BMWは、昨年に新設されたクーペシリーズであるBMW4シリーズ に、早くもオープンエアが楽しめるオープンモデルBMW4シリーズ カブリオレを設定し発売を開始した。

　BMW4シリーズは、3シリーズ の中にあったクーペモデルを独立させた。4シリーズとし、クーペと割り切ったことで、よりワイド＆ローなフォルムになりスタイリッシュなフォルムへと変貌。また、BMWライナップ上、最も重心の低いモデルになり、スタイリッシュなフォルムと切れ味鋭い走りをもつ。そんな4シリーズクーペをベースにオープンモデルとしたのが、新型BMW4シリーズカブリオレといういことになる。

　基本的なスタイルは4シリーズクーペと同じだが、ルーフはリトラクタブル・ハードトップが採用されている。ルーフを開けている時には、さすがカブリオレといった印象で、圧倒的な解放感と優雅さをもつ。そして、ルーフを閉じた状態では、Bピラーのないクーペ特有のダイナミックなルーフラインで優雅さをアピール。ただし、ルーフを閉じた状態のルーフラインは、クーペの方が優雅に見える。カブリオレは、ルーフをたたみ収納するスペースが必要なためか、Cピラーが急激に縦方向へ落ちている。滑らかで緩やかに、トランク方向へ流れるクーペとは少々違った印象となる。このあたりのシルエットの差は、オープンエアを得るための代償かもしれない。

　ハードトップということで、静粛性も高いのが4シリーズカブリオレの特徴。さらに、吸音性に優れたルーフ・ライニングを採用し、遮音性を大幅に向上。先代の3シリーズ カブリオレと比較すると2dBの遮音性向上を実現した。

　ルーフの開閉は、走行速度18km/h以下であれば、センター・コンソールのボタン操作一つで、僅か20秒以内にハードトップを全開にすることが可能。いちいち駐車してから開閉する必要が無いのは便利だ。

　カブリオレで気になるのは、やはり積載性。BMW4シリーズ カブリオレには、後席があるのでここをラゲッジルームに使うこともできるが、やはりトランクルームは広い方がよい。ルーフを閉じた状態でのトランクルーム容量は、先代3シリーズ カブリオレに比べ、20L拡大し370Lを実現。ルーフを開けた状態では、10L拡大し220Lとなている。ボディサイズが3シリーズより大きくなっているので、当然ともいえる。

　カブリオレというと、ルーフを収納するため、積載性では一定の制約があった。そのため、実用性を求めるとカブリオレは選べないということにもなっていて、今までそれが当たり前となっていたのだが、BMW4シリーズカブリオレは、そんなデメリットをできるだけ解消しようという試みがされている。
電動式コンフォート・ローディングと呼ばれる機能は、これはトランクリッドのボタン操作一つで、トランクルームに格納されたルーフを持ち上げることが可能。これにより、ルーフをトランク・ルームに格納したままでも、収納スペースへの開口部を一時的に拡大することができるため、容易な荷物の出し入れができるようになった。

　さらに、スルーローディング・システム（可倒式リヤシート）は、後席とラゲージルームの間に大小2つの開口部を備えているので、色々な形態の荷物が積載可能となった。例えば、後席のバックレスト全体を倒すことにより、大きな荷物の積載が可能だ。また、新構造のロールオーバープロテクションが採用されたことにより、後席中央部のみを倒すことにより、乗員4人が座りながらスキーセットを積載することが可能となった。

　走行性能にこだわるBMWだけに、オープンボディとなったからといって、走りに関するこだわりを捨てるわけにはいかない。BMW4シリーズカブリオレには、4シリーズクーペにプラスしてフロント部分のボディとアンダー・フロアーに、新たにトーション・バーを追加して、優れたステアリング特性を確保している。

　BMW4シリーズカブリオレに搭載されるエンジンは1種類。3.0L直列6気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力225kW（306ps）/5,800rpm、最大トルク400Nm（40.8kgm）/1,200-5,000rpmを発揮し、0-100km/h加速（ヨーロッパ仕様車値）5.5秒というパワフルさを誇る。燃料は12.5km/Lを達成した。

　安全装備面では、カメラを使った「ドライビング・アシスト」を標準装備。ドライビング・アシストは、衝突の危険性が高まった際にドライバーに警告を発する「前車接近警告機能」、追突が不可避な場合ブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車線の逸脱をドライバーに警告する「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」の3つの機能が含まれている。カメラを使うことで、歩行者も認識。歩行者検知機能の採用により、歩行者への接近に対しても、ドライバーへの警告と衝突回避・被害軽減ブレーキが作動する。

　単にオープンエアを楽しむというだけでなく、積載性も高め実用性を強化。当然、走りはオープンボディだからといって妥協のないものとなった新型BMW4シリーズカブリオレ。セカンドカーとして使われるケースが多いクルマだが、ファーストカーとして日常的に使えるオープンモデルとして進化した。

　お勧めグレードは、やはり435iカブリオレM Sport（8,640,000円）だ。ベースモデルより38万円ほど高価だが、エアロパーツや19インチホイール、よりBMWらしい走りが楽しめるMスポーツサスペンションなどが装備されていて、38万円アップなら十分に納得できる装備内容だ。また、Mスポーツは、リセールバリューも高額になるケースが多いので、短期での乗り換えで有利のとなる。

■BMW435iカブリオレ価格
・435iカブリオレ　￥8,260,000
・435iカブリオレLuxury　￥8,460,000
・435iカブリオレM Sport　￥8,640,000

■BMW4シリーズ カブリオレ主要標準装備品
電子油圧制御式8速スポーツ・オートマチック・トランスミッション（スポーツ・オートマチッック・セレクター・レバー、ステップトロニック付）
バリアブル・スポーツ・ステアリング（サーボトロニック付）
ドラインビング・パフォーマンス・コントロール（ECO PROモード付）
バイ・キセノン・ヘッドライト（光軸自動調整機構／LEDスモールライト・リング／LEDアクセント・ライン付）
アダプティブ・ヘッドライト（バリアブル・ライト・コントロール機能、コーナリング・ライト付）
PDC／パーク・ディスタンス・コントロール（フロント&リヤ、ビジュアル表示機能付）
リヤ・ビュー・カメラ（予測進路表示機能付）
ドライビング・アシスト
　　　　　　　■ レーン・ディパーチャー・ウォーニング（車線逸脱警告システム）
　　　　　　　■ 前車接近警告機能
　　　　　　　■ 衝突回避・被害軽減ブレーキ
BMW SOSコール／BMWテレサービス
コンフォート･アクセス
マルチ・ファンクション・スポーツ・レザー・ステアリングホイール（シフト・パドル付）
電動フロント・シート（運転席&助手席、運転席メモリー機能、後席へのコンフォート・エントリー機能付）
ダコタ・レザー・シート
フロント・シート・ヒーティング（運転席&助手席）
ランバー・サポート（運転席&助手席）
BMWヘッドアップ・ディスプレイ
8.8インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ
HDDナビゲーション･システム（VICS3メディア対応）
iDriveコントローラー（コントロール・ディスプレイ用、ダイレクト・メニュー・コントロール・ボタン、タッチ・パッド付）
インテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック
ハンズフリー・テレフォン・システム
USBオーディオ・インターフェース
ETC車載器システム（ルーム・ミラー内蔵タイプ）