フィアットは、パステルのボディカラーをまとい、ホワイトトリムでドレスアップした500（チンクエチェント） 1.2 POPの限定車フィアット500 Pastello」（チンクエチェント パステロ）の発売を開始した。この500 Pastello（チンクエチェント パステロ）は、3色合計300台限定となっている。

　500 Pastelloは、1957年にイタリアで発売された「Nuova（ヌオーバ） 500」のコンセプトを踏襲した限定車。1960-70年代に流行したパステルカラーに、当時の500に採用されていた、白を基調とした特別な装備を装着したレトロでポップな仕様となっている。Pastelloとは、イタリア語でパステル（淡い色合い）を意味している。今回は1960年代に販売していたニューエイジクリームとカントリーポリタンイエローに加え、現在人気のブルーヴォラーレの3色展開で、500ならではのカラーバリエーションの豊さを訴求している。

　フィアット500は、2008年3月に日本に導入。すでに、6年目に突入するモデル。登場してから6年目という数字だけを聞くと、もう随分経った古いモデルをイメージするかもしれない。しかし、このフィアット500を見ると、もう6年が経過したモデルとは思えないくらい新鮮にみえる。まさに、デザインの賞味期限が長いあまり例のないクルマだ。

　そんなチンクエチェントが、未だベストセラーでいられる理由のひとつが、今回発表されたフィアット500 Pastello（チンクエチェント パステロ）に代表されるような限定車だ。フィアット500は、スポーティモデルはもちろん、お買い得車、特別仕様車を用意してきた。さらに、まるでファッションが季節の変わり目などに変化するように、季節限定車のような限定車500 Pastelloまで投入する。微細な差ではあるものの、500のようなユニークなクルマを好む顧客層にとって、こういったモデルの登場は、とてもありがたいことでもある。同じ色、同じグレードばかりでは商品力は時間とともに風化する。しかし、これだけ多くの特別仕様車、限定車があると自分らしさや好みを反映させることができ、より自分だけの500となり商品力はよりアップするからだ。同じ500でも、あの500とはちょっと違う。些細だが、個性派オーナーにとっては重要なことなのだ。

　こういった手法は、メーカーにとってもいいことばかり。指名買いが多くなるので、多くの国産車のように値引き合戦での販売に巻き込まれなくて済むので、利益をより多く生む。とはいえ、出来る限り安く買いたいというのが、我々ユーザーの本音でもある。そのためには、500 Pastelloの指名買い！ ということを営業マンに悟られないことが大切。他の輸入コンパクトカーが本命で、フィアット500も比べてみたかった、くらいでファーストコンタクトを取るといいだろう。商談もいきなり500 Pastelloではなくベース車で商談。ある程度、値引きが出てから、対象車種を500 Pastelloに替えてみるのが効果的だ。最近の輸入車も、国産車同様値引き合戦が進んでいるので、必ず競合車と相見積りを取ることをおすすめしたい。

●フィアット500 Pastelloの概要
名称　500 Pastello（チンクエチェント パステロ）
□ボディカラーと販売台数
・ニューエイジクリーム ：140台（限定色）
・カントリーポリタンイエロー ：80台（限定色）
・ブルーヴォラーレ ：80台

□「START&STOP」システム搭載
□特別装備
-ホワイト＆クローム仕上げホイールキャップ
-ドアミラー＜ホワイト＞
-アンテナ＜ホワイト＞
-ボディ同色シフトノブ
-Pastello専用キーカバー

□全国メーカー希望小売価格 2,010,000円（消費税込）
ベース車両の500 1.2 POPは1,990,000円（消費税込）

●主要諸元（ベース車両：500 1.2 POP）
型式：ABA-31212
右ハンドル、4人乗り、車両重量990kg
直列4気筒SOHC 8バルブ（可変バルブタイミング付）
総排気量：1,240cc
最高出力：51kW（69ps） / 5,500rpm
最大トルク：102Nm（10.4kgm） / 3,000 rpm　
ATモード付5速シーケンシャルトランスミッション「デュアロジック」
タイヤサイズ：175 / 65R14
燃料消費率（JC08モード）19.4km/ ℓ（国土交通省審査値）
シートファブリックカラー：アイボリー／グレー