メルセデス・ベンツG550 4×4²(フォー・バイ・フォー スクエアード)新車情報・購入ガイド 軍用車のノウハウが生かされたオフロードのスーパーカー現る! [CORISM]
挑戦し続けるGクラス!
Gクラスは1979年に発売されて以来、基本的なスタイリングをほぼ変えず存在し続けているモデルだ。しかも、パワーユニットや装備、走行パフォーマンスは日々進化させてきた。本格オフローダー的なルックスながら、室内はラグジュアリーな室内空間となっており、その意外性が多くの富裕層のハートをつかんできた。
また、最近のGクラスは、かなりアグレッシブだ。オフローダーとしては異例なカラフルで刺激的なボディカラーをもったモデルや、多くの特別仕様車をリリース。さらに、6輪車であるG63 AMG 6×6(シックス・バイ・シックス)を投入。圧倒的な走破性をもつ6輪車でありながら、インテリアはラグジュアリーを極めているなどGクラスのブランドイメージをより強調したモデルで、価格も8,000万円という価格も話題になった。
このG63 AMG 6×6が登場したのは2014年。それから2年。Gクラスの新たなチャレンジは、G550 4x4²となって現れた。なんと、このG550 4x4²には37年におよぶGクラスの歴史において培った特殊車両技術を惜しみなく投入されている。特殊車両技術と呼ばれているものの多くは、軍用車としての技術が多く含まれていると思われる。
特殊車両のノウハウを生かし、最低地上高は倍近い460㎜! 渡河深度1,000mm!
さらに、なんと「防弾仕様車」の技術をベースにした「ポータルアクスル」を採用。ポータルアクスルは、ホイールハブの中心より上方へ車軸やデフを設置できる技術で最低地上高を上げるための手法。これにより、最低地上高460mm、渡河深度1,000mmとなった。G550が最低地上高235mm/渡河深度600mmなので、いかに走破性が高められているかが分かる。ちょっとしたプールの中でも走行できる数値だ。ポータルアクスルは、機能が複雑になり信頼性や車重が重くなるなどの弊害あるものの、特殊車両でのノウハウが市販車にも応用されているのだろう。
シャーシは、量産Gクラスがベース。足回りはオンロード、オフロードのいずれにおいても新しい可変ダンパーシステム「ラリー強化仕様ツインサスペンション」がスポーティな運動特性と落ち着きある快適性を高次元で両立させているという。各ホイールには、平行する2本のスプリング/ダンパーストラットを搭載しているのが特徴。この2本のダンパーを使い、1本は固定された減衰特性に。もう1本は電子制御可変ダンパーを採用。そのため、走行状況に応じて減衰特性全体を変更することが可能となっている。スポーツモードとコンフォートモードが用意されており、モードの切り替えはセンターコンソールのボタンで行う。両モードの切り替え時間は1秒以内という早さを誇る。
エンジンは、AMG4.0L V8直噴ツインターボエンジンをベースに新開発されたM176型エンジンを搭載。最高出力422PS/310kW、最大トルク610Nmを発揮しする。車重は2,950㎏と超重量級なので、これくらいの最大トルクが無いと、余裕がある走りとまではいかないだろう。また、アイドリングストップ機能も装備。燃費性能は公表されていないが、このクラスの大排気量車にはアイドリングストップがあるだけで、燃費が大きく違ってくるので、環境時代には絶対に必要な機能と言える。
G550 4x4²は、ポータルアクスルにより、トレッドが1,774mm(ノーマル比+229mm)とかなりワイドになった。ワイドトレッドになり、カーブでの安定感もアップするだけでなく、325/55 R22というタイヤサイズがもつメカニカルグリップ、そしてスポーツモードを搭載する可変ダンパーシステムの採用で、本格派オフローダーでありながら、オンロードでもダイナミックな走りが可能となった。
無骨さとラグジュアリーの高次元融合がGクラスの魅力! 都市部での使い勝手はともかく、その存在感は他を圧倒 するオフローダー
また、少量限定生産モデルということもあり、左ハンドルのみの設定。全幅2.1mという超ワイドなボディサイズで、最小回転半径は6.3m。都市部ではやや使いにくいだろう。ただ、日本での利便性を高める日本仕様専用装備として、COMANDディスプレイやインストゥルメントクラスター内表示は日本語対応している。
さらに、日本の道路事情を考慮し360°カメラシステム、パークトロニックなど本国仕様には存在しない装備も装着しているのは、これだけ大きなクルマなのでせめてもの救いというものだろう。これだけ特殊なクルマでありながら、通常販売しているメルセデス・ベンツ車両と同様に 新車購入から3年間走行距離無制限の一般保証(製品不具合の修理)・メンテナンス保証と24時間ツーリングサポートを提供する総合保証プログラム「メルセデス・ケア」が無償で適用されているのは評価できる。
メルセデス・ベンツG550 4x4²の価格は3,510万円。価格的にはG63 AMG 6×6の半額以下とはいえ、もはやスーパーカーの領域。これだけ特別な仕様と言うのであれば、それだけの価値はあるといったところだろう。まさに、オフロードのスーパーカーだ。
メルセデス・ベンツG550 4x4²(フォー・バイ・フォー スクエアード)価格
メルセデス・ベンツG550 4x4²(フォー・バイ・フォー スクエアード)スペック
代表グレード | メルセデス・ベンツG550 4x4² |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,520×2,100×2,240mm |
ホイールベース[mm] | 2,850mm |
トレッド前/後[mm] | 1,760/1,780mm |
車両重量[kg] | 2,950kg |
総排気量[cc] | 3,982cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 310(421)/5,250~5,500rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 610/2,000~4,750rpm |
ミッション | 7速AT |
タイヤサイズ | 325/55R22 |
最低地上高 | 460㎜ |
燃費 | JC08モード -km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 3,510万円 |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
レポート | 編集部 |
写真 | メルセデス・ベンツ |
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