フォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック(Golf Alltrack)新車情報・購入ガイド 実用性重視のクロスオーバー車。ヴァリアントに比べ、やや変わり映えしないデザインが難点? [CORISM]
クラスを超えた圧倒的な積載性を誇るゴルフオールトラック!
フォルクスワーゲン ゴルフオールトラックのベースとなるゴルフヴァリアント は、2014年1月に発売が開始された。搭載されたエンジンは、1.2Lと1.4LのTSIエンジン。1.2Lが21.0㎞/L、1.4Lが19.5㎞/Lという低燃費を誇る。また、エアロパーツをまとったRラインも用意されている。
基本的にベースがゴルフ なので、走行性能や低燃費性能は非常に高いレベルにある。素晴らしいのは、その積載性能。ワゴンボディのクルマである以上、実用性は重要ということもあり、荷室容量は605Lという大容量を誇る。ひとクラス上のメルセデス・ベンツCクラス ステーションワゴンの積載容量が470Lなので、いかにゴルフヴァリアントの積載性能が優れているのかが分かる。
ゴルフオールトラックは、そんなゴルフヴァリアントをベースとしているので、優れた積載性は共通。機能面では、フォルクスワーゲンの4輪駆動システム「4MOTION」が採用。最低地上高をゴルフヴァリアントより25㎜高めたこともあり、高い走破性を確保した。
この4MOTIONは、第5世代のハルデックスカップリングを採用した最新の4WD機能。この4WD制御は、車輪がスリップを始める前から反応して、あらゆる条件下でトラクションのロスを最小化するというもの。エンジンの負荷が比較的小さい、あるいはアクセルオフで空走(コースティング)するような状況では、リヤアクスルを駆動系から切り離し、フロントアクスルだけに駆動力を伝え、無駄な燃料消費を削減。そして、必要に応じてコンマ秒単位の素早い制御でリヤアクスルに相応の駆動力を配分する。電子制御油圧式オイルポンプで作動制御する最新式のハルデックスカップリングが、こうした細密な駆動力の分配を行っている。状況によって、駆動トルクのほぼ100%をリヤアクスルに伝えることもできる。
また、左右輪のトルク配分については、標準装備の ESP機能のひとつである EDS(エレクトロ
ニック ディファレンシャルロック)で制御。ゴルフオールトラックは、前後アクスルにXDSを装着しており、タイトコーナーを高速で走り抜けるような場合、前後のXDSが機能し、より安定し曲がりやすくしてくれる。
そして、この4MOTIONをよりラフロードでも生かせる仕掛けも用意されている。ドライビングプロファイル機能には、通常の「ノーマル」、「エコ」、「スポーツ」、「カスタム」に加え、ゴルフオールトラック用に専用開発した「オフロード」モードを追加。このモードを選択すると、アシスタンス システムをラフロード走行用プログラムに変更して、より安全なラフロード走行を可能としている。そのプログラムの変更とは、ABSの調整をし、制動距離をより短縮するためホイールロックの間隔を制御、ヒルディセントアシスト機能などがある。
ゴルフシリーズ初の1.8L TSIエンジンを搭載し余裕ある走りと、4MOTIONによる安定した走行性能がウリ!
ギアボックスは湿式多板クラッチ式の6速DSGとなっている。ヴァリアントは7速だ。多段化が進む欧州車においては、6速と聞くと随分古い印象を受ける。こうしたギアの段数が少ないことや、4輪駆動になりヴァリアントのハイラインより160㎏車重が増し1,540kgになったこともあり、燃費は14.7㎞/Lとなった。スバル レヴォーグは、1.6Lターボで170ps&250Nmで車重は1,530㎏で17.6㎞/Lとなっている。
ゴルフオールトラックの外観デザインは、前後の専用バンパーには、クローム装飾をアクセントに用い、さらに、左右ドアの下部には黒いサイドシルとホイールアーチを取り囲むように、同じく黒いホイールハウスエクステンションなどを装着。ホイールは、専用17インチ(205/55R17)となった。
インテリアは、専用デコラティブパネル、ドアシルプレート、シートバックに「Alltrack」のロゴが入った専用のファブリックシートが採用されている。
フォルクスワーゲンは、ひと目でクロスオーバー車であることをアピールしているというが、それほどゴルフヴァリアントから変わり映えしていない印象が強い。控えめでさり気ないというのが、フォルクスワーゲンの美点でもあるだけに、デザインは非常にカッチリしていて完成度が高い。しかし、あえてヴァリアントではなくオールトラックとしているのであれば、もっとクロスオーバー車的な要素を入れてもいいように感じる。フロントバンパーは、アプローチアングルを大きく取り、アンダーガードを入れるなど、分かりやすいデザインがあってもいいようにも見える。
フォルクスワーゲン ゴルフオールトラックの価格は347万円から。エアバッグ類や自動ブレーキ関連の安全装備は、高いレベルにありベースグレードでも20万円高価なアップグレードパッケージと大きな差が無いのは高く評価できる。ベースグレードだとシートヒーターがオプションでも選択できないなど、微妙な部分もあり、20万円という価格差と装備を考えると、ややお買い得感もあるのでアップグレードパッケージを選択したほうが無難な印象だ。
ゴルフオールトラックの価格は、それほど安くは無い。ただ、コンパクト なボディサイズに最小回転半径は5.2m、荷室容量は605Lと広大で4WD。狭い道が多い日本で使うという視点では、日本車以上に使いやすさが際立つモデル。アウトドアなどの趣味に使うクルマとしての価値は、非常に高いモデルだ。
フォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック(Golf Alltrack)価格
・ゴルフ オールトラックTSI 4MOTION Upgrade Package 3,670,000円
フォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック(Golf Alltrack)燃費、スペックなど
ホイールベース 2,635 mm
車両重量 1,540kg
エンジン 直列 4 気筒 DOHC インタークーラー付ターボ(4 バルブ)
排気量 1,798 cc
最高出力 132kW(180PS)/ 4,500~6,200rpm
最大トルク 280Nm(28.6kgm)/ 1,350~4,500rpm
トランスミッション 6 速 DSG
駆動方式 フルタイム 4WD
JB08 モード燃費 14.7km/ℓ
<主な標準装備品>
● Start/Stop システム/ブレーキエネルギー回生システム(BlueMotion Technology)
● プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”(シティエマージェンシーブレーキ機能付)
● ドライバー疲労検知システム“Fatigue Detection System”
● アダプティブクルーズコントロール“ACC”(全車速追従機能付)
● プロアクティブ・オキュパント・プロテクション
● ポストコリジョンブレーキシステム
● フロントエアバッグ(運転席/助手席)、ニーエアバッグ、サイドエアバッグ(前席/後席)、カーテンエアバッグ
● Volkswagen 純正インフォテイメントシステム“Composition Media”
● スマートエントリー&スタートシステム“Keyless Access”
● インテリアアンビエントライト/フットウェルランプ(前席)
● 2 ゾーンフルオートエアコンディショナー
● レザー3 本スポークマルチファンクションステアリングホイール
<Upgrade Package 装備品>
● レーンキープアシストシステム“Lane Assist” ● フルカラーマルチファンクションインジケーター
● バイキセノンヘッドライト(オートハイトコントロール機能、LED ポジションランプ付)
● ダイナミックコーナリングライト ● ヘッドライトウォッシャー
<Upgrade Package で選択可能なオプションアイテム>
● Volkswagen 純正インフォテイメントシステム“Discover Pro” / ETC2.0 対応車載器
● 電動パノラマスライディングルーフ(電動サンシェード、UV カット機能付)
● レザーシートパッケージ(スポーツシート(運転席/助手席)、パワーシート(運転席、8 ウェイ)、パワー
ランバーサポート(運転席)、シートヒーター(運転席/助手席)
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