【メルセデス・ベンツ Sハイブリッド ロング 試乗評価】高級なのにエコ! 輸入車初のハイブリッドカーの走りを試す
【メルセデスベンツ】2009/10/04
輸入車初のハイブリッドカーでエコカー減税も適用し高評価!
リヤコンビランプはLEDタイプを採用。視認性に優れているだけではなく、消費電力が少ないおかげで省燃費にも役立っている。
メルセデス・ベンツ Sクラスがマイナーチェンジを受けるとともに、新たにロングボディ車にS400ハイブリッドを設定した。輸入車としては初めてのハイブリッド車(スマートのアイドリングストップ車のときにもマイクロハイブリッドと言っていたが)で、エコカー減税の対象になるため購入時に自動車取得税と自動車重量税が課税されない。輸入車でエコカー減税に適合するクルマは初めてだ。
ハイブリッドシステムそのものは電気モーターをアシストとして使うマイルドハイブリッドで、モーターやハイブリッド車として初採用のリチウムイオン電池、コントロールユニットなどを合わせて75kgという軽くてコンパクトなシステムとされている。S400ハイブリッドの10・15モード燃費は11.2km/Lで、S350に比べると30%ほど向上していると評価する。
ハイブリッドシステムそのものは電気モーターをアシストとして使うマイルドハイブリッドで、モーターやハイブリッド車として初採用のリチウムイオン電池、コントロールユニットなどを合わせて75kgという軽くてコンパクトなシステムとされている。S400ハイブリッドの10・15モード燃費は11.2km/Lで、S350に比べると30%ほど向上していると評価する。
LEDを採用したライトなど専用アイテムが満載
外観デザインは、ランプ回りにLEDが使われるようになったのが大きな特徴。ヨーロッパではデイタイム・ランニング・ライトとしてLEDランプを使う例が増えているが、今回のSクラスもヘッドランプ下とバンパー部分にLEDランプを備えている。
フロントではグリルのデザインがより立体感のあるものとされるのと同時に、バンパー部分にクロームメッキのトリムが追加されて高級感を高めている。
リヤのコンビネーションランプも50個以上の LEDを使ったランプに変更されており、特徴的なリヤビューを作っている。テールパイプがバンパーに組み込まれた形状になっているのもリヤビューの特徴だ。
フロントではグリルのデザインがより立体感のあるものとされるのと同時に、バンパー部分にクロームメッキのトリムが追加されて高級感を高めている。
リヤのコンビネーションランプも50個以上の LEDを使ったランプに変更されており、特徴的なリヤビューを作っている。テールパイプがバンパーに組み込まれた形状になっているのもリヤビューの特徴だ。
Sクラスのロングボディをベースにしている。専用のライト類やバンパーなどにより、さりげなく標準車との差別化が図られている。
ロングボディということで存在感は非常に高い。テールパイプがバンパーに埋め込まれているのがSハイブリッド ロングの特徴だ。
大きなフロントグリルが、いかにも高級サルーンらしい存在感の高さを感じさせてくれる。メッキの質感も高く、上質さは文句なしのレベルだ。
専用メーターなどでエコドライブをアシストが評価
インテリアは使用される天然素材なども厳選されたものばかりで、高級感はたっぷり。ハンドル位置は今のところ左のみの設定だが、日本での使い勝手は右ハンドルの方が有利なので早い時期に追加導入してもらいたいもの。
運転席に乗り込むと、メーター内にハイブリッドシステムの作動状況を示す図が表示されている。これは切り換えることが可能な表示だが、通常のガソリン走行時には白い線と矢印で、ブレーキを踏んで回生するときには緑色の線と矢印で、アクセルを踏み込んでモーターがアシストするときには赤の線と矢印で、作動状況が示され高評価する。
インテリア回りでは、シートが変更され、より立体的なデザインのシートが新採用されている。ヒーター付きであることやベンチレーション機能を持つことなどは従来と変わらない。オプションでラグジュアリーシートパッケージを選択すると、ドライビングダイナミックシートやマッサージ機能などが装備される。
インテリア回りでは、シートが変更され、より立体的なデザインのシートが新採用されている。ヒーター付きであることやベンチレーション機能を持つことなどは従来と変わらない。オプションでラグジュアリーシートパッケージを選択すると、ドライビングダイナミックシートやマッサージ機能などが装備される。
ロングボディということもあり、リヤシートはとても広々している。大柄な男性でも余裕で足が組めるほどで、ショーファードリブンとして最適だ。
シートは座り心地も良く、それでいて横方向のサポートもしっかりしている。長時間のドライブでも疲れにくくとても快適だ。
メーターは文字盤も大きく、非常に見やすい。スピードメーター中央にはハイブリッドシステムの作動状況などを表示させることができる。
快適&安全装備のレベルは文句なし!
夜間ドライブのときに室内装飾となるアンビエントライトは、オレンジ、ホワイト、ブルーの3色に切り換えが可能になった。またカーナビなどの COMANDシステムは地上デジタル放送対応チューナーを組み込んだ。
安全装備は先にEクラスに採用されたレーンキーピングアシスト、アダプティブハイビームアシスト、アテンションアシストなどが標準装備された。ナイトビューアシストプラス(オプション)は歩行者を強調表示するものになった。
安全装備は先にEクラスに採用されたレーンキーピングアシスト、アダプティブハイビームアシスト、アテンションアシストなどが標準装備された。ナイトビューアシストプラス(オプション)は歩行者を強調表示するものになった。
メモリー機能付きのパワーシートの調整スイッチは、メルセデス・ベンツの伝統にのっとりドアトリムに設置されている。
リヤシートももちろん電動調整式だ。オーディオのボリューム調整などもこのスイッチパネルで行なえる。
あえてシンプルなハイブリッドシステムを採用したため、トランクスペースは犠牲になっていない。容量は十分で、かなり大きな荷物も積み込める。
ハイブリッドシステムはあえてシンプルなものを採用
メルセデス・ベンツでは今回Sクラスに採用したマイルドハイブリッドのほかに、GMやBMWと共同開発しているフルハイブリッドもあるが、Sクラスにはマイルドハイブリッドを採用した。アメリカで発売したML450ハイブリッドにはフルハイブリッドが採用されている。車種や市場に応じて最適のハイブリッドシステムを投入していく考えだ。
S400ハイブリッドの搭載エンジンはV型6気筒3.5リッターで、より効率の高いアトキンソンサイクルを採用したエンジンとされている。これに20ps(15kW)/16.3kg-m(160N・m)のパワー&トルクを発生する電気モーターが追加されている。
エンジンとトランスミッションの間に設定されたモーターは、加速時のパワーアップに使われるほか、減速時には回生ブレーキによる発電機として使われ、さらにアイドルストップにも貢献する。これらの合わせ技によって燃費を向上させているわけだ。
S400ハイブリッドは走行中は基本的にエンジンで走っている。発進時や加速時にアクセルを踏み込んだときにモーターの力が加わってブースト機能が働く仕組みだ。ただ、このブースト機能は1回当たり最大でも5秒間に過ぎない。アクセルを踏み込んだ瞬間の燃費が悪化するタイミングをモーターで補おうという発想で作られている。
なので、実際に運転してみると、もうちょっと加速時間を長くしたいと感じる部分もあるが、リチウムイオン電池の搭載量と価格などとの関係で、こうした設定になったようだ。
S400ハイブリッドの搭載エンジンはV型6気筒3.5リッターで、より効率の高いアトキンソンサイクルを採用したエンジンとされている。これに20ps(15kW)/16.3kg-m(160N・m)のパワー&トルクを発生する電気モーターが追加されている。
エンジンとトランスミッションの間に設定されたモーターは、加速時のパワーアップに使われるほか、減速時には回生ブレーキによる発電機として使われ、さらにアイドルストップにも貢献する。これらの合わせ技によって燃費を向上させているわけだ。
S400ハイブリッドは走行中は基本的にエンジンで走っている。発進時や加速時にアクセルを踏み込んだときにモーターの力が加わってブースト機能が働く仕組みだ。ただ、このブースト機能は1回当たり最大でも5秒間に過ぎない。アクセルを踏み込んだ瞬間の燃費が悪化するタイミングをモーターで補おうという発想で作られている。
なので、実際に運転してみると、もうちょっと加速時間を長くしたいと感じる部分もあるが、リチウムイオン電池の搭載量と価格などとの関係で、こうした設定になったようだ。
3.5リッターのV6エンジンはアトキンソンサイクルを採用するなど、ハイブリッド用に設計し直されたもの。これにモーターのアシストが加わり、S350よりも約30%燃費が向上している。またハイブリッドのシステム自体も非常にコンパクトにまとめられている。
ほとんど違和感のない自然な走行フィール
ブレーキは軽く踏んだ状態では回生ブレーキだけが働き、少し強めに踏むと回生ブレーキと油圧ブレーキが併用され、思い切り踏み込んだときには油圧ブレーキのみが作動する。回生ブレーキに油圧ブレーキが加わる瞬間などにはわずかな違和感を感じるシーンもあったが、全体的には自然なフィールだった。
アイドルストップ機能は車速が15km/h以下に落ちた段階で働き始める。ブレーキを緩めるとすぐにエンジンが始動するが、振動や騒音をほとんど感じさせないので、タコメーターを見ていないとそれが分からないくらいだった。
S400ハイブリッドロングの価格は1405万円で、標準ボディの S350が1050万円であることから見ると、かなり高めの印象である。これはハイブリッドをロングボディ車に設定したことと、ハイブリッドの装備の中身をS350のものではなくS550と同等のものにしたことなどが理由だ。ハイブリッドはショーファードリブンとして使われることが多いとの想定から、 S550ロングからの代替を見込んでの設定とのことだ。そのためにエンブレムはS400になっているが、日本ではあえてS400とは呼ばずに単にSクラスハイブリッドロングと呼ぶようだ。いずれにしてもハイブリッドはSクラスの中で一定以上の比率で売れそうだ。
アイドルストップ機能は車速が15km/h以下に落ちた段階で働き始める。ブレーキを緩めるとすぐにエンジンが始動するが、振動や騒音をほとんど感じさせないので、タコメーターを見ていないとそれが分からないくらいだった。
S400ハイブリッドロングの価格は1405万円で、標準ボディの S350が1050万円であることから見ると、かなり高めの印象である。これはハイブリッドをロングボディ車に設定したことと、ハイブリッドの装備の中身をS350のものではなくS550と同等のものにしたことなどが理由だ。ハイブリッドはショーファードリブンとして使われることが多いとの想定から、 S550ロングからの代替を見込んでの設定とのことだ。そのためにエンブレムはS400になっているが、日本ではあえてS400とは呼ばずに単にSクラスハイブリッドロングと呼ぶようだ。いずれにしてもハイブリッドはSクラスの中で一定以上の比率で売れそうだ。
ミッションは通常の7速ATを採用する。変速は非常に滑らかだ。レバーはステアリングコラムにあり、スイッチのような雰囲気。アルミホイールのデザインは5本スポークを採用する。18インチの大径タイヤとは思えないほどしなやかで快適な乗り味を実現している。
代表グレード | メルセデス・ベンツ Sハイブリッド ロング |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 5230×1870×1485mm |
車両重量[kg] | 2070kg |
総排気量[cc] | 3497cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 279ps(205kw)/6000rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.7kg-m(350N・m)/3000〜5500rpm |
モーター最高出力[ps(kw)] | 20ps(15kw) |
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] | 16.3kg-m(160N・m) |
ミッション | 7速AT |
10・15モード燃費[km/l] | 11.2km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 1405.0万円 |
発売日 | 2009/9/3 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 佐藤靖彦 |
(レポート:松下 宏)
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