より上質感のあるMODAを投入! ダウンサイザーや個性派がターゲット!
トヨタ は、コンパクトカー のパッソ をフルモデルチェンジし発売を開始した。
新型トヨタ パッソは、ダイハツ ブーン と姉妹車関係にあるコンパクトカー。ダイハツが企画・開発から生産までの全てを担当した。
フルモデルチェンジした新型トヨタ パッソは、2つのボディデザインが用意されたのが特徴。ベーシックなXグレードに加え、MODAと呼ばれる新グレードが加わった。MODAは、基本的に上級グレード車となっていて、より上質感あるデザインや装備が魅力のグレードだ。これは、主に上級車からのダウンサイザーの受け皿や、より個性的なモデルが欲しいというニーズの多様化に対応している。
売れ筋グレードとなりそうなXグレード系は、先代のいかにも可愛いというデザインとは異なり、全体的にキリリとしたヘッドライトに、張りのあるたくましいフェンダーラインなど、かなり男性的になった。従来のパッソは、いかにも女性をターゲットにしたモデルだったが、新型パッソは男性でも乗れるデザインになっている。
新グレードのMODAは、上質感と愛嬌のあるフェイスが特徴。MODA専用のフロントグリルは、サテンメッキを施した質感をアップ。さらに、LEDのロー&ハイビームとクリアランスランプを組み合わせたBi-Beam LEDヘッドランプを装備。LEDクリアランスランプは、リング状に点灯することで夜間でも存在感を主張する。コンパクトカーにも高いクオリティを求める顧客向けと言える。
進化した1.0Lエンジンを搭載し燃費は28.0㎞/L! 最小回転半径は軽自動車並みの4.6mと使い勝手は抜群
新型パッソXのボディサイズは、全長3,650×全幅1,665×全高1,525mmとなっている。先代モデルと比べると全高が10mmほど低くなっている程度でほぼ同等のボディサイズをもつ。ボディサイズは同じだが、クルマの土台となるプラットフォームは大幅に改良された。
その結果、ホイールベースは50㎜も伸ばされている。ホイールベースの延長により室内スペースは拡大され、前後乗員間距離は940㎜となり、先代に比べ+75㎜となっている。後席スペースは、クラストップレベルの広さとなった。
一般的にホイールベースを伸ばすと、最小回転半径が大きくなり、狭い道などでの使い勝手が悪くなる。しかし、ホイールベースを伸ばしながらも先代の14インチタイヤ装着車より0.1m小さくし4.6mとした。この使い勝手の良さは軽自動車並み。ダイハツ ミライース は、さらに優れていて4.4mだが、スズキ アルト は4.6mと同じだ。
インテリアは、限られたスペースをいかに広く見せるかというデザインが採用されていて、ワイド感を強調する水平基調のインストルメントパネルとなっている。MODAには、専用アクセントカラー(マゼンタ)をオーディオクラスター、サイドレジスターリング、シート表皮などに施し、上質でオシャレな空間としている。
新型トヨタ パッソに搭載されるエンジンは、従来あった1.3Lは姿を消し、直31.0Lの1KR-FE型のみとなった。比較的新しい低燃費エンジンだが、さらに進化している。吸気ポートのデュアルポート化、インジェクターのデュアル化、噴霧の微粒化により燃焼効率が向上。高タンブル化やピストン形状の最適化により圧縮比を12.5に高め、2WD車の燃費は28.0km/L。 4WD車 には、ようやくアイドリングストップ機能が採用され24.4km/Lを達成している。もちろん、エコカー減税の対象になっている。
こうした低燃費性能は、エンジンだけでなくボディの軽量化も貢献している。車重は910㎏となっているが、衝突安全性能やボディ剛性の向上など、性能向上させた分がやや重くなったのだが、フロントフェンダーやバックドアなどの一部を樹脂化するなどで、先代と同様な910㎏を維持した。樹脂パネルなどは、すでに軽自動車のタントなどにも採用され、ダイハツが積極的に進めている軽量化技術だ。
サスペンションには、フラットな乗り心地と安心感ある走りを実現。フロント及びリヤサスペンションにスタビライザーを採用(2WD)。過多なロールを抑制し、操縦安定性を向上させている。さらにフロントサスペンションでは、ショックアブソーバーに大径シリンダー、大径ロッドを採用し、剛性向上による操縦安定性とフリクション低減による乗り心地を向上。また、リヤサスペンションでは、トーションビーム(2WD)のねじり剛性を高めた。走りの質感も大幅に向上しているようだ。
残念! 歩行者を検知するも自動ブレーキは作動せず。また、スマートアシストIIが非装着モデルも
自動ブレーキなどの安全装備面は、やや物足りない状況になっている。ダイハツが開発していることもあり、自動ブレーキ関連はスマートアシストIIが採用されている。スマートアシストIIは、衝突警報機能(対車両・対歩行者)、衝突回避支援ブレーキ機能(対車両)、誤発進抑制制御機能(前方・後方)、車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能の5つの機能でドライバーをサポートする。対歩行者に関しては、警報を発するものの自動ブレーキは作動しない点が残念なポイント。軽自動車 のスズキ スペーシア などには、歩行者検知式自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートが用意されている。
さらに、日産はすでに全車に自動ブレーキの標準装備化を公表している。今時、コンパクトカーとはいえ、自動ブレーキが用意されていることは当然ともいえる時代になっている。コンパクトカーは、多くの高齢者や初心者などが乗るケースが多い。絶対に避けたいのは、歩行者とクルマの衝突事故だ。高齢者や初心者ほど、そのリスクは高まるだけに、歩行者検知式自動ブレーキの標準装備化は必要だ。とくに、トヨタのように、販売台数の多いメーカーは社会的な責任も大きいだけに、早急な歩行者検知式自動ブレーキの標準装備化が望まれる。新型パッソは、歩行者検知式自動ブレーキでないだけでなく、全車標準装備化されてもいない。
価格的な魅力あり! 軽自動車との差別化は?
新型トヨタ パッソの選び方。排気量はすべて1.0Lなので、排気量の選択で悩む必要はない。その次は、Xグレード系にするか、MODAにするかという選択だ。より高級感が重要というのであればMODAという選択になる。Xグレードの価格は、1,150,200円とリーズナブル。まさに、日々の足として使うにはいいが、少々装備は貧弱。X Sも同様。そうなると、X LパッケージS(1,317,600円)以上がお勧めとなる。注意したいのは、X Lパッケージだとやや価格が安いのだが自動ブレーキのスマートアシストIIが装備されていない。今時、自動ブレーキの無いグレードは選びにくい。また、中古車マーケットでも自動ブレーキの人気は高いので、自動ブレーキ無しのグレードを選ぶとリセールバリュー面でも不利になる。
そして、MODAは上質さが魅力なグレードなので、SかGパッケージがお勧めだ。それ以外だと自動ブレーキのスマートアシストIIが装備されていないからだ。Gパッケージになると、14インチのアルミホイールやLEDフォグランプ、オートライトなどが装備されている。ただし、MODA Gパッケージの価格は1,657,800円と高価になる。
このクラスのコンパクトカー選びの悩みは、やはり税制上で優遇される軽自動車との差があまりない点だ。価格的には、1.0L車でありながら、軽自動車ハイト系 並みの価格だ。軽自動車のスーパーハイト系 になると、新型パッソより高額になる。居住性面では、軽自動車も非常に優れているので微妙な選択となる。
トヨタ パッソ価格
●2WD(FF)
・X 1,150,200円
・X“S” 1,215,000円
・X“L package” 1,252,800円
・X“L package・S” 1,317,600円
・X“G package” 1,447,200円
・MODA 1,431,000円
・MODA“S” 1,495,800円
・MODA“G package” 1,657,80円
●4WD
・X 1,323,000円
・X“S” 1,387,800円
・X“L package” 1,425,600円
・X“L package・S” 1,490,400円
・X“G package” 1,620,000円
・MODA 1,603,800円
・MODA“S” 1,668,600円
・MODA“G package” 1,830,600円
トヨタ パッソ燃費、スペックなど
代表グレード | トヨタ パッソX LパッケージS |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,650×1,665×1,525mm |
ホイールベース[mm] | 2,490mm |
トレッド前/後[mm] | 1,465/1,475mm |
車両重量[kg] | 910kg |
総排気量[cc] | 996cc |
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] | 51(69)/6,000 |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 92(9.4)/4,400rpm |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 165/65 R14 |
JC08モード燃費 | 28.0km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 1,317,600円 |
発売日 | 2016/4/12 |
レポート | 編集部 |
写真 | トヨタ |
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