VWのフラッグシップとなったCC
VW CCは、2008年11月に導入さられたVWパサートCCの後継モデルに当たる。CCとは、Comfort Coupe(コンフォート クーペの略で、多少後席のスペースを犠牲にしながら、スタイリッシュなスタイルを優先したモデル。こういったスタイルは、ドイツでも人気でメルセデス・ベンツのCLSや、BMW6シリーズグランクーペなど、各社こだわりのモデルが用意されている。
今回のフルモデルチェンジで、車名をパサート CCからVW CCに変更。その理由は、CCがVWの最上級セダンであるフェートン(日本未導入)と日本でも昨年6月の発売以来、エンジンのダウンサイジングが好評のパサートとの間に位置するモデルとなったことにある。パサートの派生車種というよりは、フェイトンとパサートの間の新規車種とすることで、VWのラインアップをより魅力的に見せることができるという目的もあり、パサートよりも高価な価格せってもできるという狙いもある。
新型VW CCは、前モデル同様にワイド&ローな優雅なフォルムはウリだ。ボディサイズは、パサートより完全にひと回り大きい。全幅はパサートより+35mmワイドになり1,855mmに。全高は逆に-65mm低くなり、1,425mmとなっている。
デザインは、最新のVWデザインを踏襲。フロントおよびリヤ部分を水平基調のデザインに改め、ルーフからリヤエンドにかけて伸びやかに弧を描くサイドシルエットが優雅さをアピールする。
インテリアは、シートに上質なナパレザーを全席に採用。シートカラーはブラックの他に洒落た茶色系のトリュフ&チタンブラック、明るいデザートベージュ&チタンブラックを用意した。お洒落なカラーコーディネートながら、エモーショナルな雰囲気とは真逆にある相変わらずマジメなデザインが特徴で、安心感のある空間を創り出している。
また、フロントガラスには遮音フィルムを内蔵するほか、ボディ随所に遮音材を追加することで、上級モデルにふさわしい優れた静粛性も確保した。
搭載されるエンジンは、1.8LのTSIと7速DSGトランスミッションという組み合わせ。118kW(160PS)/4,500 - 6,200rpm 、250Nm(25.5kgm) /1,500-4,500rpmというパワー&トルクを発揮する。1.4Lエンジンを搭載するパサートより、排気量が大きくなったため、ひとクラス上の更に余裕のある走りが可能だ。
また、ブレーキエネルギー回生システムを採用。燃費はJC08モードで13.4km/Lとエコカー補助金の対象となる。
超円高が続く日本において、円高利益還元的ともいえる初回車検までの法定・メーカー推奨点検部品、工賃が無償になる Volkswagen ServicePLUS が無償付帯されている。輸入車はメンテナンスにお金がかかるというイメージを、少しでも払拭するための施策。最近では、他の輸入車メーカーも取り入れている方法だ。
安全装備は、標準モデルでも十分。さらなる安全装備として、プリクラッシュブレーキシステム、レーンチェンジアシストシステムなどの先進安全装備は、「テクノロジーパッケージ」としてオプション設定されている。
クーペまでは割り切れないが、後席のスペースもそこそこあり、個性的でスタイリッシュなクルマが欲しいと望む顧客にとって、まさにピッタリな1台となりそうなVW CC。国産セダンマーケットは、一部の車種を除きドンドンと輸入車へシフトする中、着実にラインアップを強化するVW。超円高を追い風に、価格も国産セダンとの差が着実に少なくなってきている上に、不安を払拭するメンテパックも無償だ。輸入車ビギナーでも、安心して買えるクルマといえるだろう。
<VW CC価格>
・CC 1.8TSI ¥4,990,000
CC 1.8TSI Technology Package ¥5,240,000
<テクノロジー パッケージの装備>
① アダプティブクルーズコントロール“ACC”(全車速追従機能付)
車体のフロント部分(VW エンブレム)に内蔵した高感度レーダーで先行車両を識別し、自動的に加減速しながら、予め設定した車間距離を維持するクルーズコントロールシステム。
② プリクラッシュブレーキシステム Front Assist(低速域追突回避・軽減ブレーキシステム)
ACC の拡張機能として作動するこのプリクラッシュブレーキシステムは、ACC と同じレーダーを用いて
前方の車両や障害物を感知すると、即座にドライバーに警告(警告灯+ハンドルの振動)。時速 30km/h 未満で走行中に静止障害物を検知すると、システムが自動的にブレーキを作動させて状況によって完全に停止する。
③ レーンチェンジアシストシステム“Side Assist Plus”
レーンチェンジアシストシステム“Side Assist”にレーンキープアシストシステム“Lane Assist”を統合した最先端の安全装備。“Side Assist”は車両後方のセンサーが、後方からの接近車両を感知すると、ドアミラー内蔵のインジケーターを点滅させてドライバーに警告する。”Lane Assist”は、フロントガラス上部のカメラで走行中の車線を監視して、ドライバーの意図しない車線逸脱を感知すると警告音、警告灯、さらにはステアリングに振動を与えてドライバーに警告を発すると同時に ステアリングを補正して軌道を修正します。車線変更時に他車との接触の危険を効果的に軽減する。
<標準装備の内容>
・ドライバー疲労検知システム“Fatigue Detection System”
ドライバーのステアリング操作を監視することで、長時間運転などによるドライバーの疲労を検知するとフルカラーマルチファンクションインジケーターの表示で休息を促すほか、警報音を発して集中力の低下を警告。
・DCC(アダプティブシャシコントロール)
さまざまな走行状況に合わせて、瞬間的かつ連続的にダンパーの減衰力や電動パワーステアリングの
特性を制御することで、ドライバーの意思に応える走りを提供。日常走行に適した「ノーマル」快適な乗り心地の「コンフォート」、俊敏性を高める「スポーツ」の 3 種類をスイッチ一つで選べる。
・18 インチ モビリティタイヤ
VW CCに全車標準装着されているこのタイヤは、タイヤのトレッド内側に塗られた特殊高分子ポリマーの粘着特性を利用して、直径 5 ミリ未満のクギなどの突起物が貫通した場合でも、瞬時に穴を自己修復して、継続して走行することができる。
代表グレード | VW CC |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,815×1,855×1,425mm |
ホイールベース[mm] | 2,710mm |
車両重量[kg] | 1,540kg |
エンジン | 直4DOHCインタークラー付きターボ |
最高出力[kw(PS)/rpm] | 118(160)/ 4,500-6,200 |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 250(25.5)/1,500-4,500 |
トランスミッション | 7速DSG |
燃費[km/L](JC08モード) | 13.4km/L |
定員[人] | 5人 |
日本発表日 | 2012年7月24日 |
写真 | VW |
【関連記事】
- 【フォルクスワーゲン パサートCC 試乗記】スタイリッシュだけど実用性も文句なし
- VWザ・ビートル試乗記 かわいいクルマなら、会話も弾んで楽しいドライブに! 女子高校生レポーターが助手席チェック!
- VW車試乗記一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!