フォルクスワーゲン ザ・ビートル(The Beetle)新車情報・購入ガイド メルセデス・ベンツには負けられない! 首位奪還を狙い、まずはビートルを値下げ?
ザ・ビートル・ベースの価格は約230万円と安いが、やはり装備を考えるとザ・ビートルデザイン(260万円)がお勧め!
フォルクスワーゲン は、フォルクスワーゲンのアイコンとも呼べる「ザ・ビートル(The Beetle)」 のエントリーグレードとして、「ザ・ビートル・ベース(The Beetle Base )」を新設定し発売を開始した。
フォルクスワーゲン ザ・ビートルは、2012年に日本デビュー。3代目ビートルとなった。初代ビートルは、フォルクスワーゲンの原点ともいえるモデルで、1938年から 2003年の生産終了まで66年間とう長期に渡り世界中で2,150万台以上が販売された。カブト虫にというニックネムで世界中で愛されたクルマだ。2代目ビートルは、1999年にデビュー。あのビートルが復活ということで、世界中が熱狂した。
今回、新設定されたザ・ビートル・ベースの価格は、2,299,000円。ザ・ビートルシリーズ中、最安値のグレードとなっている。ザ・ビートル・ベースは、シンプルな仕様ながら必要十分な走行性能と装備で、
世界中の人々に愛され続けている初代「ビートル スタンダード」を彷彿させるモデルだという。
この新グレードであるザ・ビートル・ベースの装備は、なかなか割り切った仕様となっている。ひとつ上のグレードのザ・ビートル デザインと比べると、スタティックコーナーリングライトやオートライト、フォグランプ、レインセンサー、自動防眩ルームミラー、スマートエントリー、クルーズコントロール、レザー巻きのステアリング/ハンドブレーキ/シフトノブ、アルミホイールなどが省かれている。また、純正ナビはオプションでの装着も不可となっている。
かなりシンプルな装備内容になっているが、安全装備であるサイドエアバッグが省かれていない点などは、好感がもてる仕様だ。
ザ・ビートル デザインの価格が2,600,000円なので、価格差は約30万円。装備差が30万円分相当かというと、少々微妙なのだがフォルクスワーゲン的には、このエントリグレードであるザ・ビートル・ベースの価格設定を230万円を切った価格にしたかったという狙いを感じる。
こうしたグレードは、いわゆる囮グレードと呼ばれるもので、多くのメーカーがやる手法のひとつ。ほとんど売るつもりの無い、とにかく安価なグレードを設定し、テレビCMやチラシなどの広告でザ・ビートルは2,299,000円からとアピールしたいのだ。こうすることで、顧客は安いと判断し店舗に行くきっかけを生み出している。店舗まで顧客の足を運ばせてしまえば、後は営業マンの営業力次第。顧客は最終的に、装備が充実した売れ筋グレードであるザ・ビートルデザインを購入するパターンとなる。
こうした新グレード設定の他に、売れ筋グレードとなるザ・ビートル デザインも変更を受けている。従来モデルよりレインセンサー、オートライトシステムや、スマートエントリー&スタートシステム“Keyless
Access”を新たに装着しながら、価格を49,000円下げ、260万円としている。
このように、エントリグレードの価格を引き下げ、顧客にフォルクスワーゲンの店舗に来店させるきっかけを与え、装備類を考えると、実際に買うのは売れ筋グレードであるザ・ビートル デザインということになる。ザ・ビートルデザインの価格も引き下げ、より魅力的に見せているのもなかなか戦略的だ。
また、トップグレードともいえるザ・ビートルターボは、従来標準装備していたナビゲーションシステムをオプション化。顧客ニーズの高かったオプション「Coolsterパッケージ」(3連メーターやバイキセノンヘッドライトなど)を、標準装備し価格を266,000円下げ、3,349,000円という価格設定としている。このモデルは、なかなかお買い得感のある設定となっている。
ポロ、ゴルフといった値下げもあるのか? それほどゴキゲンでない、フォルクスワーゲンの現状とは?
フォルクスワーゲンは、2015年1月にザ・ビートル など一部の車種を除き価格を引き上げている。そういう状況下であるのなら、ビートルも価格引き下げということはしたくないはずと予想できる。しかし、価格を引き下げざる負えない理由がある。それは、メルセデス・ベンツ の存在だ。
フォルクスワーゲンは、15年連続で輸入車販売台数ナンバー1を続けてきた。しかし、今年の上半期にはメルセデス・ベンツに首位の座を奪われた。16年連続輸入車販売台数ナンバー1に黄色信号が点滅したのだ。すでに、その兆候は2014年からあったこともあり、フォルクスワーゲンは2015年4月に新ブランドコミュニケーションである「ゴキゲン♪ワーゲン」をスタートし、ブランド強化に乗り出した。
フォルクスワーゲンの本国ドイツから見れば、大衆車でもあるフォルクスワーゲンがより高額な価格帯となるメルセデス・ベンツに販売台数で負けるというのは、理解できない状況だろう。新ブランド戦略のスローガンは「ゴキゲン♪ワーゲン」なのだが、フォルクスワーゲン側はゴキゲンではいられない切羽詰った状況になっているのだ。
フォルクスワーゲンのビートルは、フォルクスワーゲンの販売台数にそれほど大きなインパクトを与えるような車種ではない。そう考えると、フォルクスワーゲンはザ・ビートルで価格引き下げのテストを行っていることが十分予想できる。もし、ザ・ビートルが価格引き下げて販売台数を伸ばし、価格引き下げが販売台数に効果があると判断されれば、ポロ やゴルフ といったメイン車種の価格引き下げの可能性も出てくるだろう。
また、すでにフォルクスワーゲンは、ポロやゴルフ、ゴルフヴァリアント を対象に金利0%、メンテナンス費用3年間ゼロという「ゴキゲン♪ゼロゼロキャンペーン」を実施中。こういうキャンペーンが始まることは、とにかく売りたい! という悲痛な現場の表れでもある。つまり、買い手が有利。フォルクスワーゲン車は、今が買い時。国産・輸入車問わず、ライバル車とシッカリと競合させればお買い得にフォルクスワーゲン車を手に入れるチャンスだ。
フォルクスワーゲン ザ・ビートル(The Beetle)価格
・The Beetle Design(ザ・ビートル・デザイン) 2,600,000 円
・The Beetle Turbo(ザ・ビートル・ターボ) 3,349,000 円
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