スバルはワゴンとSUVのクロスオーバー車であるスバル レガシィ アウトバックに特別仕様車グランドマスターを設定し、2014年2月27日に発売を開始する。

　スバル レガシィは2009年にフルモデルチェンジし5代目となった。このモデルから、北米での販売をメインとしたことから、ボディは大幅に拡大さらデザインも北米嗜好のものとなった。結果として、北米では成功を収めたものの、国内では今ひとつとう状態。そういった事情もあり、少しボディの小さいワゴンである新型スバル レヴォーグが国内専用車としてデビューする。

　ただ、新型レヴォーグが投入されることで、レガシィはよりスバルのフラッグシップモデルとしての価値が鮮明になった。そういった、フラッグシップモデルの価値をアピールする意味もあるのだろうか。今回投入された特別仕様車レガシィ アウトバック グランドマスターは、そんなメッセージを鮮明にしたモデルに見える。

　フラッグシップモデルのバリューを高めるために選ばれたグレードは、スバル車唯一の3.6L水平対向6気筒エンジンを搭載したレガシィシリーズ最上級グレードであるアウトバック「3.6Rアイサイト」だ。6気筒という滑らかなエンジンフィーリングと、335Nmという大トルクをもつエンジンは確かに魅力的だ。さらに、レギュラーガソリン仕様で、燃費もAWDで9.2㎞/Lとそれほど悪くないものの、3.6Lという中途半端な排気量と低燃費化が進む国内マーケットでは、もうほとど売れないグレードとなっている。

　そんなフラッグシップモデルであるレガシィ アウトバック3.6Rアイサイトをさらに高級感を高めるために、ナチュラルで質感高い艶消し木目調加飾をはじめ、ブラウンレザーシート（アイボリーステッチ・パイピング）など上質で温かみを感じる装備を採用。ゆったりとリラックスできるくつろぎある室内空間を実現した。

　エクステリアには、専用アルミホイールや大型ルーフレールを採用し、クロスオーバー車らしい力強さを表現している。さらに、サテンメッキドアミラーやダーク調のフロントグリルによって高級クロスオーバー車らしいラグジュアリー感を高めた。

　このレガシィ アウトバック グランドマスターの目標販売台数は、わずか30台/月。このことからも、販売台数を伸ばすというよりも、レガシィがスバルのフラッグシップモデルであるということを知らしめるためのモデルということをより感じさせる。

　その理由は、スバル レガシィは2009年デビューであることから、そろそろ6年が経過し、フルモデルチェンジの時期なのだ。すでに、北米ではレガシィコンセプトが公開されている。国内マーケットにおいて、新型レヴォーグが投入されることから、スバルのラインアップが一段と強固になる。そして、新型レガシィの登場となれば、シッカリと車種構成のヒエラルキーを構築しなければならないからだろう。

　価格的には、レザーシートや専用装備を考えるとお買い得感はある。3.6Rを買うのなら、グランドマスターがベストの選択だろう。ただ、そろそろフルモデルチェンジの車種であることを忘れてはならない。そうなると、慌てて今買うべきクルマではないということになる。

　どうしても買うということなら、やはり新型レガシィが登場してリセールバリューが下がることを見込んで、大幅な値引きを得て買うことが上手な買い物だ。諸費用などを含めると、400万円超というクルマで、エコカー減税の恩恵もない。せめて、消費税増税前の5％で買うことが前提になるだろうし、値引きも車両価格の10％以上はしてほしいところだ。

【レガシィ アウトバック「グランドマスター」主要装備】
＜エクステリア＞
・ 17 インチアルミホイール（ガンメタリック塗装＋切削光輝）
・ ダーク調フロントグリル
・ 専用サイドシルクラッディング
・ サテンメッキドアミラー
・ 専用大型ルーフレール（クロスバービルトインタイプ）
・ HID ロービームランプ（ブラックベゼル）
＜インテリア＞
・ ブラウンレザーシート（アイボリーステッチ・パイピング）
・ ブラウンアームレスト＆フロアコンソールリッド（アイボリーステッチ）
・ 艶消しダーク木目調加飾パネル
・ リヤシートセンターアームレスト（艶消しダーク木目調加飾＋金属調リングカップホルダー付）
・ USB 電源（フロント×2、リヤ×2、充電機能のみ）
・ オフディレイルームランプ（後席スポットランプ付）
価格： 3,780,000円