中古車トヨタ カローラスポーツ

 

新車と中古車どっちがよい?

 

トヨタ ヤリスと、カローラスポーツは、同じコンパクトハッチバックだが、ボディサイズが異なる。ヤリスは、全長4m前後のBセグメントに属する。アクアやノートe-POWERなどが直接のライバル。

カローラスポーツは、Bセグメントよりひと回り大きい全長4.4m前後のCセグメントになる。ライバル車は、マツダ3やスバル インプレッサなどだ。

ボディサイズでは異なるクラスのモデルだが、カローラスポーツの高年式中古車価格が、新車ヤリスと同等レベルになってきている。中古車であれば、1クラス上のカローラスポーツが新車ヤリスと同等の価格乗れる。そこで、新車ヤリスと中古車カローラスポーツを徹底比較。カーボンニュートラル時代ということもあり、両車ハイブリッド車を選択。新車と中古車、どっちがよいか検証した。失敗・後悔しないクルマ選びの参考にして欲しい。

 

 

クラストップレベルの超低燃費性能とスポーティな走り

トヨタ ヤリスの特徴

トヨタ ヤリスは、2020年に登場したBセグメントのコンパクトカーだ。全長は3,940mm、全幅は1,695mmと、小さなボディながら機動性に優れたモデルだ。

ヤリスの1.5Lハイブリッドシステムは、高性能なリチウムイオンバッテリーを使用。最近のトヨタは、バイポーラ型ニッケル水素バッテリーを使うことが多い。これは、高出力化が可能になったことや、コストが安価だからだ。だが、性能面ではリチウムイオンバッテリーが上回る。その結果、姉妹車関係にあるアクアよりヤリスは燃費値で上回り、このクラスで世界トップレベルの実力を誇る。

超低燃費を実現したヤリスだが、走行性能はかなりスポーティだ。コンパクトカーらしくキビキビと楽しく走ることができる。

トヨタは、同じクラスにアクアも投入している。ヤリスが超低燃費性能とスポーティなキャラクターなのに対し、アクアは快適性や居住性など実用面を重視しており、上手く売り分けている。

トヨタ ヤリス
トヨタ ヤリス

 

 

上質な走りと気持ちよい走行フィール

トヨタ カローラスポーツの特徴

トヨタ カローラスポーツは、2018年に登場したCセグメントのコンパクトカーだ。カローラシリーズのリブランディング第1弾モデルでもある。ボディサイズは従来のカローラシリーズよりもひと回り大きくなり、スポーティで若々しいデザインとなった。

カローラスポーツはグローバルモデルらしく、全幅は少しワイドな1,790mmだ。狭い日本の道では、コンパクトカーとしてやや気になるサイズ感でもある。

パワーユニットは、1.8Lのハイブリッドシステムだ。ヤリスと同様、このクラスで世界トップレベルの超低燃費性能を誇る。

カローラスポーツの走行性能は、それほどパワフル感はない。しかし、軽快なハンドリングとしっとりとした落ち着いた乗り心地を誇る。上質な走りが魅力的だ。

トヨタ カローラスポーツ
トヨタ カローラスポーツ

 

 

両車、クラス世界トップレベルの超低燃費性能

1.燃費比較

ヤリスの評価 5.0

カローラスポーツ(デビュー時)の評価 4.5

トヨタ ヤリスと、トヨタ カローラスポーツの燃費は以下の通り(すべてWLTCモード)。

車種 燃費 排気量
ヤリス 35.4~36.0km/L 1.5L
カローラスポーツ 25.6~30.0km/L 1.8L

 

燃費値は、ヤリスが勝る結果となった。排気量の差が大きい。

ヤリスはスピーディで効率よく電気の出し入れができるリチウムイオンバッテリーを使い超低燃費を実現している。

対するカローラスポーツは、信頼性と安価なコストのニッケル水素を用いた。
カローラスポーツは2022年10月に最新の1.8Lハイブリッドシステムに変更し、燃費値は、27.2~30.0km/Lと向上した。

今回は中古カローラスポーツの評価なので、2018年デビュー時の旧1.8Lハイブリッドの燃費値で評価している。

両車共に非常に優れた燃費値だ。運転が上手ければ、郊外路である60km/h以下の速度で信号が少ない道では、カタログ値に近い実燃費を出せるほどの超低燃費性能だ。

トヨタ ヤリス
トヨタ ヤリス

 

 

新車価格の80%以下なら買い得感あり!?

2.価格比較

ヤリスの評価 3.0

カローラスポーツ(デビュー時)の評価 4.0

トヨタ ヤリスの新車価格は以下の通り。

・ハイブリッドX(FF)2,013,000円~ハイブリッドZ(4WD)2,548,000円

トヨタ カローラスポーツの中古車相場は以下の通り。

・約180~260万円(2019年式)

2019年式のトヨタ カローラスポーツは、新車価格の約74~97%にまで価格を下げている。新車価格の80%以下であれば、まずまずの買い得感といえるだろう。

お勧めである最上級グレードのGZの場合、中古車相場は約200~260万円だ。装備にもよるが、約220万円以下が買い得感のある目安となる。このGZにサスペンションの設定を変更できるAVS、後側方車両接近警報のブラインドスポットモニターなどのオプションが装備されていればベストだ。

仮に220万円でGZグレードが買えると仮定すると、ヤリスの最上級グレードZ(235万円)よりも安価になる。装備はカローラスポーツが上回り、室内スペースもかなり広い。こうなると、2019年式中古カローラスポーツが魅力的に見えてくる。カローラスポーツは現行車なので、古さを感じさせない。

トヨタ カローラスポーツ
トヨタ カローラスポーツ

 

 

ライバル車と比較して値引きを引き出す

3.購入時の値引き術

ヤリスの評価 3.0

カローラスポーツの評価 2.5

トヨタ ヤリスは2020年にデビューし、すでに2年以上が経過している。しかし、あまり大幅値引きはされておらず、普通に商談した場合15万円前後の値引きになるケースが多いようだ。

大幅値引きを引き出すためには、ライバル車と競合させることが重要だ。
ヤリスのライバル車は、フィットとノートだ。先にライバル車の見積りを取ることで、「本命はライバル車では?」と、営業マンに思わせる作戦である。一定の値引きを提示しないと、顧客が逃げると勘違いさせたい。

営業マンが、ライバル車の値引額について探りを入れてきた場合、「50万円位!」と大げさに伝えながら「他の営業マンには、値引き額を教えないでほしいと言われている。かなり頑張ってくれた」と答えるといい。こうした駆け引きで、最初から一定以上の値引きを引き出したい。

中古車は全般に、新車ほど大幅値引きされることはない。ただ、何もしないと値引きゼロになる。中古車であっても、新車と同様に競合させることが重要だ。中古車の場合、車種を問わず同じ価格帯のクルマ同士を競合させたい。

センスのない営業マンは「他にも商談している。早い者勝ちです」などと、値引きしないだけでなく、焦らせて即決させるように駆け引きしてくる。

こうした営業マンには交換条件を出すと良い。他店で似たようなクルマを買うことを示唆したり、即決する代わりに値引き交渉するなどの方法がある。

そもそも、必要以上に即決を迫ってくるようなお店で買うのはお勧めしない。

トヨタ ヤリス
トヨタ ヤリス

 

 

両車、ひと目で分かるスポーティ系デザイン

4.デザイン比較

ヤリスの評価 3.5

カローラスポーツの評価 4.0

トヨタ ヤリスのデザインコンセプトは「B-Dash!」だ。大胆(BOLD)に、活発(BRISK)に、そして美しく(BEAUTY)。その頭文字「B」に加えて鋭い加速で、弾丸のようにダッシュ! するようなデザインが採用された。

全体的なシルエットは、小さなボディながら安定感がある。大きく下方に行くほどワイドに広がるグリルや、グッと張り出したリヤフェンダーなどにより、視覚的に重心を下げている。

ツリ目で睨みの効いたヘッドライトデザインは、精悍なスポーティさを表現している。コンパクトカーながら迫力もある。かなり男性的なデザインなので、女性からやや敬遠されそうだ。

 

カローラスポーツは、トヨタ独自のキーンルックというデザインが採用された。台形形状の大型ロアグリルにアッパー部を合わせたもので、立体的な造形が特徴だ。

ヘッドライトまわりは、彫の深い立体的な造形になっている。エッジを効かせてスピード感を表現した。

リヤ周りのデザインは、1,790mmの全幅が効いている。リヤフェンダー上部はやや盛り上がっており、安定感と力強さを表現している。ワイド感をアピールするリヤコンビネーションランプ周りのデザインも秀逸だ。グラフィックもひと目でカローラスポーツと分かり、スポーティで個性的である。

ボディが大きい分、デザインの自由度が大きいこともあり、ヤリスよりスタイリッシュに見える。

トヨタ カローラスポーツ
トヨタ カローラスポーツ

 

 

室内の広さはカローラスポーツ。使い勝手はヤリス

5.室内空間と使い勝手

ヤリスの評価 3.0

カローラスポーツの評価 3.5

トヨタ ヤリスのメーターは、トヨタ初となるフードレス双眼デジタルTFTメーターを採用した。スポーティで視認性もよい。

ヤリスのインパネは、ソフト素材を使い質感を高めている。

対するカローラスポーツは、7インチディスプレイを中央に配し、水平基調のデザインで広さをアピールした。

外観デザインと同様に、エッジの効いたスポーティなデザインにまとめられている。シフトノブ部分は、シンプルなデザインだ。少し物足りなさも感じる。

室内の広さでは、ボディサイズの大きなカローラスポーツが勝る。運転席横方向と後席の足元の広さは大差がついた。

逆にヤリスはボディサイズが小さいぶん、機動性に優れている。ヤリスの最小回転半径は4.8~5.1m、カローラスポーツは5.1~5.3mだ。最小回転半径の差は、0.2~0.3mとなっている。これだけ差があると、狭い駐車場での取り回しはヤリスが便利といえる。

ボディサイズは、ヤリスが1,695mm、カローラスポーツは1,790mmだ。コンパクトカーだが、幅の広いカローラスポーツは、狭い道のすれ違いで少し気を使う。

トヨタ ヤリス
トヨタ ヤリス

 

 

高い予防安全装備のヤリス。平均レベルの中古カローラスポーツ

6.安全装備の比較

ヤリスの評価 4.0

カローラスポーツの評価(デビュー時) 3.5

トヨタ ヤリスとカローラスポーツには、それぞれトヨタの予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」が標準装備されている。名前は同じだが、機能は異なるので注意が必要だ。

ヤリスと、デビュー時モデルのカローラスポーツに装備されている歩行者検知式自動ブレーキで認識できるものを比較した。

対象 ヤリス カローラスポーツ
昼夜の歩行者
昼間の自転車
右左折時の歩行者 ✕(改良後〇)
右折時の対向車 ✕(改良後〇)

 

カローラスポーツは、2022年10月の改良で、ヤリスと同じく右左折時の歩行者と右折時の対向車も認識可能なった。

さらに、運転支援機能PDA(プロアクティブ・ドライビング・アシスト)が追加されている。これは歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないよう、ドライバーのステアリング・ブレーキ操作をサポートする機能だ。改良後のカローラスポーツは、機能面ではヤリスを超えている。

ただ、両車ともに多くのローテク予防安全装備がオプション設定なのが残念だ。(車線変更時など後側方から接近する車両を検知し、警報を発するブラインドスポットモニターなど。)

新車ヤリスの場合、オプションで装備すれば問題は無い。だが中古車カローラスポーツの場合、装着モデルか確認が必要な上、装着台数が少ないので探すのに苦労するだろう。

トヨタ カローラスポーツ
トヨタ カローラスポーツ

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走行性能は、ほぼ互角。乗り心地はカローラスポーツの圧勝

7.走行性能の比較

ヤリスの評価 4.0

カローラスポーツの評価(デビュー時) 4.0

トヨタ ヤリスと、トヨタ カローラスポーツ(デビュー時)のシステム出力と排気量は以下の通りだ。

車種 システム出力 排気量
ヤリス 116ps 1.5L
カローラスポーツ 122ps 1.8L

 

ヤリスとカローラスポーツの排気量は異なるものの、システム出力は同等レベルだ。しかし車重はヤリスが300kg前後も軽いので、加速力はヤリスが勝る。ヤリスのシステム出力こそ控えめだが、パワフルな走りが魅力だ。

カローラスポーツのシステム出力も控えめだ。力強いとはいえないが、必要十分な出力といえる。

2022年10月の改良モデルでは、1.8Lハイブリッドシステムが最新式に変更された。システム出力は、140psと大幅に向上し、力強い走りを実現した。

ヤリスのハンドリングは、かなりシャープだ。リヤシート下に大きく重いリチウムイオンバッテリーを搭載したことで、前後重量バランスもよく、まるでスポーツカーのようにグイグイ曲がる。サスペンションも硬く締められていて、路面の凹凸を容赦なくドライバーに伝える。だが、車体が跳ねてアクセルが踏めないというレベルではないので、安定感は高い。

カローラスポーツは、ヤリスほどでクイックなハンドリングではない。だが、ステアリング操作に対する反応はよく気持ちよく走れる。

大きく重いニッケル水素バッテリーをリヤシート下に搭載したのはヤリスと同様だ。前後の重量バランスがよく、安定してカーブを走り抜ける。

カローラスポーツの乗り心地は、しなやかさが際立つ。低速域での細かいゴツゴツ感も上手く吸収し、フラットで快適な乗り心地だ。

最上級グレードにオプション設定されたAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム)装着車は、特にお勧めしたい。サスペンションの硬さやエンジン制御などを5段階に変更することが可能で、走行シーンに合った走行モードが選択できる。より走る楽しさが味わえる。

<レポート:大岡智彦

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