フォルクスワーゲン パサート新車情報・購入ガイド 遅れてきた大本命! クリーンディーゼルエンジンを搭載したTDIデビュー!! [CORISM]
■北米発のディーゼル車不正で、日本での導入タイミングが遅れたパサート
フォルクスワーゲン パサートは、日本ではあまり馴染みがないものの、ゴルフと並び非常に歴史あるモデルだ。現行パサートは、2015年に導入され8代目となっている。
8代目パサートは、先代モデルと同様にダウンサイジングターボである1.4LのTSIエンジンが搭載された。最新モデルは、150ps&250Nmと十分な出力をもちながら、20.4㎞/Lという低燃費を実現している。その後、新投入された2.0L TSIエンジンは、220ps&350Nmというパワフルさを誇る。
そして、2016年には1.4Lエンジンとモーターを組み合わせたPHEVであるパサートGTEが投入された。セダンモデルで、53.3㎞のEV走行が可能。日常的な使い方であれば、ほとんどガソリンを使うことがない優れた環境性能をもつ。
PHEVと2タイプのガソリンエンジンが用意されたパサート。しかし、このクラスのライバル車であるBMW 3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスのパワーユニットの数と比べると、やや物足りない状況。決定的に足りなかったパワーユニットがクリーンディーゼルだ。
フォルクスワーゲンも当然、クリーンディーゼルを得意とするメーカーのひとつ。しかし、導入できなかった訳があった。2015年北米発フォルクスワーゲン ディーゼルに不正があったためだ。
当時、ディーゼル車が導入されていなかった日本マーケットには、直接関係はなかった。日本の排ガス規制に合わせて、ディーゼル車を導入することもできたのだが、国交省の認可もより厳しいものとなった。フォルクスワーゲン側も、北米での不正でブランドイメージが悪化。販売台数が低迷していた。さすがに、このタイミングでの導入はリスクだけしかないと判断されたようで、ディーゼル車の導入は見送り続けられた。
その間、他の欧州メーカーは続々と日本マーケットにディーゼル車を導入。今や、ディーゼル車が主力という車種も少なくない。そんな状況下において、パサートはやや出遅れた感があった。だが、今回投入されたTDIでようやくライバル車と同じ土俵に上がったことになる。パサートは、これでガソリンとPHEV、ディーゼル車と幅広いラインアップを誇るようになった。
■販売戦略上でも期待されるフォルクスワーゲンのディーゼル車
これは、大きなデメリットになっていて、低燃費なガソリンエンジンであってもハイオクガソリンを使用するため、燃料費がどうしても割高になってしまう。これでは、フォルクスワーゲン車を買ったベネフィットが得られない。日本メーカーは、欧州仕様ではハイオクガソリンを使用していても、日本仕様はレギュラーガソリン仕様にし顧客へのベネフィットを提供しているモデルが多い。
プレミアブランドのメルセデス・ベンツやBMWなどは、高額車ゆえに高所得者が購入する。ちょっとした燃料費は、それほど気にない傾向にある。ただ、こうしたプレミアブランドであっても、最近では軽油を使うことで燃料費がいっきに安くなるディーゼル車が人気だ。とくに、日本マーケットでは、車両価格時のコストより、ランニングコストを気にする傾向が強い。だから、車両価格が高くてもランニングコストが下がるハイブリッド車の人気が高い。
それだけに、よりフレンドリーなブランドであるフォルクスワーゲン車ディーゼルが無いのは、販売戦略上マイナス要因であった。今回、パサートに搭載されたが、ゴルフやティグアンなどといったCセグメントのモデルにも搭載が期待される。
■最大トルク400Nm! 燃費は20.6㎞/L! 力強くて燃費の良い2.0L TDIエンジン
ディーゼルエンジンの魅力は、最大トルクによる力強さ。400Nmだと自然吸気4.0Lクラスに相当する。これだけのトルクがあるので、とにかく速く、高速道路などでは余裕あるクルージングが楽しめる。
これだけ力強いのに、燃費が良いのもディーゼルエンジンの美点だ。燃費は20.6㎞/Lも走る。しかも、燃料は軽油だ。軽油は、ハイオクガソリンよりも30円/L前後安価。燃料費という点で見ると、もはやレギュラーガソリンを使う国産ハイブリッド車並みになる。一般的なガソリン車は、パワフルな仕様だと燃費が悪くなる。しかし、ディーゼル車は力強くて燃費がよい。さらに、エコカー減税は免税対象になりパサートTDI ハイラインで、約約171,600円もの節税メリットがある。マイナス面があるとしたら、ガソリン車よりも価格が少し高くなることくらいだ。
また、パサートTDIに搭載されたディーゼルエンジンは、SCR(選択触媒還元)システムを採用している。やや高コストな仕組みだ。マツダなどは、こうしたシステムを採用せずにクリーンな排ガスとしている。しかし、より排ガス規制が厳しくなるとSCR(選択触媒還元)システムを使うしかないという見方があり、どちらがいいという問題ではない。
SCR(選択触媒還元 )システムは 、 酸化触媒を通過した排ガスに尿素水溶液「AdBlue」を噴射。NOxを化学反応させて、無害な窒素(N2)と水(H2O)に還元するもの。そのため、AdBlueは専用タンク(13L)がパサートTDIには搭載されている。消費の目安は、1,000km 走る毎にAdBlueを1.5L程度。AdBlue満タンで、約8,000㎞以上走れる計算だ。
■ガソリン車との価格差は約35万円。TDIは買いか否か?
エントリーグレードのパサートTDIエレガンスの価格は4,229,000円となった。エレガンスラインとハイラインの大きな装備差は、ダイナミックコーナリングライトやリヤビューカメラ、Discover Pro/ナビゲーション機能、Volkswagen Car-Net、ナパレザーシート、シートマッサージ機能、18インチホイールなど、かなり細かなところまで異なる。これらの装備差により、価格差は約67万円となった。
安全装備など基本性能は、ほぼ同等レベル。豪華・利便装備による価格差。エレガンスにDiscover Pro パッケージ(259,200円)をオプション選択すれば、ナビ関連の機能にリヤビューカメラ、ETCなどが装備されるので十分といった印象だ。
ただ、近未来感のあるデジタルメータークラスターなどを装備したいとなると、ハイラインにしか装備できないのが残念なポイント。ハイラインを選ぶのであれば、デジタルメータークラスター”Active Info Display”やダイナミックライトアシスト、アラウンドビューカメラ”Area View”、駐車支援システム”Park Assist”、電子制御式ディファレンシャルロック”XDS”がセットになったテクノロジーパッケージもオプション選択したい。ここまで装備すれば、十分納得できる仕様になる。ただ、そうなると約509万円という価格になる。500万円を超える価格帯になるとはいえ、Cクラスや3シリーズに比べれば、パサートTDIはFF車ということもあり、かなりリーズナブルだ。トヨタ カムリなどのハイブリッド車と比べても、やや割高な感じがするものの、走行性能や安全装備の差を含めれば十分納得のできるレベルになっている。
■フォルクスワーゲン パサートのグレード選び
ガソリン車は、燃費が良いとはいえハイオク仕様なので、燃料費が高めになる。車両価格が安いという点意外、CO2排出量減という時代もあり、あまりお勧めできない。こうなると、新投入されたディーゼルのTDIかPHEVかという選択になる。
この2択の場合、車両価格を除いて、まず考えたいのが普段のクルマの使い方。PHEVは、53.3㎞EV走行が可能だ。短い距離を毎日使うような人は、PHEVだとほとんどガソリンを使わない生活が可能。長距離走行になると、ハイブリッド車になるのだが、やはりハイオク仕様なので燃料費は高めになる。
ディーゼル車は、とのかくロングドライブすることが多い人に向く。燃料タンクは59Lで燃費は20.6㎞/Lなので、満タンで1,000㎞以上の走行が可能だ。ガソリンスタンドに行く回数も減る。
価格はディーゼル車のTDIが、4,229,000円から。PHEVのGTEは、5,289,000円から。価格差は100万円以上になる。これだけ価格差が大きいと、多くの人はディーゼル車のTDIを選んだ方が無難といえる。PHEVは、いずれ来るEV時代を前に、EV走行にこだわりたい人で予算に余裕がある人向きといえるだろう。
■フォルクスワーゲン パサートの価格
・Passat TDI Highline 4,899,000円
・Passat Variant TDI Eleganceline 4,429,000円
・Passat Variant TDI Highline 5,099,000円
■フォルクスワーゲン パサートの燃費、スペックなど
・全長X全幅X全高 4,785X1,830X1,465mm
・ホイールベース 2,790mm
・車両重量 1,560kg
・最小回転半径 5.4m
・燃料消費率(JC08モード) 20.6km/L
・種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ(4バルブ)
・総排気量 1,968cc
・圧縮費 15.5
・最高出力 140kW(190PS)/3,500rpm~4,000rpm
・最大トルク 400Nm(40.8kgm)/1,900rpm~3,300rpm
・燃料タンク容量 59L
・使用燃料 軽油
・トランスミッション 6速DSG
・タイヤサイズ 215/55 R17
・価格 ¥4,229,000
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