新型マツダ アクセラ スカイアクティブX(SKYACTIV X)搭載プロトタイプ試乗記・評価 ガソリンエンジンにこだわるマツダ! 世界最高効率を目指すスカイアクティブXを試す!
新型マツダ アクセラ スカイアクティブX搭載車の目次
- 理想の超低燃費技術HCCIを独自の技術をプラスし実用化を目指すマツダのSPCCI
- スカイアクティブ技術を満載にした次期新型アクセラプロトタイプの実力は?
- 東京モーターショーに登場したマツダ 魁 CONCEPT(マツダカイコンセプト)は、次期新型アクセラ!?
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■理想の超低燃費技術HCCIを独自の技術をプラスし実用化を目指すマツダのSPCCI
マツダが掲げたSKYACTIV(スカイアクティブ)は、パワートレーンやプラットフォームなどの新技術を総称したものである。
8月にマツダはスカイアクティブの次世代技術となる「スカイアクティブX(エックス)」を発表した。これはガソリンエンジンの圧縮自己着火を制御する技術だ。
ガソリンを燃料にするエンジンの多くは、シリンダー内の混合気にスパークプラグの点火で爆発を起こし、ピストンを動かす。これに対しHCCI(予混合圧縮着火)と呼ばれるエンジンは、スパークプラグを使わないで、ディーゼルエンジンのように混合気に高い圧力をかけて自己着火させる。ディーゼルエンジンと同じように超希薄燃焼が可能になるから、燃費がよくなるのだ。
ただし、圧縮自己着火は、スイートスポットが狭く、異常燃焼に陥ることが多い。そこでマツダは点火プラグを使って着火タイミングの精密な制御を実現した。これがマツダの新燃焼技術、SPCCIである。SPCCIとは、SPark Controlled Compression Ignitionの略だ。
また、「スカイアクティブビークルアーキテクチャー」と呼ぶ新型プラットフォームや、軽量高剛性のボディ、新世代サスペンション、シート、タイヤなどを開発していることも発表した。
■スカイアクティブ技術を満載にした次期新型アクセラプロトタイプの実力は?
ステアリングを握ったのは、現行のアクセラ(マツダ3)のボディに、開発中のスカイアクティブXを搭載したプロトタイプだ。
パワーユニットは、リーンバーンから圧縮自己着火へと進化させた1997㏄の直列4気筒DOHCガソリンエンジンである。これに、ルーツ式のスーパーチャージャーを組み合わせた。
試乗したプロトタイプは、ヨーロッパでポピュラーな95オクタンのガソリンを使っている。が、91オクタンのレギュラーガソリンのほうがスカイアクティブXと相性がよく、燃費もドライバビリティもいい、と聞かされビックリした。
現行のPE-VPR型エンジンと比べると応答レスポンスは鋭い。また、実用域のトルク感も満足できるものだ。全域で軽やかに回り、スムースに回転を上げていく。アクセルを積極的に踏み込んでも燃費の悪化は少ないようだ。1000回転から5000回転あたりまで、良好な燃費を維持し続ける。だが、アクセル操作と回転域によってはちょっとトルクの落ち込みを感じる場面もあった。
■東京モーターショーに登場したマツダ 魁 CONCEPT(マツダカイコンセプト)は、次期新型アクセラ!?
静粛性も良好だ。遮音対策を徹底し、音色にも気を使っている。回転を上げていってもエンジン音は耳障りでない。目標とする最高出力は2.0Lで190psである。
だが、高回転のパンチ力と伸びは今一歩の印象だった。現行エンジンとのパワー差はそれほど大きくないし、刺激も薄い。もう少しドラマチックなほうが、このエンジンの魅力を訴求しやすいだろう。
6速ATはレスポンス鋭く滑らかにつながる。しかし、Cセグメントのファミリーカーも最近は7速や8速ATが主流だから、多段ATが欲しいところだ。6速MTは小気味よい変速を楽しめた。
だが、これもクラッチペダルの踏力加減やストロークなどとの調和がとれていない。また、クラッチ操作のときにシート前端の盛り上がりが太もも裏に当たるのも気になる。今後の熟成と進化に期待したい。
ハンドリングは軽快感に加え、安心感を増している。意のままに気持ちよくクルマが向きを変え、扱いやすかった。ボディやサスペンションの剛性が高いだけでなく、振動やノイズの侵入も抑えられている。
ただし、リアサスペンションがトーションビーム式になり、タイヤメーカーも変わった。まだ煮詰まっていないようで、バランス感覚と乗り心地は今一歩だ。
東京モーターショーのマツダブースには、魁(カイ)コンセプトと名付けられたCセグメントの5ドアハッチバックが展示され、その隣にはスカイアクティブXの試作エンジンが並べられていた。この魁コンセプトこそ、次期新型アクセラなのだろう。正式市販まで残り1年あまり、今後の熟成に期待が膨らむ。
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