ＳＵＶ（スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル）とは呼ばずにＳＡＶ（スポーツ・アクティビティ・ヴィークル）と呼ばせるＢＭＷのＸ５の存在が浸透したところで、強力な新兵器としてＸ６が登場した。こちらはＳＡＣ（スポーツ・アクティビティ・クーペ）と呼ぶ４人乗りのフルタイム４ＷＤである。直列６気筒３リッターとＶ型８気筒４．４リッターのそれぞれツインターボエンジンを搭載する。今回Ｖ８ツインターボを搭載したＸ６にミュンヘン近郊で試乗してきたのでインプレッションをお伝えしよう。

　Ｘ６ xDrive50iは２．２トン以上もある巨体だが、その重さを感じさせることなくスイスイ走った。それはしっかりしたフロア回りを中心としたボディとサスペンション、さらにアクセルに対するレスポンスがいい低速トルクがたっぷりしたV8エンジンが良いからと評価していい。
　３リッターツインターボの直列６気筒を搭載したＸ６ xDrive35iを日本で乗ったときにはこれで充分じゃないかと思ったが、やはりアウトバーンに来てもっと速く走るためには４．４リッターツインターボのＶ８エンジンは頼もしく思える。アクセル全開で加速していくＭ３カブリオレに付いていこうとアクセルペダル床まで踏み込むと、２００ｋｍ／ｈまではＭ３カブリオレに遜色ない加速を味わえる。しかし２００ｋｍ／ｈを越えるころから少し加速が鈍って、空気抵抗の大きさを感じることになる。それでも２６０ｋｍ／ｈまではドンドン加速していき、そこで頭打ちになった。

　市街地や郊外の道のドライブも愉しんだが、アイポイントの高さによる視界の良さや、大きなボディのわりに取り回しが良く、クルマの大きさを感じることはなかった。
　大きなボディに４人乗りと、贅沢を極めるためのクルマであると評価しよう。

モデル名	Ｘ６ xDrive50i（日本仕様）
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	4885×1985×1690mm
車両重量［kg］	2330kg
総排気量［cc］	4394cc
最高出力［ps(kw)/rpm］	407kW〔300ps〕/5,500rpm
最大トルク［kg-m(N・m)/rpm］	61.2Nm〔600kgm〕 /1,750-4,500rpm
ミッション	電子油圧制御式6速AT
10・15モード燃焼［km/l］	6.3km/l
定員［人］	4人
税込価格［万円］	1090万円
レポート	こもだきよし