2シリーズクーペに対して、プラス80㎜ワイドになったボディ! その旋回性能、加速力は超刺激的!?
BMWの2シリーズは、少々複雑だ。2シリーズには、FRのクーペとカブリオレ があり、同時にFFのMPVである2シリーズ アクティブツアラー とグランツアラー が存在する。当然、今回のMモデルはFRのクーペモデルとなっている。
M2クーペは、かなりワイルドなクルマであることを予感させる。2シリーズクーペで、最もM2クーペに近いスペックをもつM235iボディサイズは、全長4,470x全幅1,775x全高1,410㎜なのに対して、M2クーペは全長4,475x全幅1,855x全高1,410㎜となっている。全長が+5mm、全高は0㎜と、それほど変更されていないのだが、全幅はなんと+80mm! かなり、ワイドなボディサイズとなった。このワイドボディ化により、前後のトレッドは前1,580/後1,600㎜とワイドトレッド化さらた。ホイールのサイズもそれに合わせF:245/35R19、R265/35R19という大径ホイールを履く。
サスペンション関連は、M4 クーペと共通のアルミニウム製フロント/リヤ・アクスルを採用。もはや、足回りは2シリーズクーペとはまったくの別物。ダブルジョイントスプリングストラット式フロント・サスペンションには、コントロールアームやホイールキャリア、アクスル・キャリアなどに軽量アルミニウムを採用し、スチール製に比べ約5kgの軽量化を実現。5リンク式リヤ・サスペンションは、コントロール・アームとホイール・キャリア全てを鍛造アルミニウム製とし、スチール製に比べ約3kgの軽量化を実現している。
搭載されたエンジンは、3.0L直6ツインターボで最高出力272kW(370ps)を6,500rpmで発揮する。最大トルク465Nm(47.4kg-m)は1,400rpmの低回転から5,560rpmまでの広い回転域で発生。さらに、オーバーブースと機能もあり、一時的に500N(51.0kgm)まで最大トルクが引き上げられる。N55B30A型とM235iと同じエンジン型式ながら、出力やトルク特性が全く異なる。
このMのエンジンは、まるで自然吸気エンジンのように高回転まで吹き上がるのが特徴。よどみなく回るフィーリングは、まさにMモデルといえるだろう。もちろん、サーキット走行に耐えられるように冷却系なども強化。オイルサンプカバーとサクションオイルポンプ、エンジン冷却ラジエターとトランスミッション・オイル・クーラーを追加採用している。ミッションは、7速M DCTが組み合わされた。
370psものパワーを後輪に効率よく伝えるアクティブMディファレンシャルが用意された。車速やアクセル開度、ホイールの回転速度、ヨーレートなどの車両情報から、介入が必要となる運転状況を前もって察知し、電子制御式多板クラッチによりリヤの左右ホイール間のロッキングファクターを0-100%まで自在に調整する。
こうした多くの専用パーツで構成されたBMW M2クーペの0-100km/h加速は、わずか4.3秒。コンパクトで軽量なボディとはいえ、FRでこのタイムは立派。かなりアグレッシブな走りが楽しめるモデルになっている。
クルマを素早く減速させることも、スポーツモデルに求められる重要な要素。M2クーペには、Mコンパウンド・ブレーキ・システムが装備され高い制動力と対フェード性を実現。ダークブルーのメタリック塗装が施されたブレーキキャリパー(フロント: 対向4ピストン、Mロゴ付き。 リヤ: 対向2ピストン)に、鋳鉄製ドリルドブレーキディスク(フロント:直径380mm。リヤ:直径370mm)とアルミニウム製ブレーキ・ディスク・ハブが組み合わせられた。サスペンションだけでなく、ブレーキ関連も他のモデルとはまったく違う。
インテリアには、高Gでもシッカリとドライバーの体を支えてくれる電動調節機能付サイド・サポートを備えたスポーツシート(運転席&助手席)が装備されている。表皮は、ブルーのステッチが施され、バックレストにはMロゴがエンボス加工されたブラックのダコタレザーシートとなっている。内装部分では、専用カーボンファイバートリム、アルカンタラのドアパネルなど、スポーティさとエクスクルーシブさを両立した室内空間としている。
スポーツモデルだからといって、安全装備などに関して手を抜くことはない。自動ブレーキ関連の安全装備ドライビングアシストを標準装備。ドライビングアシストは、車線逸脱警報や前車接近警告機能、歩行者検知式自動ブレーキなどを備えている。もはや、全世界的に歩行者検知式自動ブレーキ装備の流れとなっていて、BMWもいち早く国内モデルでにも標準装備化を進めている。大きく後れをとっているのは、日本メーカーばかりとなってきているのが現状だ。
また、よりスポーツドライビングを楽しめる仕掛けもある。走行中の様々なデータを取得できるスマートフォン用アプリ「BMW Mラップタイマー」をオプション設定。スマートフォンをUSB接続することで、車速、前後および横方向の加速度、エンジン回転数、使用したギヤ・ポジション、ステアリング・アングル、アクセルペダルの位置、そして、燃費を記録し、後にドライバーが自身の走りを検証することが可能。ドライビングスキル向上に役立つアプリだ。
BMW M2クーペ価格
BMW M2クーペ燃費、スペックなど
代表グレード | BMW M2クーペ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,475x1,855x1,410mm |
ホイールベース[mm] | 2,695mm |
トレッド前/後[mm] | 1,580/1,600mm |
車両重量[kg] | 1,580[kg |
総排気量[cc] | 2,979cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 370(272)/6,500rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 465/1,400-5,560rpm |
ミッション | 7速M DCT |
タイヤサイズ | F:225/45R17 R:245/40R17 |
燃費 | JC08モード 12.3km/L |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 7,700,000円 |
0-100km/h加速 | 4.3秒 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
BMW M2クーペの主な標準装備
リヤ・ビュー・カメラ(予測進路表示機能付)
ドライビング・アシスト
レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)
前車接近警告機能
衝突回避・被害軽減ブレーキ
BMWコネクテッドドライブ・スタンダード
BMW SOSコール
BMWテレサービス
ドラインビング・パフォーマンス・コントロール
アクティブMディファレンシャル
Mサーボトロニック(車速感応式パワー・ステアリング)
バイ・キセノン・ヘッドライト(光軸自動調整機構/LEDスモール・ライト・リング/LEDアクセント・ライン付)
コンフォート・アクセス
Mライト・アロイ・ホイールダブル・スポーク・スタイリング437M(鍛造)(ブラック)
(フロント)9J x 19ホイール+ 245/35R19タイヤ
(リヤ)10J x 19ホイール+ 265/35R19タイヤ
マルチファンクションMスポーツ・レザー・ステアリング・ホイール(シフト・パドル付)
電動フロント・シート(運転席&助手席、運転席メモリー機能)
スポーツ・シート(運転席&助手席、電動調節式サイド・サポート付)
ダコタ・レザー・シート ブラック/ブルー・コントラスト・ステッチ
可倒式リヤ・シート(60:40に分割可倒)
フロント・シート・ヒーティング(運転席&助手席)
カーボン・ファイバー・インテリア・トリム/ハイグロス・ブラック・ハイライト
BMW Individualアンソラジット・ルーフ・ライニング
8.8インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ
HDDナビゲーション・システム
iDriveコントローラー(コントロール・ディスプレイ用、ダイレクト・メニュー・コントロール・ボタン、タッチ・パッド付)
ハンズフリー・テレフォン・システム
USBオーディオ・インターフェース
ITSスポット対応DSRC車載器(ルーム・ミラー内蔵、ETC機能付)
BMW M2クーペ画像集
【関連記事】
- BMW 2シリーズ カブリオレ新車情報・購入ガイド 価値ある貴重なFRのコンパクトカブリオレ!
- BMW2シリーズクーペ新車試乗記/評価 日本マーケットにマッチしたボディサイズが生み出す、驚愕のパフォーマンスとは?!
- BMW 2シリーズアクティブツアラー試乗記・評価 立体駐車場OK! 都市型高密度パッケージングとなったFFのBMWの実力は?
- BMW 2シリーズ グランツアラー新車情報・購入ガイド 7人乗りFF BMWが登場。218dグランツアラーの燃費は21.3㎞/L! ハイブリッド車を超える燃料費経済性!?
- BMW 2シリーズ新車情報・試乗評価一覧
- BMW 1シリーズ新車情報・購入ガイド クラス唯一のFR車が、300万円を切る戦略的価格で、激戦Cセグメントクラスに再び勝負を挑む!
- BMW 1シリーズ新車情報・試乗評価一覧
- BMW新車情報・試乗評価一覧
- メルセデス・ベンツAMGモデル新車情報・試乗評価一覧
- フォルクスワーゲンGTIモデル新車情報・試乗評価一覧
- 日産ニスモモデル新車情報・試乗評価一覧
- トヨタG'sモデル新車情報・試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!