細部まで手が加えられたビッグマイナーチェンジ!
販売台数こそ月に100台〜200台レベルにとどまるが、クルマ好きのユーザーにとって注目モノの1台となるのがマツダ ロードスター。世界的にはまずまず好調な売れ行きを続けており、最も多く販売されたライトウエイトスポーツとして、マツダにとってはRX-8と並ぶアイコン的な存在である。
それだけに、マイナーチェンジにも力が入り、外観デザイン、内装の仕様、エンジンやトランスミッションなどの駆動系、サスペンションまで、さまざまな面で改良が加えられた。マイナーチェンジでそこまでやるの!? というような部分にまで手が加えられたのが今回のロードスターだ。
たくさんの改良を加えることは価格アップにもつながるため、低価格で幅広いユーザーに販売されてきたのが大きな特徴でもあるロードスターにとっては、改良と価格アップは大きな矛盾となる要素だが、極力価格アップを抑えながら、性能的にこだわる部分にはこだわって改良を実施したという。
外観デザインはボディの四隅の部分の形状を変更することで、空力特性を改善した。リヤは良く見ると、テールランプの部分が出っ張った形状に変わったのが分かる。フロントもバンパーの角の部分の形状が変わっている。インテリアは新しい色の本革シートやAUX端子の設定など、グレードに応じた改良が加えられている。
ロードスターにはソフトトップとRHT(リトラクタブルハードトップ)とがあるが、それぞれの個性を明確にする方向で改良が行われたのも今回の改良の特徴。スポーティな方向性を強めたソフトトップと快適性を高めたRHTという形で個性分けの明確化が進められているとして評価しよう。
それだけに、マイナーチェンジにも力が入り、外観デザイン、内装の仕様、エンジンやトランスミッションなどの駆動系、サスペンションまで、さまざまな面で改良が加えられた。マイナーチェンジでそこまでやるの!? というような部分にまで手が加えられたのが今回のロードスターだ。
たくさんの改良を加えることは価格アップにもつながるため、低価格で幅広いユーザーに販売されてきたのが大きな特徴でもあるロードスターにとっては、改良と価格アップは大きな矛盾となる要素だが、極力価格アップを抑えながら、性能的にこだわる部分にはこだわって改良を実施したという。
外観デザインはボディの四隅の部分の形状を変更することで、空力特性を改善した。リヤは良く見ると、テールランプの部分が出っ張った形状に変わったのが分かる。フロントもバンパーの角の部分の形状が変わっている。インテリアは新しい色の本革シートやAUX端子の設定など、グレードに応じた改良が加えられている。
ロードスターにはソフトトップとRHT(リトラクタブルハードトップ)とがあるが、それぞれの個性を明確にする方向で改良が行われたのも今回の改良の特徴。スポーティな方向性を強めたソフトトップと快適性を高めたRHTという形で個性分けの明確化が進められているとして評価しよう。
ロードスターらしい雰囲気はそのままに、内外装のデザインがリファインされ、見た目だけでなく空力特性も改善されている。
リヤまわりのデザインも大きく変更され、バンパーやリヤコンビランプのデザインが一新された。左右2本出しのマフラーも好印象。
従来通りソフトトップとRHT(リトラクタブルハードトップ)をラインアップ。今回はそれぞれのキャラクター分けが明確にされた。
前後バンパーだけでなく、リヤコンビランプの形状も空力特性を考慮したもの。デザインはもちろん、質感の高さも文句なしのレベルだ。
RS(写真)は17インチ、その他のグレードは16インチのタイヤ&アルミホイールが標準装備される。リニアなハンドリングが好印象。
RSとVSはBBS社製鍛造17インチアルミホイールの選択も可能だ。見た目だけでなくバネ下重量を低減し、走りの良さにも貢献する。
MT車はエンジンの内部まで改良されATもよりスポーティな仕様に変更!
搭載エンジンは6速MT車に鍛造クランクシャフトを採用したのが大きな改良点。これによって回転上限が500回転高められて7500回転になると同時に、そこに至るまでの吹き上がりも格段にスムーズになった。これはアクセルをいっぱいに踏み込んで加速すると良く分かる。余分な騒音や振動に惑わされることなく、レッドゾーンまできっちりと吹き上がる感じになったからだ。
同時にエンジンが吹き上がっていくときの吸気音が一段と心地好いものになった。インダクション・サウンド・エンハンサーという部品を装着することで、吸気系の音を室内に伝える仕組みが採用されたためだ。ちょっとわざとげな小細工という感じがしないでもないが、でもロードスターを走らせるときの心地好さが増したのも確かである。
AT車にはこの改良は実施されていない (ディーラーオプションで装着することは可能)が、これはAT自体の許容回転数が6700回転ほどで、鍛造クランクシャフトによってエンジン回転数の上限をアップすることの意味がないためだ。逆にAT車は今回の改良で、静粛性の向上などに力が入れられた。といっても高速クルージングなどではまだまだロードノイズが大きく、このあたりは改善にゴールはないといった感じである。
また6速ATのアクティブマチックの仕様も少し変更された。従来はシフトレバーを右側に倒してマニュアルモードにした上でないとステアリングスイッチによるシフト操作ができなかったが、今回の改良でステアリングスイッチを操作すれば、それだけでマニュアルモードになるようになった。この方法でマニュアルモードにした場合はしばらくすると元に戻る仕組みで、ずっとマニュアルモードにしておきたいならシフトレバーを倒すことになる。現在ではステアリングスイッチやパドルシフトを採用するほかの車種の多くがこの方式を採用しているので、ロードスターはやや遅れて同じ方式を採用したわけ。当然の改良である。
このほか、ドライバーのアクセル/ブレーキの操作や横Gの感知などによって、スポーツ走行をしていると判断すると、積極的にシフトアップ/ダウンをしたり、あるいは横G状態ではアクセルを緩めても不要なシフトアップを抑制して立ち上がりに備えるなど、よりドライバーの意志に近い制御が行われるようになった。ロードスターだったらマニュアル車に乗りたいが、改良が加えられた今回の6速AT車なら、ATで乗るのもありかなと思わせるところがあった。
同時にエンジンが吹き上がっていくときの吸気音が一段と心地好いものになった。インダクション・サウンド・エンハンサーという部品を装着することで、吸気系の音を室内に伝える仕組みが採用されたためだ。ちょっとわざとげな小細工という感じがしないでもないが、でもロードスターを走らせるときの心地好さが増したのも確かである。
AT車にはこの改良は実施されていない (ディーラーオプションで装着することは可能)が、これはAT自体の許容回転数が6700回転ほどで、鍛造クランクシャフトによってエンジン回転数の上限をアップすることの意味がないためだ。逆にAT車は今回の改良で、静粛性の向上などに力が入れられた。といっても高速クルージングなどではまだまだロードノイズが大きく、このあたりは改善にゴールはないといった感じである。
また6速ATのアクティブマチックの仕様も少し変更された。従来はシフトレバーを右側に倒してマニュアルモードにした上でないとステアリングスイッチによるシフト操作ができなかったが、今回の改良でステアリングスイッチを操作すれば、それだけでマニュアルモードになるようになった。この方法でマニュアルモードにした場合はしばらくすると元に戻る仕組みで、ずっとマニュアルモードにしておきたいならシフトレバーを倒すことになる。現在ではステアリングスイッチやパドルシフトを採用するほかの車種の多くがこの方式を採用しているので、ロードスターはやや遅れて同じ方式を採用したわけ。当然の改良である。
このほか、ドライバーのアクセル/ブレーキの操作や横Gの感知などによって、スポーツ走行をしていると判断すると、積極的にシフトアップ/ダウンをしたり、あるいは横G状態ではアクセルを緩めても不要なシフトアップを抑制して立ち上がりに備えるなど、よりドライバーの意志に近い制御が行われるようになった。ロードスターだったらマニュアル車に乗りたいが、改良が加えられた今回の6速AT車なら、ATで乗るのもありかなと思わせるところがあった。
ダークシルバーの装飾パネルの採用などにより、インテリアの質感はグッとアップしている。ナビの画面も見やすく使い勝手も良好だ。
写真のレカロ社製シートはRSとVSにオプション設定。また上級グレードではブラックまたはブラウンの本革仕様も用意されている。
ラゲッジは決して広いとはいえない。だが2人分の旅行カバンぐらいなら余裕で積み込めるので、あまり大きな不満は感じられない。
MTは6速(写真)と5速をラインアップする。いかにもスポーツカーらしい気持ちのいいシフトフィールで、ドライビングを楽しめる。
6速ATは路面の状況やクルマの挙動などを判断し、最適なシフト制御を行なってくれるアクティブアダプティブシフトを採用している。
6速AT車はレバーだけでなく、パドルでもシフト操作が可能だ。Dレンジのままでも変速できるダイレクトモードを搭載するのにも注目だ。
足まわりの設定変更で自然でスポーティなハンドリングを実現した!
今回の試乗でははワインディングを走る機会はなかったが、長時間の試乗を楽しんだので首都高や一般道でのカーブはたくさん経験することができた。こうしたシーンで効果を発揮するのが足回りの改良で、ボールジョイントの位置を変更することでロールセンターを低下させるといった改良が行われた。
これなどは普通はマイナーチェンジではやらない改良の典型で、これを実施したことによってステアリングを切り始めた当初の自然なロール感を実現したという。従来のモデルと同じ条件で乗り比べたわけではないのでその違いを具体的に体感することはできなかっだか、コーナーでの違和感のないリニアな反応は好感の持てるものだった。
いずれにしても、ロードスターを走らせているとクルマを操っているという実感を強く感じる。個人的にも20年前に初代ロードスターを保有していたとき、運転することの楽しさを強く感じたことを今でも覚えているが、この楽しさはほかのクルマではなかなか得られないものだ。若い人のクルマ離れということが良く言われるが、そうした若い人達にロードスターの走りを経験させたら、クルマの持つ楽しさを改めて認識してもらえるのではないかと評価していい。
これなどは普通はマイナーチェンジではやらない改良の典型で、これを実施したことによってステアリングを切り始めた当初の自然なロール感を実現したという。従来のモデルと同じ条件で乗り比べたわけではないのでその違いを具体的に体感することはできなかっだか、コーナーでの違和感のないリニアな反応は好感の持てるものだった。
いずれにしても、ロードスターを走らせているとクルマを操っているという実感を強く感じる。個人的にも20年前に初代ロードスターを保有していたとき、運転することの楽しさを強く感じたことを今でも覚えているが、この楽しさはほかのクルマではなかなか得られないものだ。若い人のクルマ離れということが良く言われるが、そうした若い人達にロードスターの走りを経験させたら、クルマの持つ楽しさを改めて認識してもらえるのではないかと評価していい。
メーターのデザインも一新された。MT車はレブリミットが500回転引き上げられ、よりスポーティな走りが楽しめるようになった。
エンジンは全車2リッター直4を搭載する。MT車は、スポーティな回転フィールで、パワーを使い切ったと実感できる走りが味わえる。
よりエンジンサウンドを楽しめるよう、インダクション・サウンド・エンハンサーをRSに標準装備。その他のグレードはオプションだ。
代表グレード | マツダ ロードスター RS(ソフトトップ) |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4020×1720×1245mm |
車両重量[kg] | 1120kg |
総排気量[cc] | 1998cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 170ps(125kw)/7000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 19.3kg-m(189N・m)/5000rpm |
ミッション | 6速MT |
10・15モード燃費[km/l] | 13.0km/l |
定員[人] | 2人 |
税込価格[万円] | 260.0万円 |
発売日 | 2008/12/9 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 佐藤靖彦 |
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