最高価格は1500万オーバー。性能を考えれば激安だが……
先ごろ行われたマイナーチェンジでは、ユーザーのニーズに合わせてチョイス可能なバリエーションを揃えた。「Pure edition」「Black edition」「Premium edition」「Spec V」といった既存モデルを進化させながら、新たに「Club Track edition」や「EGOIST」といった、新グレードをラインアップに追加している。では、マイナーチェンジでGT-Rが選びやすくなったのかといえば、決してそんなことはない。ベースグレードのPure editionですら869.4万円と高価なうえに、専用チューニングのエンジンを搭載したハイエンドモデル、Spec Vともなれば1575万円。オーダーメイド感覚で自分好みの仕様に仕上げられるEGOISTも1500万円をオーバーする価格設定なのだ。500psの大台を突破した(530ps)ハイパフォーマンスカーが、900万円以下の値段で買えるだから、むしろ激安といえるのだが、実際問題、そう簡単に手を出せる価格じゃなのも事実。
リセールバリューは予想外の低迷。日本を代表するスーパーカーGT-Rの中古車は今が買い!
そんなGT-Rの中古車市場に異変が起きつつある。リセールバリュー(下取り価格)が低迷しているのだ。発売当初はプレミアムがつくほど沸騰した人気が嘘のように。
いつの時代もGT-Rは中古車市場で高い人気を誇ってきた。3年後のリセールバリューは70%台をキープし、中古車価格も高く維持できていたのだ。ところが、中古車販売のガリバーインターナショナル自動車研究所調べによると、現行モデルでは主力グレードのPremium editionで、3年後のリセールバリューは51%~57%ほど。現行型は高価になりすぎてしまったことで、中古車の価格が伸び悩んでいる。人気車ではあるが、中古で1000万円近くするのではユーザーも敬遠してしまう。最新技術の結晶であるスーパーカーであることを考えれば、決して高いとはいえないのだが、不況下ということもあり厳しい状況だ。
となると、GT-Rを諦めかけていたユーザーにもチャンスは巡ってくる。リセールバリューが低ければ、中古車価格はこなれてくること必至なのだ。
スポーツカーの中古車なんて、前オーナーが手を入れすぎてガタガタになってるんじゃないの? と思うかもしれないが、現行GT-Rの場合、一概にそうとは言い切れない。というのも、GT-Rにはメーカーによって極めて厳格なメンテナンス体制が敷かれているからだ。GT-Rのメンテナンスは、認定メカニックのいる「ハイパフォーマンスセンター」に限られる。タイヤやエンジンオイルの交換など細部まで徹底して管理され、純正以外のパーツを装着した場合は保証の対象外となるほど。こういった過剰ともいえる対応には賛否両論あるのだが、コンディションは良好なものが多いと考えていい。
日産はGT-Rの中古車の価格維持のため、認定中古車制度に力を入れている。最新のGT-Rに近いパフォーマンスを発揮できるパフォーマンスキットなどを発売し、そういったパーツが使われ、一定の基準をパスしたGT-Rには、高い査定金額を提示するなど独自の中古車の価格維持を行っている。ただ、この評価の対象外となるGT-Rもあるので、全体の相場をさらに下がる傾向がでてくるかもしれない。対象外となったGT-Rは、中古車買取店などではリスクを取って高価買取することができなくなり、当然中古車になれば安い価格で流通する可能性がある。日産の基準外だからといって、程度が悪いということではないのにもかかわらず・・・。
そういった流れが起きれば、さらにGT-Rの中古車はお買い得感が増すはず。GT-Rは憧れであって実際に買えない、と半ば諦めかけていたファンには実際にGT-Rを手にすることができるチャンスでもある。GT-Rは中古車になっても注目だ。
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■日産 GT-R、認定中古車制度を改定 〜対象車を5年落ち・走行10万キロまで拡大〜[2010.12.02/CORISM]
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