レクサスLS新車情報・購入ガイド デトロイトショー出展車 11年ぶりのフルモデルチェンジ! 5代目レクサスLS、2017年秋頃日本導入か? [CORISM]
「安全装備は儲からない」のきっかけとなった4代目レクサスLSの自動ブレーキは、140万円超のオプション!
レクサスLSは、1989年にデビューした。北米ではレクサスLSとされたが、日本ではトヨタブランドのフラッグシップ、セルシオ として発売された。圧倒的な静粛性とエアサスを装備されたモデルの乗り心地は、メルセデス・ベンツ やBMW などの欧州車にも大きな影響を与えたほどだった。
その後、セルシオの名で3代目まで販売される。そして、2006年にフルモデルチェンジし4代目となったタイミングでレクサスLSへと車名とブランドが変更。セルシオがレクサスLSとなったことで、トヨタブランドのフラッグシップモデルはクラウンマジェスタとなった。
この4代目となったレクサスLSは、かなり気合の入ったモデルだった。エンジンやミッションなど、多くのハードが新設計され、ロングホイールベースモデルやV8 5.0Lエンジンを搭載したハイブリッド 車LS600hも登場した。
このLSは、当時としては非常に高い安全装備が用意されていた。すでに、この時代にミリ波レーダーとステレオカメラを使った歩行者検知式自動ブレーキがオプション設定された。この自動ブレーキは、近赤外線により、夜間でも衝突回避を支援するナイトビューと呼ばれる機能や、後方プリクラッシュセーフティ機能などもあり、現在でもかなり高性能な機能をもっていた。ただ、この高性能な自動ブレーキのオプション価格は、現在では140万円を超える高額なオプションとなっている。
ここから、レクサスの安全装備に関する長い闇の時代が始まる。LSはすでに1,000万円を超える高額車になっていた。現在は、軽自動車 でも自動ブレーキが装備されている時代だが、当時、自動ブレーキに対する関心は低かった。さらに、140万円越えのオプションとしてしまったことから、装着率はゼロに近い数値となった。これは、関心が低かったことも、歩行者検知式自動ブレーキの存在をあまり知らなかったことや、価格が高価なこともあり、営業マンが顧客に勧めにくく、分かりやすい豪華装備のセールに力を入れてしまったなど、色々な要因があった。
本来ならば、上級グレードに標準装備化してもよかったはずだ。1,000万円を超えるクルマを買う富裕層には140万円価格がアップしても、それほど販売面で大きな影響は出ない。逆に、こうした最先端の装備が付いているからこそ、上級グレードを買う顧客は、自分のステータスが誇れるようになる。すべてのグレードにオプションとしたことから、まったく装備されない安全装備になり、結果的に「安全は儲からない」というイメージばかりが膨らんでしまったのだ。
安全は儲からない、このイメージが先行したため、これほどの最先端の安全装備を開発できたのに、レクサスの安全装備はイッキに停滞する。現在では、軽自動車でも当たり前となった、自動ブレーキだが、レクサス車で自動ブレーキが標準装備化されているモデルは、それほど多くないのが現状だ。
そして、新型レクサスLSは、こうした安全装備での失敗に対して、新開発のプリクラッシュセーフティ機能を開発した。今のところ、標準装備化されているかは不明だが、標準装備化しないと先代LSのような失敗を繰り返すことになる。
新開発されたプリクラッシュセーフティ機能は、近赤外線により、夜間でも衝突回避を支援するナイトビューに関しての記述はない。しかし、車両への追突、対歩行者、走路逸脱、交差点(出会い頭衝突)という、深刻な事故につながる4つの事故形態をカバーするほか、危険な状態に近づく前の「注意喚起」の領域でのドライバーへの情報提供から、衝突回避の領域における自動操舵を利用した「操舵回避」まで、事故の防止を支援する新機能を搭載した。
まず、自動操舵で衝突回避支援するプリクラッシュセーフティを世界で初めて採用した。進行方向に歩行者が飛び出してきた場合に、車両前方のカメラで衝突の可能性を検知。大型HUD(ヘッドアップディスプレイ)への表示により、従来の警報よりも早いタイミングからドライバーを危険な状態に近づけないよう注意喚起する。さらに、カメラとミリ波レーダーの情報に基づき自動でブレーキをかけ、ブレーキだけでは回避できないとシステムが判断した場合、車線内の回避スペースを見つけて自動的に操舵制御し、歩行者との衝突回避を支援する。世界初の自動操舵機能が加わったことで、歩行者衝突回避の性能が一段と進歩している。
新型レクサスLSは、こうした安全装備を得ているが、先代モデルのようにオプション化してしまっては意味がない。標準装備化かして、レクサスLSはすべてのグレードで、安全装備に差を付けず、世界トップレベルの安全性能を持っていることをアピールすべきだろう。
ライバルとなるメルセデス・ベンツSクラス で、日本に導入されているモデルはすべて、最も高い安全装備が標準装備化されている。これは、輸入元となるメルセデス・ベンツ・ジャパンが、メルセデス・ベンツの安全神話とブランドイメージをより強く打ち出すために、最も安全装備を充実させた仕様にして輸入している。
その後、4代目レクサスLSは、2012年に大幅なマイナーチェンジする。スピンドルグリルなどが採用されるなど、多岐にわたり深化した。すでに、LSはフルモデルチェンジから6年が経過。このタイミングでの大幅マイナーチェンジは、LSがしばらくフルモデルチェンジしないという意思表示でもあった。初期のLS顧客からは、いつまで同じモデルに乗らなければならないのか? と、不満もあり、そうした不満を解消するために、外観を含め大幅なマイナーチェンジとなった。
まるで、クーペのようなセダン!? 居住性は?
この新型LSから新開発GA-Lプラットフォームが採用されている。この新型プラットフォームを採用したことにより、より低く構えたスタイリングが実現できた。かなり傾斜されたAピラーにCピラー、小さいリヤウインドウとかなりクーペを意識したデザインが施された。これだけピラーを傾斜させると、セダンとしての居住性は十分なのか、心配してしまうくらい大胆なデザインだ。また、これまでの4ドアセダンとは一線を画す斬新なクーペシルエットを創りだすため、6ライトキャビン(車体側面にウインドウガラスが片側3枚ずつ、計6枚が配置された車体形状)デザインを採用。フロントからリヤまで抜けるシャープな基本立体から、フェンダーがダイナミックに突き出す構成としている。
ボディカラーには、色を表現する塗装膜を意匠と機能の2層構造に分けた塗装技術で、意匠層を乾燥させ、体積収縮させることで、光輝材の並びを向上。強い反射を実現することで陰影感を強調するレクサス独自の塗装技術ソニックをさらに進化。金属を削り出したような印象を与える新規開発色「マンガンラスター」を採用した。
フラッグシップモデルに相応しいラグジュアリー感あふれるインテリア
後席は、人を包み込む連続性のある空間を目指し、ドアトリムやシートバックがシームレスにつながる構成とした。また、シートにはタッチパネルでヒーターやリフレッシュ機能を設定できるオットマン付きパワーシートを採用し、クラストップレベルのレッグスペースによる開放感と合わせ、くつろぎの空間を提供した。
こうした優れたデザイン性や機能性に、トヨタらしい高い品質感が加わり、フラッグシップモデルに相応しいラグジュアリーな空間となった。先代LSとは、まったく異なる雰囲気となった。
3.5L V6ツインターボにダウンサイジングされたガソリン車。ハイブリッド車は?燃費は? 新型レクサスLSの日本発売は2017年秋?
搭載されるパワーユニットは、先代のV8 4.6Lからダウンサイジングされた新開発のV型6気筒3.5Lツインターボ。圧倒的な静粛性、フラットなトルク特性を活かした爽快な加速フィーリングを実現。さらにDirect-Shift 10ATとの組み合わせで、優れた環境性能や快適性と切れ味の良い変速をより高次元で両立した。出力は421ps&600Nmとなっており、先代LSよりもパワフルな設定となっている。
また、すでに発表されているクーペモデル、レクサスLC500hがある。このLC500hには、高回転化したV型6気筒3.5Lエンジンと走行用モーターに自動変速機構を組み合わせたマルチステージハイブリッドシステムが採用されている。システム出力は264kW。このハイブリッドシステムが、新型LSにも搭載される可能性もある。日本では、ハイブリッド車が中心になるだろう。新型LSには、どんなハイブリッドシステムが搭載されるかにも今後注目だ。
さて、新型レクサスLSの発売時期。レクサスLCが2017年春発売とされているので、その後になるだろう。恐らく、新型LSの投入は2017年秋頃と予想した。
レクサスLS500 デザイン動画
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