ガソリン車はもう売れない? 激安価格のハイブリッド車のみで勝負!【トヨタ カムリ ハイブリッド新車情報】 [CORISM]
セダンが売れないマーケット。ハイブリッド車のみの割りきった展開
驚くべきことは、特殊な日本マーケットを背景に新型トヨタ カムリは、なんとハイブリッド車のみでの登場となった。新型カムリは、すでにアメリカで発表。アメリカでは、ハイブリッドの他に2.5L直列4気筒エンジン、3.5L V型6気筒エンジンなども搭載。また、その他の国では、各国の事情に合わせ多様なエンジンが用意されている。日本以外では、色々なパワーユニットを用意する新型カムリだが、日本仕様がハイブリッドしか用意されないのは、ガラパゴス化した特殊なマーケットゆえの結果とも言える。
デザインは、水平基調のメッキグリルや切れ上がったシャープなヘッドライトにより、フォーマルでありながらスポーティなフェイスまわりを創り出している。このデザインは、ハイブリッドの低燃費化に貢献するために、徹底的に空力特性を磨き上げCd値0.28という高い空気抵抗係数を実現した。
この空力デザインは、フロアのフラット化だけでなくホイールまわりの整流効果を高めるために、タイヤ周辺にエアロコーナーを設置。上部のグリルを小型化し下部を大型化。これにより、スムースに空気を流し空気抵抗を低減するアンダープライオリティというデザインの考え方も取り入れられている。
さらに、F1のテクノロジーを導入。ドアミラー付け根部分にボルテックスジェネレーターと呼ばれる渦発生装置を装着。このエアロスタビライジングフィンを使うことで、操縦性や走行安定性まで向上させている。新型カムリには、そんな最先端の空力デザインが取り入れられているのだ。
排気量アップでも、旧2.4Lよりも低燃費な新開発2.5Lハイブリッドシステムを搭載!
こうなると、ガソリン車を出したところで売れ筋となる2.5L直4だとマークXともカニバリが発生する上に、価格にもよるがマークXがV6で全幅も1795mmと使い勝手もいいことから、カムリが売れるとは思えないので、ハイブリッドだけでのデビューというのも十分に納得がいく。
この新型カムリが高い低燃費性能を達成できたのは、効率を高めた新開発の2.5LエンジンやアトキンソンサイクルとクールEGR(排出ガス再循環)による。また、エンジンの振動を抑制するバランスシャフトを採用。高級車らしい振動のない静かな空間をになった。
ハイブリッドの価格破壊か? 304万円からの激安価格!
冷え切ったセダンマーケットはいえ、低燃費志向はこれかもドンドンと加速するだろう。そういう意味では、このクラスの中でのセダンとして新型カムリハイブリッドは圧倒的な燃費性能をもっているので、燃費志向のユーザーにとって選択肢の中心になる。最近では、VWパサートなど低燃費の輸入車も増えているし、VWの価格も国産車に近い価格になってきていて、パサートの価格は324万円からだ。輸入車に関しては、セダンマーケットが中心。多くのセダンユーザーが輸入車へシフトしていることも十分に考えられる。そんな影響も304万円という価格に表れていると考えても当然だろう。ハイブリッド化して、価格も抑えることで、国内セダンマーケットの輸入車への流失を防ぐという役割もある。
では、ライバルである輸入車セダンと新型カムリハイブリッドを比べる場合に重要なのは、燃料なのだ。カムリハイブリッドの燃料はレギュラーガソリン。輸入車はハイオク仕様になる。このため、実燃燃費がハイブリッドに近いといっても燃料代で差がさらに広がる。あとは、価格差と走りの違いをどう評価するかが大切。
どちらにしても、こんな競争は大歓迎。とくに、価格が下がった新型カムリハイブリッドの登場で、セダン選びの幅は一段と広がった。
代表グレード | トヨタ カムリ ハイブリッド |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4825×1825×1470mm |
車両重量[kg] | 1540kg |
総排気量[cc] | 2493cc |
システム全体最高出力[ps(kw)/rpm] | 205ps(151kW)/5000rpm |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
10・15モード燃費[km/L] | 26.5km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[万円] | 304万円 |
発売日 | 2011/09/05 |
レポート | 編集部 |
写真 | トヨタ |
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