もうハイブリッド車なんていらない!? 【マツダ デミオ新車情報】 [CORISM]

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【マツダ】2011/06/09

コンパクトカーにハイブリッドは必要なのか? 

 昨年から1年間以上にわたり、マツダ は低燃費SKYACTIV 技術を搭載した新エンジンをPRしてきた。ハイブリッド 技術を持たないマツダにとって、苦し紛れ的ものと感じていた人も多いと思う。時が経つにつれて、1.3リッターエンジンで30km/lという燃費に現実味が増してくると、徐々に関心が高まってきた。そして、ついにSKYACTIV技術を搭載した新型マツダ デミオ がデビューした。新エンジンを搭載したとはいえ、基本的にはマイナーチェンジなのに、話題が高まるのには訳がある。
 この新型デミオの燃費30km/lは、フィット・ハイブリッド と同じなのである。そして、価格はフィット・ハイブリッドが159万円に対しデミオは140万円と19万円安い。価格も大幅に安くハイブリッド車と燃費も同じなら、ハイブリッド車を買う理由が無くなってしまうのだ。ハイブリッド車は、重く高価な電池やモーターなどを積んでいる。この電池やモーターを作るときにもCO2は排出されるので、環境的にも疑問符を付けざるを得ない。そんな観点からも、コンパクトカー においては、本当にハイブリッド車は必要なのか? そんな疑問への回答がSKYACTIV技術を搭載した新型デミオなのである。
マツダ デミオSKYACTIV

 5ポイントグリルを採用。ちょっとアクセラに似てきた

マツダ デミオSKYACTIV

 SKYACTIV専用ボディカラーアクアティックブルーマイカ

マツダ デミオSKYACTIV

 ブルーリングが付いたSKYACTIV専用デザイン


マツダ デミオSKYACTIV

 ルーフスポイラーはSKYACTIVに標準装備

マツダ デミオSKYACTIV

 LEDのテールランプもSKYACTIV専用

マツダ デミオSKYACTIV

 SKYACTIVには、アルミホイールが標準装備。タイヤサイズは、175/65R14となる

エンジンの圧縮比14.0が可能にした低燃費

マツダ デミオSKYACTIV

 高圧縮比だけでななく、クールドEGRなど数限りない新技術を満載

 デミオに搭載されているSKYACTIV技術の核となるのは、14.0という高圧縮比を実現したエンジンにある。通常、圧縮比を上げていくと燃費は上がる方向に行くのだが、トルクが低下しノッキングが起きてしまう。ガソリンエンジンの教科書通りといえる理屈だ。マツダの技術者が優れていたのは、教科書通りだからといって諦めなかったことだ。高圧縮比というものを徹底的に深堀った結果「なんとかなりそう」に行きついた。つまり、エンジンの教科書がちょっと間違っていたことを証明したことになる。
 まぁ、一般のユーザーにとって、そんな技術の話は関係ないかもしれない。だが、既存のエンジンを使っての技術なので、ハイブリッド車のようにバッテリーやモーターなどを積まなくてもよくコストもかからないというメリットもある。つまり、クルマが安く買えるということだ。コンパクトカーは、趣味だけでなく日常の足として使う道具でもある。より燃費が良く価格が安いというのは、選ぶ側にとってとても重要なことだからだ。
 さて、このSKYACTIVを搭載したグレード13-SKYACTIVの価格は140万円。価格だけで見るとあまり安くない気がするかもしれない。だが、アイドリングストップ機能やDSC(横滑り防止装置)、アルミホイール、エアロパーツ、マルチインフォメーションディスプレイなどが標準装備となる。維持費を除けば、軽自動車並みの価格でより広く、燃費も良いということになる。
 今回のマイナーチェンジで、1.3リッター車のグレードは3つ。13-SKYACTIV(140万円)、13C(FF、4AT:114.9万円)、13C-V(129万円)。標準装備品などを考えると、もはや13C-Vは必要ないのでは? と、思えるが、どうしても低価格グレードを用意しないと心配なのか? 最新のエンジン1本で勝負できないマツダの迷いを感じさせるグレード展開だ。
 

エコドライブをアシストするi-DM(インテリジェント・ドライブ・マスター)

 さらに、13-SKYACTIVには運転を楽しみながら燃費の良い運転をサポートするi-DM(インテリジェント・ドライブ・マスター)を搭載した。各社、低燃費車には燃費の良い運転をすると木が増えたり、点数化されたり、運転のアドバイスがあったりする。そういったシステムをよりドライビングスタイルの視点で評価するのが、マツダのi-DMだ。他社にはないのが、しなやかな運転と呼ばれる評価。スポーティな走行をしている状態で、クルマの挙動に不安定な揺れなどが無くスムースな運転ができた場合、ブルーランプが点滅するというもの。エコだけでない視点は、マツダだけのものだ。

マツダ デミオSKYACTIV

 SKYACTIV専用メーター。スッキリときれいで高級感もある

マツダ デミオSKYACTIV

 i-DMのアドバイス表示例。こういう画面が出たら反省・・・

新型デミオの選び方

 今回のマイナーチェンジでは、予算が許せば13-SKYACTIVを選ぶのがベストな選択。しかし、価格が140万円と比較的高価格帯であるのが難点だ。13C(114.9万円)は安いが、燃費が21km/lと30%ほど悪くなるなど、魅力に乏しい。13-SKYACTIVのアルミホイールなどの装備を落とし、130万円前半で手に入るグレードが欲しいところ。恐らく、販売状況次第では今年の秋か冬には、そういったお買い得仕様車が出てくる可能性もある。
 そろそろトヨタからは、40km/lという超燃費を実現するというヴィッツ級ハイブリッド車が出るという。このクルマは、主にダウンサイジングユーザーを対象としているため、高価な価格帯になるのでは? という噂もチラホラ。ますます多種多様化しているコンパクトクラス。まずは、ハイブリッド車の必要性を問う新型デミオの売れ方に注目だ。
マツダ デミオSKYACTIV

 インパネは大きな変更点はない。SKYACTIVには、専用のメーターが装備される

マツダ デミオSKYACTIV

 なんとSKYACTIVは、フロントシートも専用。軽量化と乗り心地向上に貢献

マツダ デミオSKYACTIV

 後席3点式シートベルトは、なぜかSKYACTIVにはオプション設定

代表グレード マツダ デミオ13-SKYACTIV
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3900×1695×1475mm
車両重量[kg] 1010kg
総排気量[cc] 1298cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 84ps(62kw)/5400rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 11.4kg-m(112N・m)/4000rpm
ミッション CVT
10・15モード燃費[km/l] 30.0km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 140.0万円
発売日 2011/6/9
レポート 大岡智彦
写真 マツダ

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(レポート:大岡 智彦

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