トヨタ プロボックス/サクシード新車情報・購入ガイド 12年ぶりなのにマイナーチェンジ!? 低燃費性能&安全装備、使い勝手が大幅向上!
マイナーチェンジを超えた大幅改良! 商用車がよいと、乗用車が売れる?
トヨタ は、商用バン のプロボックス とサクシード をマイナーチェンジし、2014年9月1日より発売を開始する。
トヨタ プロボックス/サクシードのデビューは2002年7月。なんと、12年ぶりのマイナーチェンジだ。トヨタ プロボックスとサクシードは、多目的に使える広い荷室や高い経済性など、商用車に求められる要件を徹底して追求したコマーシャルバンとして開発された。ビジネスを支えるプロの道具として、経営者ならびに多くのドライバーに支持されてきた。しかし、最近では日産ADが燃費で上回っており、やや古さが目立ってきた。
商用車の存在は重要で、仕事で使う顧客にとっては毎日使うトヨタ車になる。そのため、商用車の出来がよいと、プライベートのクルマもトヨタから購入のメニューリストに入れるパターンが多い。また、高級乗用車を乗る企業のオーナーは、トヨタ車の出来が良いと、自然と所有する商用車の保有もトヨタ車になる。商用車 と乗用車がシッカリとつながっているのが、トヨタの強さでもある。その結果、プロボックス/サクシードは、このクラスで63%もシェアを占めている。
しかし、商用車はモデルライフが長いとはいえ、12年振りでもマイナーチェンジというのは驚きだ。そんなこともあり、プロボックス/サクシードはもはやマイナーチェンジの枠を大きく超え、限りなくフルモデルチェンジに近い。
なんとプラットフォームは、フロント部を半分近く刷新した。それに伴い、サスペンションの構造を最適化。優れた操縦安定性と上質な乗り心地の高次元で両立。車両全体のロール剛性を高めたことにより、優れた緊急回避性能を実現。さらに、静粛性の向上や高速道路での安定感のある走り、燃費性能の向上にも貢献している。プラットフォームの大きな変更により、ボディそのものが大きく進化し、それに合わせて足回りもグレードアップしたということだ。
極端なことを言えば、商用車は購入する経営者側の視点から見れば、乗り心地やら静粛性などさほど問題ではなく、価格が重要。そういう視点から見れば、これほどの改良をしなくてもよいと思うが、結局、毎日乗る側とすれば、プロボックス/サクシードが良ければ自分のクルマ選びのメニューリストにまずはトヨタ車が入るため、長期的視点から見れば、これだけの大改良もトヨタ的には当然なのかもしれない。
懸案事項の燃費は、ライバル日産ADを超えエコカー減税対応に! さらに、安全装備も高めライバルを大きくリード!!
そして、プロボックスの1.3L車には低燃費を誇る1NR-FEエンジンを新搭載した。1.5L車は継続して1NZ-FEが搭載されている。組み合わされるミッションは4ATから、CVTに変更された。この組み合わせで、クラストップの燃費性能を実現。全車「エコカー減税」の対象としている。
ここまでやりながら、アイドリングストップ機能が付かないのは、アイドリングストップ機能嫌いのトヨタらしい仕様となっている。燃費はなぜか1.5Lの方が良く18.2㎞/L、1.3Lが17.6㎞/Lとなった。日産ADの1.5L FFが17.4㎞/Lなので、今まで負けていた燃費性能でも上回ることができた。ただし、最小回転半径はプロボックスが4.9mに対して、ADは4.7m。小回り性能ではADが上回る。1.3L車以外には、ほぼすべてのグレードに4WD 車が設定されていて、積雪地域の顧客も幅広いグレードから選ぶことができる。
それでも、安全装備に対する装備のアップは高く評価できる。横滑り防止装置(VSC)、TRCやヒルスタートアシストコントロールが全車標準装備となった。とくに、横滑り防止装置はロングライフ重視で硬く滑りやすいタイヤを使う商用バンにありがたい装備。タイヤのグリップ不足を補い横滑りを防止し、事故を防いでくれる。ライバル車となる日産AD には、オプションでも装備できない。車両価格だけでなく、本気で社員の安全を願う経営層なら、プロボックス/サクシードを選ぶべきだろう。
使い勝手面も大きく進化。日々よく使うもの、必要なものを収納するスペースを運転席まわりに集約。携帯電話やスマートフォンのホルダーをはじめ、A4のバインダーなどを置くトレイやビジネスバッグ専用のスペース、そして飲み物や弁当を置くテーブルなどを手の届くところで腰から上の高さに配置されている。限られた車内空間を効率よく使える設定になった。
また、長時間の運転にはシートが重要。疲れにくく快適な新型シートを採用ドライバーをフォロー。最新のシート骨格の採用をはじめ、座面やシートバックの形状を最適化して腰から背中へのフィット感を改善している。また、運転者の体格に合ったシートポジションを設定しやすくするシートスライド、シート上下の可動量を拡大するとともに、リクライニング可動量も76度まで拡大した。これだけ拡大してくれれば、ちょっとしたお昼寝も快適だ。
トヨタ プロボックス/サクシードの価格は、ややアップしたものの、エコカー減税分と燃費差分で多少取り戻せる。
トヨタ プロボックス/サクシード価格、スペックなど
■トヨタ プロボックス/サクシード価格
<プロボックス価格>
・DX 1NR-FE(1.3L) FF 1,317,600円
1NZ-FE(1.5L) FF 1,437,382円 4WD 1,652,400円
・DXコンフォート 1NR-FE(1.3L) FF 1,354,909円
1NZ-FE(1.5L) FF 1,473,709円 4WD 1,688,727円
・GL 1NR-FE(1.3L) FF 1,425,600円
1NZ-FE(1.5L) FF 1,545,382円 4WD 1,760,400円
・F 1NZ-FE(1.5L) FF 1,583,673円 4WD 1,798,691円
<サクシード価格>*全車1NZ-FE(1.5L)
・U FF 1,437,382円 4WD 1,652,400円
・UL FF 1,473,709円 4WD 1,688,727円
・UL-X FF 1,545,382円 4WD 1,760,400円
・TX FF 1,583,673円 4WD 1,798,691円
代表グレード | トヨタ プロボックスDXコンフォート 1.3L車FF |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,245×1,6901,525mm |
ホイールベース[mm] | 2,550mm |
トレッド前/後[mm] | 1,485/1,465mm |
車両重量[kg] | 1,090kg |
総排気量[cc] | 1.329cc |
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] | 70(95)/6,000rpm |
エンジン最大トルク[N・m(㎏-m)/rpm] | 121(12.3)/4,000rpm |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 155/80R14 |
JC08モード燃費 | 17.6㎞/L |
定員[人] | 2/5人 |
税込価格[円] | 1,354,909円 |
発売日 | 2014/9/1 |
レポート | 編集部 |
写真 | トヨタ |
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