<動画あり>新型トヨタ プリウスPHV新車情報・購入ガイド 先代モデルが売れなかった理由を完全解消!? バッテリー容量2倍で、EV航続距離は約2.5倍の68.2㎞へ!プリウスとはまったく違うモデルになった新型プリウスPHV! [CORISM]
先代プリウスPHVが、なぜ売れなかったのか?
新型トヨタ プリウスPHVは、今回のフルモデルチェンジで2代目となる。初代プリウスPHVは、2012年1月に発売が開始された。初代プリウスPHVは、4.4kWhという小さな容量のリチウムイオン電池を搭載。EV走行できる距離を26.4㎞とした。これは、ほとんどの顧客の1日の走行距離が30㎞以下というデータに基づいて設定されていた。
デビュー当初、最先端のPHVということ、さらにハイブリッド車である30型プリウスが大ヒットということもあり、当然プリウスPHVもヒットするとみられていた。しかし、プリウスPHVは、想像を超えるくらい売れなかったのだ。
売れなかった理由はいくつかあった。まず、EV走行可能距離が26.4㎞/Lと短かったこと。マーケティング的には、トヨタ側の言う通り1日の走行距離は30㎞以下がほとんど。理屈ではそうかもしれないが、実際買う側の気持ちになれば、26.4㎞/Lでは少ないと感じるのは当然だろう。三菱アウトランダー PHEV は60.8㎞もEVで走れることから、それなりに売れた。
2.5倍以上に伸びたEV走行可能距離は、なんと68.2㎞!
ただ、ハイブリッド燃費は37.2㎞/Lとなった。これは、通常のハイブリッド車と同じだ。例えば長距離ドライブで、1回の充電で68.2㎞、EVで走れたとしても、それ以降は通常のハイブリッド車とそれほど変わらない燃費値になる。しかし、車両価格は100万円以上高価。そのため、近距離で毎日のようにクルマを使い、こまめに充電できる環境がないと、安い外部電力が使えるPHVを使うメリットがないのだ。使い方により、メリットとデメリットが共存するのがプリウスPHV。こうした部分は、先代モデルも同様で、使う人を選ぶことになる。
さらに、顧客の住宅によっても新型プリウスPHVを選びにくいことがある。PHVを買う場合、どうしても充電環境が必要になる。戸建なら、ちょっとした電源設備の設置工事することが可能となるが、マンションなどの集合住宅などでは、充電環境問題があり、充電設備や充電に関してのルールが決められている集合住宅じゃないと購入が難しい。
こうした条件をクリアできれば、新型プリウスPHVが購入できる。新型プリウスPHVは、さらに充電に関する面倒な部分を軽減し、使いやすさを進化させた。先代モデルと大きく異なる部分は、リチウムイオン電池の容量を2倍にしたことにより急速充電器に対応したこと。約20分で80%まで充電が可能。これにより、高速道路などでの急速充電器が使えるようになり、EVモードがより積極的に使えるようになった。さらに、200Vでは約2時間20分でフル充電可能。さらに、一般的な住宅の100Vにも対応。100Vだと約14時間でフル充電となる。100Vは充電設備の工事無しで使えるメリットがあるが、やはり200Vと比べると使い勝手面では微妙。
プリウスとの差別化のために、専用デザインや技術を投入!
そこで、新型プリウスPHVでは、外観デザインをプリウスと大きく異なるものとして差別化している。新型プリウスPHVのデザインは、ICONIC Human-tech(アイコニックヒューマンテック)をコンセプトとした。ヘッドランプには、薄く小型にデザインした4眼のLEDプロジェクターを採用。このLEDプロジェクターの上下高を低くし、シャープで睨みの効いた精悍なフェイスデザインになった。先進感もある。
リヤビューも同様な先進感あるデザインと機能をもつ。リヤウインドウには、空気の流れをイメージし、2つの膨らみを持たせた波状断面のダブルバブルバックドアウインドウを採用。リヤオーバーハングをプリウスに対し80mm延長し、より伸びやかなサイドシルエットとしている。このバックドアは、トヨタ初となるカーボンファイバーのCFRP(炭素繊維強化樹脂)製。大幅な軽量化も施された。軽量なアルミ製に比べても、さらに約40%も軽量化されている。大きく重いリチウムイオン電池を装備しているので、ハイブリッドモードになると電池はただの重りになる。こうした軽量化により、ハイブリッドモードでも燃費を悪化させないようにしている。
インテリアも大きく変更されている。センターコンソールには、ナビゲーションの機能も備えた大型11.6インチ縦型タッチディスプレイが設置された。アメリカのEVであるテスラ―に似た大型のタッチディスプレイとなっている。今時な設定なのだが、タッチディスプレイは、操作が難しく安全面であまり好ましくない。タッチディスプレイは、走行中の揺れる車内で的確に操作しにくい。さらに、ドライバーの視線がセンターコンソールに大きく移動するため、安全面ではデメリットの方が多い。ドイツ系のメーカーの多くが、モニターをダッシュボード上部でなるべく奥に置き、操作は手元のダイヤルなどで操作するものが多いのは、安全性を重視した結果だ。クルマはパソコンやタブレット端末より何十倍も高価な商品なのだから、単に流行に合わすのでは安易すぎる。トヨタは、本気で安全性を考え、独自の安全思想の上に装備を検討してほしい部分だ。
また、新型プリウスPHVは、かなり割り切って後席シートは2座仕様。このクラスでは、珍しい4人乗り仕様となっている。
安全装備面では、高価な価格帯のクルマということもあり、トヨタでは珍しく歩行者検知式自動ブレーキを含む安全装備「トヨタ セーフティセンスP」が標準装備された。しかし、なんとSグレードにはレスオプションを設定するなど、相変わらず安全装備の拡充には興味がないようだ。それでも、サイドエアバックやカーテンエアバッグを標準装備化したのは評価できるポイントだ。
また、A、Aプレミアムグレードには、ブラインドスポットモニター〈BSM〉、インテリジェントクリアランスソナー(巻き込み警報機能付)、シンプルインテリジェントパーキングアシストなど、安全面や利便性の高い装備が標準装備される。
これからのPHVの未来を担う世界初の新技術「ソーラー充電システム」を用意したものの・・・
そして、注目したい新技術が用意された。量産車初となるソーラー充電システムが採用されたのだ。ルーフに貼られたソーラーパネルで発電し、駆動用のリチウムイオン電池に充電を開始するというもの。トヨタの計算では、最大6.1㎞/日、平均2.9㎞/日走れる電力をソーラーパネルが供給してくれるという。屋内の駐車場であれば、ほとんど発電はできないなど駐車場環境に左右されるものの、画期的な技術だ。天気の良い日などは、走行中にでも発電しているので、EV走行可能距離にもプラスの影響を与えてくれる優れものだ。
仮に土日しか乗らないという顧客で、屋外の駐車場なら2.9㎞/日分の発電が5日間できると14.5㎞走れる分の電力が溜まる計算になる。これだけの距離が走れるようになれば、近所のショッピングセンターへの往復分の電力はソーラー充電システムでまかなえるということになり、燃料費がゼロということになる。今後、このソーラー充電システムが、より効率や性能を上げれば、よりクリーンなモビリティに進化する今後期待のシステムだ。
ただし、このソーラー充電システム、なぜかSグレード系にしか装備できない設定になっていて、オプション価格も280,800 円とやや高価。エントリグレードに高価なオプション設定という理解できない設定になっているのだ。こういう先進性の高い装備こそ、上級グレードを選ぶ顧客が選択する可能性が高いからだ。また、ソーラー充電システムは、今後注目されるのは確実で、こうした装備を上級グレードには標準装備化してコストを下げるという方向で考えないと、いつまで経っても高価なオプションのままで、普及が進まないということになりかねない。
このように、先代プリウスPHVで失敗した要素をほぼすべて改善。その結果、かなり魅力的で完成度の高いPHVに仕上げてきた。もはや、プリウスの名を付けていることが一番のマイナス要因かもしれないと思うほど、プリウスとはまったく違うクルマに仕上がった。ただ、懸念すべきは価格だ。量販グレードと予想されるAグレードで、価格は3,807,000円。プリウスのAグレードが2,777,563円なので、100万円以上高価な価格設定となる。これだけ高価になると、安価な外部電力が使えるとはいえ、元が取れるほどとはいいにくい。こうした部分をマーケットは、どんな判断を下すのか注目したい。
新型トヨタ プリウスPHVのグレード選び。お勧めはAグレード
そうなると、Aプレミアム、A、Aレザーパッケージの3つの中から選ぶことになる。レザーパッケージは、Aに対してシートが本革となる。Aプレミアムは、本革シートが装備され、Aに対してアクセサリーコンセント(AC100V・1500W、コンセント2/ヴィークルパワーコネクター付)、オートワイパー、カラーヘッドアップディスプレイなどが大きな違い。新型プリウスPHVは、外部への給電が可能。さらにエンジンが作動する「HV給電モード」では、最大1,500Wの出力でガソリン満タン状態から2日程度の電力を供給可能。この機能は、アウトドアでも便利な機能なので、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W、コンセント2/ヴィークルパワーコネクター付)は、オプション(75,600 円)選択したい。こうなると、本革シートが必要というのでなければ、Aグレードがお勧めとなる。Aグレードに、75,600 円のアクセサリーコンセント(AC100V・1500W、コンセント2/ヴィークルパワーコネクター付)を選択すれば、十分な仕様となる。
新型トヨタ プリウスPHV価格
■トヨタ プリウスPHV価格
・S 3,261,600円/“ナビパッケージ” 3,666,600円
・A 3,807,000円/“レザーパッケージ” 4,066,200円
・Aプレミアム 4,222,800円
トヨタ プリウスPHVスペック、燃費、ボディサイズなど
グレード Aプレミアム
全長(mm) / 全幅(mm) / 全高(mm) 4,645 / 1,760 / 1,470
ホイールベース(mm) 2,700
乗車定員(人) 4
車両重量(㎏) 1,530
ハイブリッド燃費(㎞/L) 37.2
EV走行距離(㎞) 68.2
EV最高速度(㎞/h) 135
トランスミッション 電気式無段変速機
駆動方式 FF(前輪駆動)
PHVシステムの主要諸元
エンジン 型式 2ZR-FXE
排気量 (cc) 1,797
最高出力 (kW[PS]/rpm) 72(98)/5,200
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 142(14.5)/3,600
モーター 型式 1NM/1SM
最高出力 (kW[PS]) 53(72)/23(31)
最大トルク (N・m[kgf・m]) 163(16.6)/40(4.1)
駆動用バッテリー 種類 リチウムイオン電池
電圧 (V) 3.7
容量 (Ah) 25
総電力量 (kWh) 8.8
システム最高出力 kW(ps) 90(122)
新型トヨタ プリウスPHVの発売日は? 2016年秋、日本導入予定!
先代プリウスPHVは、2012年に登場した。同型となるプリウスは、2009年に登場しているのでPHVの登場は3年程度遅れてのデビューだった。しかし、現行50型プリウスは2015年12月にデビュー。わずか、数か月後にPHVが登場するという異例なスピードとなっている。
米国名プリウスプライムでデビューする新型プリウスPHVは、日本・欧州で2016年秋から発売される見込みだ。
ニューヨークショーでその姿を現した新型プリウスPHV。ひと目見るなり、現行50型プリウスとは、まったく違うデザインとなっているのことが分かる。従来のプリウスPHVは、基本的にプリウスの延長線上にあった印象だが、今回はまったくことなったデザインが採用され、車名こそ同じものの別のクルマのようにも見える。新型プリウスPHVの価格がいくらかは不明だが、これだけ差別化されていれば、多少高額になっても納得する顧客も出てくるだろう。従来型プリウスPHVは、見た目はプリウスで、価格は100万円近くも違っていたので、顧客としてはより高い対価を支払う理由がそれほどなかった。
トヨタ初のカーボン製バックドアを採用し軽量化!
リヤウインドウには、空気の流れをイメージし、2つの膨らみを持たせた波状断面のダブルバブルバックドアウインドウを採用。その曲面をリヤスポイラー、サブウインドウまで連続させ、空力性能とエモーショナルな造形を強調している。さらに、リヤオーバーハングをプリウスに対し80mm延長。より伸びやかなサイドシルエットを創出した。トヨタ初となるカーボンファイバーのCFRP(炭素繊維強化樹脂)製バックドアによって、大幅な軽量化も施された。
インテリアも大きく変更されている。センターコンソールには、ナビゲーションの機能も備えた大型11.6インチ縦型タッチディスプレイが鎮座。テスラ―に似たアメリカン人が好みそうなデザインとなっている。タッチタイプの操作系は、あまり好ましくない。揺れる車内で走行中の操作は、的確にできない上に、視線移動も大きく安全上デメリットが多い。分かりやすい流行りの仕様というのは理解できるが、クルマはパソコンやタブレット端末より何百倍も高価な商品。単に流行に傾倒するんではなく、トヨタ独自の安全思想の上で装備を検討してほしい部分だ。また、シートは4席仕様となっている。
新型トヨタプリウスPHVのEV航続距離は60㎞以上へ進化! ハイブリッド燃費は37.0㎞/L!
今回の新型プリウスPHVは、EV走行距離を26.4㎞から倍以上となる60㎞以上としている。これは、リチウムイオン電池の容量を4.4kWhを8.8kWhへ拡大したことが大きい。EVでの最高速度も欧州での使い方も考慮され100㎞/hから135㎞/hになった。ハイブリッド燃費は37.0㎞/Lだ。この燃費値は、普通のプリウスの37.2㎞/Lより悪い。ただ、60㎞以上EV走行できるので、よほど長距離を走っても普通のプリウスより燃費が悪くなることは無いだろう。従来型は急速充電器に対応していなかったが、新型プリウスPHVは急速充電器にも対応(オプション予定)。約20分で80%まで充電できる。急速充電はともかく、最近では普通充電ができる場所が増えているので、こまめに充電できれば非常に環境性能の高いモデルになる。
そして、新型プリウスPHVには、ついにトヨタの動力分割式ハイブリッドシステムに大きな手が加えられた。なんと、エンジンと動力分割機構の間に新たにワンウェイクラッチを採用することで、従来のハイブリッドシステムでは発電機としてのみ使用していたモーターを、走行用モーターとしても利用するデュアルモータードライブシステムを搭載。従来の走行用モーターと合わせ、二つのモーターで走行することを可能としている。これにより、EVモード走行時の力強い走りを実現するとともに、日常使用時のモーター走行領域を拡大。より力強いEV走行が可能となっている。
日当たりの良い場所で駐車するだけで充電できる!? ソーラールーフパネルも用意
EV走行時に問題なのは、冬場のヒーター。多くのPHVが、わざわざヒーターを使うためにエンジンを始動していたほどだ。これでは、EVで移動できる距離であってもガソリンを使うことになる。そこで、新型PHVでは、室内コンデンサ(熱交換機)を新たに設定。冷媒の液体と気体を分離して効率よく吸熱、放熱をおこなうことで、高い暖房性能を備えた世界初のガスインジェクション機能付ヒートポンプオートエアコンを採用。エンジンを作動させずに暖房を使用しながらEV走行できる距離、速度域を大幅に拡大し、運転中の快適性を向上した。
さらに、8.8kWhという大型のリチウムイオンバッテリーを搭載したということもあり、外部電源供給システムを搭載した。非常時には、エンジンも作動し、発電機の代替としても使えるようになっている。こうした付加価値もPHVの魅力の一つだ。
新型トヨタプリウスPHVの価格は? 350~400万円程度と予想
新型プリウスPHVは、異なるハイブリッドシステムを搭載し、さらにリチウムイオンバッテリーの容量は倍増され、CFPR製バックドア、大型11.6インチ縦型ディスプレイ、充電機能付きソーラーパネル、急速充電器対応などなど、もはや新アイテムのオンパレードだ。どの機能がオプションなのか、標準装備なのかは今の段階で詳細が分からないが、これだけ装備すれば従来型の約60万円程度という価格差に収まるようには思えない。100万円以上の価格アップは確実かもしれない。
ただ、腹を据えたときのトヨタの価格設定は想像を絶する。あの燃料電池車トヨタ ミライが約724万円。世界中が驚いた価格だ。こうした高い環境性能車を普及させるという強い意志があったとすれば、エントリグレードで350万円を切ってくるかもしれない。仮に400万円以上になってもおかしくないクルマだと思うが、BMWのPHVである330eが554万円から。400万円スタートという価格になると、車格もブランド力も上回るBMW330eの魅力がより際立つイメージにある。また、同じセグメントにフォルクスワーゲン ゴルフGTEというPHVもある。ゴルフGTEの価格は約500万円。それだけに、トヨタの価格設定に注目したい。
トヨタ プリウスPHV動画
新型トヨタ プリウスPHV(米国名 プライム)燃費、スペックなど
ホイールベース(mm) 2,700
室内長(mm) / 室内幅(mm) / 室内高(mm) 2,110 / 1,490 / 1,195
エンジン 種類 直4DOHC
総排気量 (cc) 1,797
最高出力 (kW[PS]/rpm) 72[98] / 5,200
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 142[14.5] / 3,600
モーター 最高出力 (kW[PS]) ①53[72]/②23[31]
最大トルク (N・m[kgf・m]) ①163[16.6]/②40[4.1]
バッテリー リチウムイオン
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