トヨタ ウィッシュが属する5ナンバーのロールーフミニバンも、一世を風靡したものの、最近のマーケットは減少傾向。とくに、スライドドアを持たないウィッシュなどは、厳しい戦いを強いられている。そんな中、登場したのが、この特別仕様車ウィッシュ1.8S MONOTONE。

　モデル末期の特別仕様車によくあるパターンが、人気のオプション装備をを付けて価格は同じ、などといったパターンだ。こういった特別仕様車は、なにが特別なのかよく分からない。しかし、今回のウィッシュ1.8S　MONOTONEは、なかなか気合の入った特別仕様車。

今回の特別仕様車は、「1.8S」をベースに、外板色には、ブラックおよびホワイトパールクリスタルシャインの２色を設定。外装には、ブラックメタリック塗装を施したディスチャージヘッドランプ（プロジェクター式ロービーム・オートレベリング機能付）、ダークメタリック塗装を施したアルミホイール、スモークメッキを施したフロントグリルやバックドアガーニッシュ、クロムメッキを組み合わせたカラードアウトサイドドアハンドルを特別装備。

また、内装には、専用ファブリックと合成皮革をブラックとオフホワイトで組み合わせた専用シート表皮、ブラックの専用ファブリックを施したドアトリム、外板色にあわせたセンタークラスターやパワーウィンドゥスイッチベースを採用するなど、モノトーンでコーディネートし、精悍さを高めた仕様になっている。

　特別仕様車の特別とは、他とは違うという価値が重要。メーカーオプションではなく、専用の装備がどれだけ装備されているかが、ユーザーの心をつかむ。そういう意味では、専用のシート表皮や、ブラックメタリック塗装を施したディスチャージヘッドランプなど、気合の入った専用装備が満載だ。

　これだけ専用装備を用意するとなると、かなりの高価になるのでは？ と、思ったのだが、価格は217万円と、ベースの1.8Sが、209万円なので8万円ほどアップで収まっている。オプションで45,150円のスマートエントリー (運転席・助手席・バックドア アンサーバック機能付・スマートキー２本)＆スタートシステム、盗難防止システム(エンジンイモビライザーシステム)も特別仕様の中に入っているので、実質約3.5万円ほどのプラスでこの特別仕様車を手に入れることが出来る計算になり、評価は高く買い得感も高い。

　ところで、プリウスαは大人気だが、ワゴンとしても使えるウィッシュにも、もう少し人気が集まってもいい。この装備で217万円に対して、同じようなグレードを選ぶとプリウスαではSのツーリングセレクションになるだろう。その価格は280万円。63万円もの価格差だ。ハイブリッド車だから、という選択ではないのなら、ウィッシュはなかなかお買い得なクルマとして見えてくるはずだ。

＜ウィッシュ特別仕様車1.8S“MONOTONE”価格＞

・2WD 2,170,000円
・4WD 2,359,000円