商用EVで新規マーケットの開拓を狙う!【三菱MINICAB-MiEV(ミニキャブ・ミーブ)新車情報】 [CORISM]

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【三菱】2011/11/27

商用車としては、まだまだ高価

 三菱自動車は、軽商用電気自動車『MINICAB-MiEV(ミニキャブ・ミーブ)』を、12月8日より発売する。ミニキャブ・ミーブの価格は、2,400,000~2,971,000 円。

 このミニキャブ・ミーブの特徴は、総電力量が異なる2種類のバッテリーを搭載している点だ。CD 10.5kWhとCD 16.0kWhの2タイプが用意される。電費はJC08モードでCD 10.5kWhで100km、CD 16.0kWhが150kmとなっている。この電池容量は、先に発売されているアイ・ミーブに搭載されているものと同じ。ユーザー自身が、使い方によってCD 10.5kWhかCD 16.0kWhを選ぶことになる。

 ミニキャブ・ミーブは、駆動用バッテリー、モーター、インバーター、車載充電器、エアコン、リヤサスペンション等をアイ・ミーブと共用化している。しかし、出力特性は微妙に違いがある。まず、アイ・ミーブの16kwh仕様には、47kW[64PS] /3000~6000rpmがあるのに対して、ミニキャブ・ミーブには30kW[41PS]/2500~6000rpmの仕様しかない。しかし、トルクはアイ・ミーブの180N・m[18.4kgf・m] /0~1000rpm に対して、ミニキャブ・ミーブは196N・m[20kgf・m]/0~300rpmと、よりトルク重視の設定になっているのだ。これは、荷物を多く積載する商用車の使用を想定し調整したものだ。こういった商用への変更に伴い、アイ・ミーブに比べ走行距離は若干車重が違うものの17%ほど電費は低くなっている。

 ミニキャブ・ミーブの登場により、三菱は完全に日産リーフとのカニバリを避けることができた。商用EVは、今のところ完全に三菱の独壇場。そういう意味では、アイ・ミーブに比べれば、はるかに売りやすい環境だ。経済産業省の補助金制度が適用された場合、実質的な車両本体価格が「CD 10.5kWh」で173万円から、「CD 16.0kWh」で202万円からと、一見、ずいぶん安くなったように感じる。

 しかし、商用バンとしてはまだまだ高価だ。ガソリンのミニキャブCDの4人乗りATが969,000円だ。CD 10.5kWhが約173万円としても、約1.8倍となり、価格差も約76万円。さすがに、一般の商店などが、経済状態が厳しい中、この価格差を燃料費で埋めるのはキツすぎる。まだまだ、この価格では一般ユーザーと言うよりは、官公庁やそれなりの企業体でないと購入は難しいのが現実だろう。個人経営や中小の企業では、環境にいいとはいえ、まだまだこのコスト負担は重い。商用車は、極端な言い方をしてしまえば価格ありきでもある。三菱と日産は軽自動車の共同開発会社を設立した。そういうメリットを生かして、独自開発するのを諦め、電池を日産から調達するなど、さらなるローコスト化が望まれるだろう。

<三菱MINICAB-MiEV(ミニキャブ・ミーブ)価格>

・CD 10.5kWh 2シーター 標準ルーフ/ハイルーフ 2,400,000  4シーター  2,421,000
・CD 16.0kWh 2シーター 標準ルーフ/ハイルーフ  2,950,000
・CD 16.0kWh 4シーター 標準ルーフ/ハイルーフ  2,971,000

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(レポート:CORISM編集部

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