3代目X5は、先代と同じボディサイズ。ただし、Mスポーツは、なんと2m超の全幅!
初代BMW X5は2000年にデビュー。北米でのSUV人気を受けて、5シリーズをベースに開発されたBMW初のSUV。BMWの4輪駆動システムxドライブが採用され、卓越したオフロード走行性能をもったモデルだ。また、オフロード性能と同時に、BMWらしい少し硬めのサスペンションなどにより、オンロードのワインディングロードさえも苦にしない高い走行性能をもったSUVとして高く評価された。BMWは、こういったモデルをSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と独自に呼んでいる。
2代目BMW X5は、初代をさらに超える巨大化が施され、全幅は1,935mmまで拡大された。さらに、2012年1月にBMWのクリーン・ディーゼル・モデル第一弾として、直列6気筒のクリーンディーゼルエンジンが搭載された。2.2トン超の車重でありながら、燃費は11.0㎞/Lと優れ540Nmもの大トルクを発揮した。X5は全世界で130万台以上が販売された。
そして3代目となった新型BMW X5のプロポーションは、全長4,860×1,935×1,775mmとなっていて、2代目X5と同じだ。ただ、オプションのMスポーツパッケージを装着すると全幅は2mを超え2,010mmと、よりワイドになる。もはや、ちょっとしたトラック並みの全幅だ。
より広大になったラゲッジスペース
リヤビューは、LEDライトバーが配置され、L字型のリヤコンビネーションランプのデザインをより際立たせている。さらに、フロントホイールアーチ後方のエア・ブリーザーや、Dピラー後方に設置されたエアブレードなどを装備。その結果、このクラスで最高レベルの空気抵抗係数Cd値0.31を実現した。このデザインは、BMWドイツ本社の日本人デザイナー永島譲二氏が担当した。
インテリアは、複数の面を重ねるレイヤリングという手法を採用。陰影が際立つ立体的なデザインとすることで、空間の広がりを強調され、よりモダンで美しい室内空間を演出している。
ラゲッジルームは、先代モデルに比べ30L拡大し620Lとなり、更なる容量アップとなった。リヤシートのバックレストは、40:20:40の3分割タイプ。ニーズに合わせて後席を倒すことで、多彩な荷物を搭載可能だ。ラゲッジルームは、最大1,870Lとなり、こちらも先代モデルから120L拡大されている。
ラゲッジルームへのアプローチは、上部と下部に分かれて開閉する2分割式のテールゲートを開けることから始まる。小さな荷物は上部のみ、大きくかさばる荷物は上部と下部を開いて積み込むことが可能だ。上部のテールゲートには、オート機能があり自動で開閉でき、この機能は標準装備だ。
ガソリン2タイプと、進化した若干進化した直6 クリーンディーゼルがラインアップ
BMW X5 xDrive35iには、3L直列6気筒ターボエンジンが搭載されている。最高出力は、225kW(306ps)/5,800rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1,200-5,000rpmを誇る(参考値)。0-100km/h加速(ヨーロッパ仕様車値)は、6.5秒という瞬足ぶりを発揮。
X5のシリーズ中、最上級グレードとなるX5 xDrive50iには、4.4LV型8気筒ツインターボエンジンが搭載されている。先代モデルに比べ約10%向上の330kW(450ps)/5,500rpm、650Nm(66.3kgm)/2,000-4,500rpmを発揮。2.3トン超という重量級のボディを僅か5.0秒(ヨーロッパ仕様車値、従来モデルから0.5秒の向上)で時速100kmまで加速させる圧倒的な動力性能を誇る。燃費は8.6㎞/Lだ。
最新のドライビングアシストが、全車標準装備
ドライビングアシストは、カメラにより前方の監視を行い衝突の危険性が高まった際にドライバーに警告を発する「前車接近警告機能」、追突が不可避な場合ブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車線の逸脱をドライバーに警告する「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」の3つの機能が含まれている。また、歩行者検知機能の採用により、歩行者への接近に対しても、ドライバーへの警告と衝突回避・被害軽減ブレーキを作動させる。
ナビのモニターを使った安全・ドライビングアシスト機能も強化された。左右ドア・ミラーに内蔵のカメラによる車両両側の映像と、リヤビューカメラによる車両後方の映像を併せて、コントロールディスプレイに表示し駐車をアシストする「トップ・ビュー」に加え、車両前方および側方をパノラマ・ビューで映し出す「サイド・ビュー・カメラ」が、見通しの悪い路地や駐車場の出口などでの視認性を高め快適かつ安全なドライブに貢献する。
こういった機能をもつBMWのiDriveは、操作的にも安全性が高い。シフトノブ付近にあるダイヤルを押したり回したりするシンプルな操作で、多機能なナビをコントロールする。タッチパネル式のように、運転姿勢を変化させたりすることはない。さらに、揺れる車内では指で触るという行為も難しく、思った場所に触れることも難しいが、iDriveならダイヤル式で簡単だ。強いていうなら、操作工数が増えることくらいで、安全性を考えればiDriveが上だ。欧州車の多くがタッチパネルを使わないのには、こういった理由がある。
新型BMW X5のおすすめは、価格・維持費・燃費とバランスに優れたクリーンディーゼルのMスポーツ車
予算重視ということなら、xDrive35i M Sportが最安値で858万円。しかし、xDrive35d M Sportは880万円と価格差はわずか22万円。xDrive35d M Sportは、エコカー減税により免税扱いなので、この差はほぼ無いに等しく、装備類に次第だが場合によっては、xDrive35d M Sportの方が安くなる可能性もある。このあたりは、見積書をxDrive35d M SportとxDrive35i M Sportの2つ用意してもらい判断するといいだろう。
これらのことから、ガソリン車であるxDrive35i M Sportは、パワーや燃費、価格にと非常に買いにくい状態となっている。
どのエンジン搭載車もM Sportがおすすめだ。BMWのM Sportは、抜群の人気なので短期で乗り換える場合、リセールバリューも高い。乗りつぶすのなら問題ないが、5年以内で売る可能性があるのならM Sportが満足度も高くおすすめとなる。
BMW X5価格、燃費、スペックなど
・X5 xDrive35d SE ¥7,920,000
・X5 xDrive35d ¥8,210,000
・X5 xDrive35d xLine ¥8,640,000
・X5 xDrive35d M Sport ¥8,800,000
・X5 xDrive35i ¥7,990,000
・X5 xDrive35i xLine ¥8,420,000
・X5 xDrive35i M Sport ¥8,580,000
・X5 xDrive50i ¥10,690,000
・X5 xDrive50i xLine ¥11,620,000
・X5 xDrive50i M Sport ¥11,850,000
■BMW X5の主な標準装備
エンジン・オート・スタート/ストップ機能
ドラインビング・パフォーマンス・コントロール(ECO PROモード付)
バイ・キセノン・ヘッドライト(光軸自動調整機構/LEDスモールライト・リング/LEDアクセント・ライン付)
アダプティブヘッドライト(バリアブル・ライト・コントロール機能、コーナリング・ライト付)
PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(フロント&リヤ、ビジュアル表示機能付)
リヤ・ビュー・カメラ(予測進路表示機能付)
トップ・ビュー/サイド・ビュー・カメラ
ドライビング・アシスト*
■ レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)
■ 前車接近警告機能
■ 衝突回避・被害軽減ブレーキ
BMW SOSコール
BMWテレサービス
コンフォート・アクセス
オートマチック・テールゲート・オペレーション(オープン/クローズ)
電動フロント・シート(運転席&助手席、運転席メモリー機能付)
40:20:40分割可倒式リヤ・シート
HDDナビゲーション・システム(VICS3メディア対応)
10.2インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ
スピーチ・コントロール(音声入力システム)
インテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック
iDriveコントローラー(コントロール・ディスプレイ用、ダイレクト・メニュー・コントロール・ボタン、タッチ・パッド付)
地上デジタルTVチューナー(12セグ/ワンセグ自動切替)
USBオーディオ・インターフェース
ハンズフリー・テレフォン・システム
ETC車載器システム(ルーム・ミラー内蔵タイプ)
*:X5 xDrive35d SEは除く。
【関連記事】
- 【BMW X5 xDrive35d BluePerformance(クリーンディーゼル車)新車試乗評価】 もう、ガソリン車には戻れない麻薬的大トルク
- 【BMW X6 xDrive50i試乗評価】強力新兵器「X6」登場!頼もしいV8エンジンと贅沢を極める大ボディ
- 【BMW X1 試乗評価】クロスオーバーモデル「X」シリーズにエントリーモデルが登場!
- BMW新車情報・購入ガイド一覧
- BMW新車試乗評価一覧
- 【アウディ Q7 試乗評価】少食の巨大恐竜に進化! ちょっぴり環境に優しく進化したアウディQ7!
- 【アウディ Q5 試乗評価】ライバルひしめくプレミアムSUV市場に殴り込み! 低燃費とダイナミックな走りを両立した
- メルセデス・ベンツML新車情報 最新世代のエンジン、クラストップクラス空気抵抗地で大幅低燃費化を実現
- 【VW 新型 トゥアレグ ハイブリッド 新車試乗評価】ブランドよりも本当の価値重視! 今、最もクールなエコカー
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!