クライスラー日本は、ジープブランドのコンパクトSUV、新型Jeep Compass（ジープ・コンパス）を3月3日（土）より発売を開始する。

ジープ・コンパスは、兄弟車であるジープ・パトリオットとプラットフォームを共有するモデル。ジープブランドのエントリーモデルとして位置づけられる。パトリオットは、FFと4WDが用意されるが、新型ジープ・コンパスはFFのみとした割りきったモデルだ。

一般に我々がジープという名からイメージするのは、オフロードでの高い走破性をもつ4WDシステムと、タフでワイルドなスタイルを連想する。しかし、このジープ・コンパスというモデルは、そういったイメージを継承しつつも、今までのジープのイメージにとらわれることのないSUVとして登場した。ジープ・コンパスは、ハッチバックやクロスオーバーモデルが持つ快適性や機動性を提供するジープからの新しいシティークルーザーということになる。

そういった登場背景から、生粋のジープファンというよりはジープのイメージに共感するものの、泥臭さやタフさは必要ないという新しいユーザーへ向けた車種ということになるだろう。

フロントフェイスは、ジープ伝統の7本縦型スロットグリルを装備。これで、ジープブランドの一員であることをアピールする。グリルは各スロットをクロームで縁取り、よりシリアスで洗練されたルックスになっている。さらに、クォッドリフレクターヘッドライトと高出力プロジェクターフォグランプを採用。全体的に高さを抑えボディサイドへの広がり感を持たすことで、四角くタフなパトリオットなどのオフローダーとは違う洗練されたSUVらしさを表現している。

ルックスは洗練されたものの、インパネデザインはパトリオットとほぼ同じ。パトリオットで定評を得た60：40分割可倒式リアシートには、リクライニング機能が装備されており、フレキシビリティと快適性が高められている。また、助手席のシートバックを前に倒すとテーブル面として利用でき、スキー板などの長尺物の積載に便利な可倒式助手席も採用している。

新型ジープ・コンパスに搭載されるエンジンは、こちらもパトリオット同様の2.0L直列4気筒エンジン。CVTと組み合わされ最高出力 115kW（156ps）/6,300rpm、最大トルク190N・m（19.4 kg・m）/5,100 rpmを発生する。最近のエンジンは、低回転域で最大トルクを発生させいかにエンジンを回さずに走らせることで、低燃費化する傾向にあるが、このエンジンの最大トルクは5,100回転で発生。今時少ない高回転型だ。そのため燃費は良くない。JC08モード燃費で10.5km/Lという数値になっている。ちなみに、マツダCX-5の燃費16.0km/Lという数字と比べても、まだまだ努力が必要なエンジンスペックだ。

安全面では、ABS、ERM付きESP（横滑り防止装置）、フロント／リア サイドカーテンエアバッグ、フォースリミッター付プリテンショナー フロントシートベルトが標準装備されており、高いレベルにある。

また、同じアメリカメーカーとして、フォードエクスプローラーに代表されるように左ハンドルのみという日本マーケットを無視した設定ではない。右ハンドル仕様を導入しているは、クライスラーがまじめに日本マーケットに真摯に向き合っている姿勢で評価できる。

なにかと不安なアメ車の整備料金についても、所定の契約料を払えば、3年間の点検や規定の油脂や消耗部品が無料になるメンテナンスフォーユーというプログラムも用意されている。

実際に購入する場合は、円高還元も含め、有償のメンテナンスフリープログラムをサービスしてもらうなども必要だ。また、チェロキーに用意されている特別低金利ローン0.9％のような仕組みもジープ・コンパスに採用するなどしてほしい。輸入車が趣味クルマから脱却するためには、こういった買いやすさや不安を軽減するシステムが不可欠だ。

＜ジープ・コンパス価格＞

モデル：Jeep Compass Limited
ステアリング位置：右
メーカー希望小売価格（消費税込）：￥2,980,000

モデル：Jeep Compass Limited （パワー ガラスサンルーフ付1）
ステアリング位置：右
メーカー希望小売価格（消費税込）：￥3,080,000