ホンダN-ONE新車情報・購入ガイドの目次
- プレミアムな軽自動車で一世を風靡したN-ONE
- 4つのスタイル別に分類した新グレード体系
- より静粛性を向上させ高級感をアップ。しかし、安全装備は物足りないまま
- ホンダN-ONEのグレード選び
- ホンダN-ONEの価格
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■プレミアムな軽自動車で一世を風靡したN-ONE
ホンダは、軽自動車のN-ONEをマイナーチェンジし発売を開始した。
ホンダN-ONEは、ホンダ渾身の軽自動車であるNシリーズの第3弾として2012年11月に登場した。プラットフォームなどの基本部分は、Nシリーズ第1弾となったN-BOXと同じものを使用。全高を1,610㎜に抑えながら、室内はN-BOXと同様に、ホンダのクルマづくりの原点となる「M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想」を受け継ぎ、大人4人がくつろげる空間を作り出している。
N-ONEは、単に実用重視のハイト系軽自動車という立ち位置ではない。ホンダ自らプレミアムな軽自動車とアピール。軽自動車というジャンルを超える上質なエクステリアとインテリアを採用している。上級グレードのターボモデルでは、高速道路などでの移動でも安心して走れるように、静粛性や力強い加速力、優れた操縦安定性が重視され開発された。ボディサイズのダウンサイジング化が進む中、上級モデルに乗っていた顧客の受け皿とするためという狙いもある。実用性重視の軽自動車は、N-WGNが担当するということもあり、割り切った仕様となった。
そのため、外観は愛らしい個性的なデザインとなった。このデザインは、名車と呼ばれるN360のデザインをモチーフにしたもの。親しみやすく長く愛されるハッチバックスタイルをもつ。オシャレな雰囲気をよりアピールするために、ボディカラーと異なるルーフ色を採用した2トーンカラースタイルを設定した。また、当時としては横滑り防止装置であるVSAを早くから標準装備化し、優れた安全装備をアピールしていた。
N-ONEの販売台数は、発売直後から大ヒットとなる。やや高価な価格帯ながら10,000台/月以上の販売台数を記録したことも少なくない。しかし、約1年後同じクラスとなる実用性の高く安価なN-WGNが登場してから、徐々に存在感を消していった。最近では、軽自動車販売台数ランキングベスト15にもランクされない状況が長く続いている。
こうした状況は、軽自動車の進化があまりに早いということもある。N-ONEには当時低速域の自動ブレーキが用意されていた。ライバル車よりもやや早く、こうした先進予防安全装備が用意されていた。しかし、今ではホンダセンシングのように歩行者検知式自動ブレーキが当たり前で、前走車追従式クルーズコントロールまで装備されている時代だ。燃費性能も含め、商品力という面で非常に厳しい状況になっている。
■4つのスタイル別に分類した新グレード体系
N-ONEのマイナーチェンジでは、本来、急速に進む軽自動車の安全装備や燃費向上が大きなテーマとなる。しかし、今回のマイナーチェンジでは、こうした重要な部分に関しては、ほぼ手が加えられていない。2代目N-ONEが出るのであれば、それまで細部の変更で延命措置をする方針のようだ。確かにN-ONEは、販売台数が激減していて、あえて高額な開発費をかけてのマイナーチェンジはしにく現状だ。
N-ONEのマイナーチェンジは、まずグレード体系を変更してきた。「Standard」・「Select」・「Premium」・「RS」という4つの世界観を表現。それぞれのグレードが、N-ONEの持つ個性を、より際立たせるためだ。
まず、「Standard」は、シンプルながら機能的。インテリアは見やすさと使いやすさにこだわり、すっきりと端正に仕上げた。つまり、価格重視のエントリーグレードということになる。このグレードには、ローダウンと呼ばれるモデルを用意している。ローダウンは、全高を1,545㎜としている。これは、日本の都市部に多い立体駐車場を使う顧客向けのグレード。日本の立体駐車場の多くは、全高制限が1,550㎜というものが多い。そのため、立体駐車場を使う顧客が全高が高いためN-ONEが買えないという機会損失を無くすためのものだ。
「Select」は、こだわりを感じさせる上品な佇まい。ブラウンとクロームメッキで仕上げたエクステリアと、ブラウンに統一したインテリアで、上品さとぬくもりを表現した。ウッド調パネルなども用意されており、なかなか落ち着いた雰囲気のインテリアになっている。
「Premium」は、洗練された上質さと重厚感を表現した。ブラックで上品に統一したインテリアに仕上げられていて、ブラックウッド調のパネルが高級感を演出。
「RS」は、走りのポテンシャルを感じさせる流麗なフォルムとした外観に、レッドをアクセントとしたインテリアを組み合わせた。レッドとシルバーのダブルステッチで仕立てたコンビシートは、なかなかスタイリッシュ。スチールヘアライン調のインテリアパネルが、クールな雰囲気をアップさせている。
■より静粛性を向上させ高級感をアップ。しかし、安全装備は物足りないまま
ホンダN-ONEの機能面での改良は、まず静粛性の向上。軽自動車では初となる、遮音機能付フロントウインドウガラスを採用。さらに、遮音材や吸音材を適切に配置することで、街中での加速や高速道路の走行でも室内へ流入するエンジン音を抑制し、より静かな室内空間を追求。静粛性の高さは、高級車としてひとつの大きな指標となる。静粛性を向上させることで、よりプレミアムな軽自動車としての価値をアップ。
利便性の向上は、全てのウインドウで紫外線(UV)を約99%と赤外線(IR)をカットする、「360°スーパーUV・IRカットパッケージ」を採用。室内の室温上昇を抑えるだけでなく、女性の日焼けへの悩みにも配慮。女性ドライバーへのメリットを高めた
そして、急速充電対応タイプの充電用USBジャック2個を追加。スマートフォンのナビを使いドライブなど、車内でスマートフォンを使うことは当たり前の時代。スマートフォンを使いながら充電できるという機能は、もはや必須だ。
今回のマイナーチェンジでは、安全装備の充実がされていない点が物足りない。今時、低速域の簡易型自動ブレーキさえオプション設定。サイド&カーテンエアバッグも自動ブレーキとセットとなるあんしんパッケージを装着しなくてはならない状況。
N-BOXに高性能な先進予防安全装備ホンダセンシング全車に標準装備しながら、N-ONEでは完全に安全装備面では大きく遅れを取ったままだ。歩行者検知式自動ブレーキなど安全装備を重視する顧客からは、支持されるというより購入リストにさえ入ることはできないだろう。安全面を重要視するのであれば、N-ONEのフルモデルチェンジを待つしかないといった状況だ。
■ホンダN-ONEのグレード選び
ホンダN-ONEのグレード選び。N-ONEのグレード選びは、自然吸気かターボかというエンジンの選択からだ。N-ONEはプレミアムな軽自動車ということもあり、余裕のある走りという面では、やはりターボ車がお勧めだ。ターボ車は多少燃費が悪くなるが、自然吸気車はあまりパワーが無いため、アクセルを多く踏み込む傾向になるため、実燃費ではそれほど大きな差にならない。街中中心で予算重視というのであれば、自然吸気エンジンになる。
グレード選びは、まずエントリーグレードのスタンダードを外したい。360°スーパーUV・IRカットパッケージや運転席ハイトアジャスター、フロントスタビライザーなどが装備されていない。これでは、とてもプレミアムな軽自動車とは呼びにくい。このグレードは、主に宣伝用の価格訴求用グレードだ。Standard・L以上から選んだ方がよい。
後は好みで選べばいいのだが、N-ONEはとにかく安全装備が物足りない。どのグレードにも自動ブレーキやサイド&カーテンエアバッグが標準装備化されていないので、オプションであんしんパッケージを選択する必要がある。それでも、最新のN-BOXとは大きな安全性能差があるので、覚悟して買うしかない。
■ホンダN-ONEの価格
・Standard FF 1,200,960円/4WD 1,331,640円
・Standard LOWDOWN FF 1,235,520円
・Standard L FF 1,330,560円/4WD 1,461,240円
・Standard LOWDOWN L FF 1,365,120円
・Standard Tourer FF 1,431,000円
・Select FF 1,420,200円/4WD 1,550,880円
・Select Tourer FF 1,520,640円/4WD 1,651,320円
・Premium FF 1,530,360円/4WD 1,661,040円
・Premium Tourer FF 1,641,600円/4WD 1,772,280円
・RS FF 1,740,960円
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