【アルファロメオ MiTo(ミト) 試乗記】見て良し、乗って良し! 才色兼備なベイビーアルファを徹底的評価! [CORISM]
【アルファロメオ】2009/05/06
アルファロメオらしいスポーティテイストが満載
アルファロメオのエントリーモデルに位置づけられる新しいコンパクトカーがミト。ミトの車名はアルファブランドのルーツであり、デザインセンターのあるミラノ(MI)と、生産工場のあるトリノ(TO)を合わせた造語であると同時に、イタリア語で神話/伝説などを意味する言葉でもある。
ミトはフィアットのグランデプントをベースに作られたモデルで、ベイビー・アルファと呼ばれている。プントとは明確に異なるアルファならではの外観デザインやパワートレーンを備え、スポーティな雰囲気で走りの楽しいクルマに仕上げられ高評価したい。
ミトはフィアットのグランデプントをベースに作られたモデルで、ベイビー・アルファと呼ばれている。プントとは明確に異なるアルファならではの外観デザインやパワートレーンを備え、スポーティな雰囲気で走りの楽しいクルマに仕上げられ高評価したい。
スタイリッシュで個性的なデザインのホットハッチが高評価
丸いヘッドライトや三角形の縦型グリルなどは、デザインのモチーフとなった8Cをイメージしたもの。
3ドアハッチバックのボディは、アルファ8Cからインスピレーションを得た独特のデザインが採用された。特にクロームに縁取られたヘッドライト、3つの山が連なるような左右のフェンダーとボンネットフード、縦型のフロントグリルなど、フロント回りのデザインが8Cをイメージさせるものに仕上がっている。バンパーに食い込むフロントグリル形状はとりわけアルファらしい部分が評価される。
リヤはルーフスポイラーやスポーティな形状のバンパー、LEDのテールランプなどが特徴となる。
ボディサイズは全長が4070mmと比較的コンパクトながら、最近のヨーロッパ車らしく全幅はやや広めの 1720mmが確保される。このため日本では3ナンバー車として登録されることになる。
リヤはルーフスポイラーやスポーティな形状のバンパー、LEDのテールランプなどが特徴となる。
ボディサイズは全長が4070mmと比較的コンパクトながら、最近のヨーロッパ車らしく全幅はやや広めの 1720mmが確保される。このため日本では3ナンバー車として登録されることになる。
アルファロメオ最大の特徴である三角形のグリルや立体的なデザインのボンネットや前後フェンダーが、とても個性的だ。ホットハッチらしいスポーティな雰囲気が好印象。
丸みを帯びたリヤビュー。下半分がブラックのバンパーや三次元的なリヤゲート、そして丸いリヤコンビランプがミトらしさを主張している。
丸いリヤコンビランプはLED式のブレーキランプを採用する。控えめな形状のルーフスポイラーでスポーティさをプラスしている。
ドライバー中心のスポーティなインテリアデザイン
インテリア空間は運転席を起点としたドライバー中心の空間が作られている。スポーツタイプのシートは立体的なクロスを使ったファブリックシートで、ほかに3色の本革シート(なんとポルト・ロウナ・フラウ社製だ)がオプション設定されている。シートのショルダー部分にはアルファのロゴがしっかりと描かれている。
インパネ回りのデザインはいかにもスポーティな雰囲気が演出されている。3本スポークのステアリングホイール、クロームのリングがあしらわれた0が真下にくるスピードメーターとタコメーター、丸型ながら変わったデザインのエアアウトレットなど、ひとつひとつがアルファらしく仕上げられている。
後席の空間は、決して広々とした感じではないが、十分な広さがある。乗車定員が4名に設定されていることもあって、後席に座っても窮屈な感じはなく、頭上や足元にも不満を感じることはない。
インパネ回りのデザインはいかにもスポーティな雰囲気が演出されている。3本スポークのステアリングホイール、クロームのリングがあしらわれた0が真下にくるスピードメーターとタコメーター、丸型ながら変わったデザインのエアアウトレットなど、ひとつひとつがアルファらしく仕上げられている。
後席の空間は、決して広々とした感じではないが、十分な広さがある。乗車定員が4名に設定されていることもあって、後席に座っても窮屈な感じはなく、頭上や足元にも不満を感じることはない。
エクステリア同様、立体的な造形のインテリア。独特のデザインセンスは、いかにもアルファロメオらしいもの。
3ドアのハッチバックということで後席の広さが気になるが、窮屈な印象はなく大人でも無理なく座ることができる。
シートはスポーティな走りをしても、しっかり体を包み込んでくれる。本革は上質なものが使われており、カラーも3色用意されている。
快適装備はもちろん安全装備も充実!
意外に(といっては失礼だが)充実しているのが安全装備だ。EBD付きのABS、ヒルホールドや電子制御LSDを含むさまざまな機能を統合した最新の ESP、ニーエアバッグを含む7つのSRSエアバッグシステム、アクティブヘッドレストなどが標準で装備される。安全装備の充実度については文句なしのレベルにある。
他にはバイキセノンヘッドライト、ブレンボ製の4ポッドブレーキキャリパー、イモビライザー、デュアルモード式電子制御パワーステアリングなどが標準となる。
他にはバイキセノンヘッドライト、ブレンボ製の4ポッドブレーキキャリパー、イモビライザー、デュアルモード式電子制御パワーステアリングなどが標準となる。
『0』が真下にくるスポーティな雰囲気のメーターは、文字盤も大きく視認性にも優れている。タコメーターにアルファロメオのロゴが入れられるなど、マニアの心をくすぐる配慮も抜かりはない。
アルミ製のペダルとフットレストには、それぞれにアルファロメオのエンブレムが刻印されている。他にもシートやステアリングなど、車内外のあちこちにロゴやエンブレムがちりばめられている。
ラゲッジスペースは、このクラスのハッチバックとしては不満のない広さが確保されている。ただ、後席を収納したときにフロアがフラットにならず、段差ができてしまう。
アルファらしいスポーティなエンジン
搭載エンジンは直列4気筒1.4リッターのDOHC+インタークーラー付きターボ。グランデプントなどに搭載されるエンジンにターボを装着したもので、 155ps(114kW)/20.5kg-m(201N・m)のパワー&トルクを発生する。これに6速MTが組み合わされる。
アクセルを踏み込むのに合わせて軽快に吹き上がるエンジンで、スポーティさを強調するためにギア比がかなり低めに設定されているため、すぐに吹けきってしまいシフトチェンジがけっこう忙しい。逆に加減速が多いシーンでは3速に入れたままでも十分にカバーしてくれるので、余分な操作をすることなく走らせることも可能。
アクセルを踏み込むのに合わせて軽快に吹き上がるエンジンで、スポーティさを強調するためにギア比がかなり低めに設定されているため、すぐに吹けきってしまいシフトチェンジがけっこう忙しい。逆に加減速が多いシーンでは3速に入れたままでも十分にカバーしてくれるので、余分な操作をすることなく走らせることも可能。
スイッチひとつで3種類の走行フィールが味わえる
今回のアルファロメオ ミトで初めて採用されたのがD.N.A.システムと呼ばれる電子制御機構。センターコンソールのシフトノブの根元部分に設けられたスイッチを操作すると、ダイナミック、ノーマル、オールウェザーの3種類のモードが選択される。
このうちダイナミックを選ぶと、ターボの過給圧にオーバーブースト機構が働き、トルクが20.5kg-m(201N・m)/5000rpmから23.5kg-m(230N・m)/3000rpmへと変更され、より低い回転数で大きなトルクが得られる。ほかにもステアリングのアシスト量を減らして手応え十分のステアリングフィールに変わるなど、メリハリの効いた味付けによって走りのフィールを変更することができる。
アウディA4のドライブセレクトなどと違って足回りについては電子制御化されていないが、ステアリングとエンジンだけでも十分に味付けの違いが楽しめる。オールウェザーは滑りやすい路面用のモードだ。
このうちダイナミックを選ぶと、ターボの過給圧にオーバーブースト機構が働き、トルクが20.5kg-m(201N・m)/5000rpmから23.5kg-m(230N・m)/3000rpmへと変更され、より低い回転数で大きなトルクが得られる。ほかにもステアリングのアシスト量を減らして手応え十分のステアリングフィールに変わるなど、メリハリの効いた味付けによって走りのフィールを変更することができる。
アウディA4のドライブセレクトなどと違って足回りについては電子制御化されていないが、ステアリングとエンジンだけでも十分に味付けの違いが楽しめる。オールウェザーは滑りやすい路面用のモードだ。
アルファロメオらしい個性的な走りが高評価
アルファロメオ ミトを走らせていて感じるのはいかにもアルファらしいなということ。同じ1.4リッターの過給器付きエンジンはフォルクスワーゲンがゴルフなどに採用していて、DSGとの組み合わせで洗練された走りを実現しているが、ゴルフなどとは明確に異なる方向性を示すのがアルファロメオ ミトの走りだ。こうした味付けをすることで、ユーザー層は狭まってしまうが、万人受けするクルマを作ったのではアルファではなくなって、かえって売れなくなるだろう。アルファの走りはこれで良いのだ。
安全装備の充実やさまざまな仕様が用意されることで価格設定は285万円とやや高めになるが、アルファらしいさスポーティさを味わうためにはこの予算が必要ということだ。
安全装備の充実やさまざまな仕様が用意されることで価格設定は285万円とやや高めになるが、アルファらしいさスポーティさを味わうためにはこの予算が必要ということだ。
ミトはモノグレードのため、搭載エンジンは1.4リッター直4ターボのみ。3つの走行モードが用意され、もっともスポーティな「ダイナミック」を選ぶと最大トルクが3kg-mアップする。
ミッションは6速MTのみの設定。レバーの脇には3つのモードで走行フィールが変えられるD.N.A.システムのスイッチがある。
17インチのアルミホイールが標準装備。またフロントブレーキはアルファロメオのロゴが入ったブレンボ製4ポッドキャリパーを装着する。
代表グレード | アルファロメオ ミト 1.4Tスポーツ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4070×1720×1475mm |
車両重量[kg] | 1220kg |
総排気量[cc] | 1368cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 155ps(114kw)/5500rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 20.5kg-m(201N・m)/5000rpm |
ミッション | 6速MT |
10・15モード燃費[km/l] | 未公表 |
定員[人] | 4人 |
税込価格[万円] | 285.0万円 |
発売日 | 2009/5/16 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 森山良雄 |
(レポート:松下 宏)
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