第36回日本カー・オブ・ザ・イヤーの内幕紹介!ロードスター受賞の裏には至高のオープンカー対決があった!!(最終選考会・開票式レポート) [CORISM]
新参!ホンダ・S660と"4代目"マツダ・ロードスターが熾烈なデッドヒート展開!!
すでに皆さん結果をご存知の第36回日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)。2015-2016のイヤー・カーはマツダ・ロードスターが受賞と、一見順当な結果となりましたが、その裏では至高のオープンカー対決、"4代目"マツダ・ロードスターに新参のホンダ・S660が闘いを挑む熾烈なデットヒートが展開されていたのでした。また、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーでも壮絶なバトルが繰り広げられました。今回はそれら手に汗握る緊迫の最終選考会・開票式の様子をお知らせしていきましょう。
宇宙飛行士の毛利さんが館長を務める日本未来科学館の向かいのビルで開催されたCOTYの最終選考会・表彰式は、新任の荒川実行委員長のもと、従来とは違う方式を取り入れ緊迫感あふれる開票式となりました。それは開票順の変更。
従来は選考委員の名前のアイウエオ順で行われていたため毎年ほぼおなじ開票順となり、「今度はあの選考委員の開票だから、おそらくこんな感じだろう」と次の投票結果がなんとなく想像できたのですが、今回から投票を行った順番による開票方式に。投票順は公開されていないので開票式を見守る人たちにとっては次に誰の投票が開票されるか、まだ開票されていない選考委員は誰々なのかがわからず、一人づつ明かされる投票結果をみな固唾を飲んで見守ることに。さらにどの選考委員が最後まで迷ったのか、どの選考委員は即決だったのかも想像でき、大変興味深い開票式になりました。
販売台数基準でノミネート外となった燃料電池車で世界初の量産車、トヨタ・ミライも賞を受賞!!
日本カー・オブ・ザ・イヤーの最終選考の方式は、選考委員一人25点の持ち点を最終ノミネート車のうちの5車に配分して投票する、といもの。自分の選んだ5車のうち、一番いいと思う車に10点を投票し、残りの15点は好きなように分配して4車に投票する、という方式です。この他に全てのエントリー車を対象に別方式で投票を行う「イノベーション部門賞」「エモーショナル部門賞」「スモールモビリティ部門賞」もあります。
さらに選考委員ではなく、COTYの実行委員会が選出する「実行委員会特別賞」もあります。今回この「実行委員会特別賞」には日本における輸入車市場発展に長く、そして大きく貢献し記念の年を迎えた「ヤナセ百周年」と、日本カー・オブ・ザ・イヤーのノミネート基準である年間販売台数500台以上の基準に惜しくも届かず選考対象外となりましたが、エポックメイキングという意味では今までなかった車を世界で初めて一般販売したという点で意義が大きい、燃料電池車の「トヨタ・ミライ」が選ばれました。
そして「スモールモビリティ部門賞」は燃費向上に寄与する驚異的な軽量化を新プラットフォーム採用で実現した「スズキ・アルト/アルトターボRS/アルトラパン」が、「イノベーション部門賞」は電気自動車ながら圧倒的な動力性能を実現した「テスラ・モデルS P85D」が受賞しました。「エモーショナル部門賞」は昨年に引き続き、残念ながら該当なしとなりました。
インポート・カー・オブ・ザ・イヤーはBMW2シリーズ!マツダは2年連続のCOTY受賞に沸く!!
さて、緊迫の最終選考会・開票式ですが、事前の予想通りホンダ・S660とマツダ・ロードスターの至高のオープンカー対決となりました。そしてインポート・カー・オブ・ザ・イヤーはジャガーXEとBMW2シリーズがこちらも熾烈な闘いを繰り広げます。
20名の選考委員の開票が済んだ時点では、ロードスターが148点、S660が128点とわずか20点差。ジャガーXEは57点、BMW2シリーズは46点とこちらもわずか11点差のデッドヒートです。そして40名の開票が済んだ時点ではS660が269点に対し、ロードスターが303点とやや突き放しにかかります。一方、ジャガーXE 107点に対しBMW2シリーズは100点とやや差を詰めました。どうなるのか誰も予想が付かず静まり返った会場で静々と開票が進み、とうとう60名の開票が終了!
結果はロードスターが442点、S660が401点とロードスターがS660をうっちゃり、見事マツダに2年連続の栄冠をもたらしました。そしてインポート・カー・オブ・ザ・イヤーはBMW2シリーズが177点を獲得、149点のジャガーXEを大逆転し栄えある賞を受賞しました。
ハラハラ・ドキドキ、緊張の最終選考会・開票式、最後は毎年登壇しすっかりおなじみとなったマツダの藤原常務執行役員の満面の笑みですっかり場も和み、ラグビーに例えればノーサイドの爽やかな雰囲気の中、お開きとなったのでした。
レポート:堂島昭
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