デザインは、女性目線コンセプトを反省したのか2つの個性を出してきた。パッソ X、Gは、ワイド感と低重心を強調したフロントバンパーや切れ長感のあるヘッドランプが組み合わされ少しだけ精悍さがプラスされた。このモデルは、男性顧客向けともいえる。

対して女性用モデルといえるパッソ +Hanaは、丸いモチーフのアッパーグリルやフォグランプとロアグリルを連続させた特徴的なデザインを採用し、かわいらしさを強調。こちらが女性用モデルということになる。それぞれに上級仕様のGパッケージが用意され、ダウンサイザーなどの受け皿など、幅広い顧客に対応できるようになった。

パッソ +Hanaには、ルーフとボディの色を変えオシャレな外装となるオプションの2トーンカラーが用意された。シンジュパールマイカ塗装のルーフ、ホイールキャップ、リヤエンブレムを組み合わせたもので、パステルカラー系のボディカラー3色が用意されている。ポップな雰囲気になり、パッソのかわいさが強調されるオプションだ。また、フロントシートには、ベンチシートも用意されている。

　そして、新型トヨタ パッソの価格は1,098,655～1,652,400円となっている。売れ筋グレードと予想されるパッソ +Hanaは、約10万円価格がアップしている。進化したエンジンと燃費性能、そして横滑り防止装置（VSC）の標準装備などを考えると、進化した価値分相当といえるだろう。新型パッソだけをみていれば、エコカー減税が免税になったことを考えると、ややお買い得感もある。

新型トヨタ パッソの選び方は、シンプルに選ぶとXと+Hanaという選択になる。それより安い価格のグレードになると、装備が貧弱なので一般顧客向けにはお勧めはできない。Xと+Hanaでも、キーフリーシステムは装備されていないので、満足度を高めたいのならXはGとLパッケージ、+HanaならGパッケージという選択がよいだろう。XのLパッケージは、エアコンがマニュアルになるので注意が必要。

満足度の高いグレードを選択すると、価格もしっかりとアップする。+HanaのGパッケージになると、価格は約150万円にもなってしまう。新型パッソには用意されていない追突被害軽減自動ブレーキであるスマートアシストが装備された軽自動車のムーヴXターボSAが約136万円となり軽自動車のコストパフォーマンスが光る。

さらに、新型パッソより少しサイズが大きく1.3Lのホンダ フィットの上級グレードでLEDヘッドライトまで装備されているフィットG・Lパッケージが約150万円となり、少し小さいパッソ+Hana Gパッケージと同等な価格だ。

そうなると、新型パッソの価格はあまり安いとは言えず、機能や装備で選ぶと選びにくいクルマであることが分かる。どうしても、軽自動車ではなくフィットクラスよりコンパクトなサイズが必要という面と、パッソのデザインが好きなど情緒的な選び方でないと、パッソを選ぶ理由があまりないのが現状だ。

＜トヨタ パッソ価格＞
■X（FF） 1,257,709円
“V package” 1,098,655円
“L package” 1,293,055円
“G package” 1,356,873円
X（4WD） 1,398,109円
“L package” 1,433,455円
“G package” 1,497,273円

■G(FF 1.3L)　 1,471,745円

■+Hana（FF） 1,444,255円
“C package” 1,355,891円
“G package” 1,501,200円
+Hana（4WD） 1,595,455円
“G package” 1,652,400円
■+Hana(FF 1.3L)1,605,273円

＜トヨタ パッソ スペック＞